日本にキリスト教が、イエズス会により布教された天正年間、大友宗麟などキリシタン大名の肝いりで伊藤マンショを団長に4人の少年使節団が1582年ローマに向かった。長崎を発ち当時欧州最大の港リスボンにつくまで2年6ヶ月も掛かった。ポルトガル、スペイン、イタリアへ向かう間、各地で熱狂的な歓迎を受けたそうだが、8年後帰国してからは秀吉によるキリシタン禁止令により悲惨な運命が待っていた。
さて、現在のポルトガルだが、政治は揺れている。長期政権であった社会民主党はEUに大きな借金をつくり、ギリシャと並んで危機をむかえ、懸命の緊縮策で何とか破綻を免れた状態だ。最近の選挙で国民はこの緊縮政策にノーを突きつけ、過半数の議席を取れず、社会党を中心とする左派連合政権が今まさに模索されている。しかし、この国の高速道路などインフラはEUのおかげで充実している。ただ財政赤字を生み出し、財政は貸し主EUの監督下だし、軍隊はNATOに依存、ポルトガル語だけが残っているという嘆きも聞こえる。左派連合政権がEU離脱をやろうとしても伝統的な盟友英国のバックがなければ難しいだろう。
最後にポルトガルワインだが、リスボンについてランチで飲んだのが地酒グリーンワイン(現地語ヴィーニョ・ヴェルデ)、完熟する前の葡萄で創るワインで初めて飲んだ。赤白有るが白を選択、若いワインだけあってやや発泡性ですっきりしてシャルドネ風味だ。日本でよく飲むマテウス・ロゼは避け、地元ワインの赤を飲んだがもう一つだった。名産のポートワインはサンデマン酒造により試飲、赤白ともに素晴らしかった。この創業者サンデマンは英国人で、ワインのうるさ型上得意英国人が乗り込んで自ら生産を始めた歴史だ。これまたポルトガル得意の外国人利用だ。