行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

中国高速鉄道、経営体質がもたらす大惨事

2011-07-26 16:46:52 | Weblog

5年前に南京へ出張した時にはまだ高速鉄道はできてなかったが、新車両の特急なのにトイレがてんこ盛りで使えなかったというアンバランスを経験した。この4年間に9000kmもの高速鉄道が建設され、各国の先端技術を導入したという。スピードを競い、上海ー北京間では世界最速、営業運転時速300kmを実現したと共産党結党90周年で誇らしげに発表した。このための建設ラッシュで建設業者からの賄賂が鉄道省のトップにたっぷりと入った。

大惨事では真っ先に計器類の搭載された先頭車両を地中に埋めてしまい、原因究明がなされないままに運転が再開された。何と恐ろしい経営体質であろうか?共産党トップの指示なのか鉄道省官僚の臭いものに蓋をする行為なのか糾明されるか判らないところが今の大国中国だ。犠牲者への対応も今後注目したい。このままでは第2、第3の大惨事が起こりかねない。

日本でも福知山線転覆事故でJR西日本の経営体質が問題となった。この時は約1ヶ月運行せずに原因究明を事故究明委員会で行い、運転手への教育訓練のあり方、ATSの未設置など直接原因の他に背景となるJR西日本の経営体質が事故原因の背景とされた。その結果、経営陣の刷新と経営体質の改善がなされた。

福島第一原発の事故も津波の可能性を頭から無視した人災であり、東電の経営体質が問題となっている。巨大システムにはアポロ宇宙船で有名になったフェイルセイフの思想が組み込まれているが運用するのは人間で、神ではないことをこの大惨事でも再認識させられた。

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