行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

オリンピック道路より食の安全を

2016-09-13 23:03:54 | Weblog
豊洲市場の土壌汚染対策をめぐって、東京都は、土壌や水質に詳しい大学教授らで作る「専門家会議」から、盛り土を敷地全体に行うよう提言を受けていたにも関わらず、独断で方針を変更したとの報道には眼を疑った。これまで都が敷地全体で行ったと説明してきた盛り土が、実際には主要な建物の地下では行われていなかったことが明らかになった。専門家会議の提言は、平成20年(2008年)7月に行われ、都は、その5か月後の12月には別の専門家が工事方法を検討する「技術会議」で、建屋の部分には盛り土を行わない方針とした。つまり現在の大部分の建屋は汚染対策がされてない土地に建っていることだ。
 
ことは普通の工場ではない。生鮮食品を床に置いて競りをかける都民の台所中央卸売市場であるだけにベンゼンなどの汚染物質をどう防げるか大問題だ。当時の石原元知事はどう決済したのか、都庁への出勤が適当だったため、役人が勝手に判断したのか責任を明確にした上で、再建覚悟で新市場を建設するべきだ。築地市場が移転できないとオリンピック道路ができないなどと森喜朗東京オリンピック組織委員長は言って圧力をかけているが、道路は迂回すれば良い。都は信用を失った今、都民監視の下、時間かけても汚染対策をきちんとして食の安全を確保して欲しい。
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