今朝の北海道地震、山が大規模に崩れ変容しているのには驚いた。また、全道で約295万戸が停電したというのも意外であった。道内全域での停電は1951年の北電の創設以来初めてという。電力各社でつくる電気事業連合会も「エリア全域での停電は近年では聞いたことがない」と言ってる。2011年3月の東日本大震災時の東北地方でも全域の停電は発生しなかった。
ブラックアウトは2003年、ニューヨーク大停電で電線が樹木によって切断され、連鎖的な停電によるもので真夏のアメリカ北東部8州とカナダ南東部1州に及んだ。日本の電力会社は系統の多重化で連鎖的停電の拡大は無いとされてきた。しかし、北電は「震源の近くに位置し、石炭を燃料とする苫東厚真発電所(厚真町)が6日未明に運転中の全号機が地震により緊急停止した。同発電所は165万キロワットの発電能力を持ち、地震発生当時は北海道の使用電力の半分を供給していた道内最大の火力発電所で、この発電所の停止が大きく影響し、連鎖的に道内の火力発電所も停止した」と説明している。同発電所の存在が大きすぎてコントロールが効かなかったと考えざるを得ない。
前々回のブログで、エネルギー事情の大転換で触れたように、再生エネルギーと蓄電池による分散化がされれば、北電の復旧まで不自由しなくて済む。全地域停電で今回はスマホの電源まで確保できず家族との連絡もとれなかった事例が多い。テレビではSNSで北海道の友人に放送内容を伝えてほしいとか情報を送ってほしいとか放送していたが、スマホも電気無ければ只の箱だ。米国では日本よりエネルギー事情が不安定という事もあり、大店舗(ウォルマート)やグーグルオフィスでは燃料電池による電力供給が始まりだした。Bloom Energyという会社が製造供給している。日本では車での利用がすぼみ、燃料電池が一時ほど話題にならないが技術的にはホンダとかトヨタは優れたものを持っているので分散エネルギーの核として研究し、普及してもらいたい。