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進化する魂

フリートーク
AKB48が中心。
気の赴くままに妄想をフル活用して語ります。

AKB48 CD売上枚数の推移

2012-12-15 12:45:47 | AKB48_アナリシス
(追記)永遠プレッシャーの2週目の記録を反映いたしました。





今朝時間あったので作ってみました。


【追記】


このグラフから何を読み取るか、ですね。


まず、「前作比(前作との比較)」と「前3作平均比(前3作の平均との比較)」は直近どのくらい売上枚数が変化したかを示す指標です。

「前3作平均比」の方が少しだけ長い期間との比較になりますが、グラフをみたらわかりますが、「前作比」と「前3作平均比」の違いが、今に近づくほど無くなっていくことがわかります。

(重なり始めてますよね)

これは、直近3か月の期間で見た時と、直近9か月くらいの期間で見た時で、AKB48のCDシングル売上枚数に大きな違いがないということで、つまり、最近のAKB48のCD売上が、短期間で急激な変化をすることがなくなってきているということです。

そして、この2つの指標が1.0近辺に収束するような動きをしています。

今後落ち込むかもしれませんが、これまでのところ、1.0近辺に収束するということは、こちらの指標でもCD売上枚数に大きな変化が見られなくなってきた、つまり売り上げが安定してきたということです。

この成長率が下がっていることが、勢いがなくなってきたと感じる要因の1つであります。


「変化」も重要だが、本質的な「絶対量」を忘れてはいけない。いつだって基本が大事。
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/bdf7548f7139201858d41566e5880152



グラフを見ると、大きな変化点となった作品がどれだったかわかります。

キングレコードに移籍して第1弾として出した『大声ダイヤモンド』から『涙サプライズ!』、ここが大きな変化点としてあります。

そして、次が『RIVER』から『ポニーテールとシュシュ』、『桜の木になろう』から『Everyday,カチューシャ』にかけて駆けあがるように売上を伸ばしているのがわかります。



「累積平均比」というのは、これまでの全ての累計売上の平均に対してどう変化したかを表しています。

この指標はこれまでのAKB48(累積)に対してどう変化しているのかを、長期的にみるための一つの参考値です。

個人的には、これが最も「勢い」を表すのに適している指標だと思います。

ここでもやはり『大声ダイヤモンド』をキッカケに駆け昇って行きます。

最も大きな成長期が『ポニーテールとシュシュ』『ヘビーローテーション』『Beginner』までの期間で、『Everyday,カチューシャ』で2回目の大きな成長を遂げ、『真夏のSounds good』で3回目の飛躍的な成長を遂げています。

この指標を見てみても、やはり「選抜総選挙」がAKB48の飛躍の直接的な要因であることがわかります。

ただ、グラフを見てわかるように、長期的にみると成長率は下がってきているのは間違いなく、勢いが落ちてきていると感じるのは仕方がありません。

ベンチャー企業が大企業に移行する時に必ず経験するものです。

ただ、SKE48/NMB48/HKT48を加味した場合にどうなるかは計算したことがないので、これらのグループを加えると、全体としてはまた違う画が見れるのかもしれません。



初週売上と累積売上の差分も注目点です。

この2つに差が出ているということは、2週目以降に売り上げが伸びたということです。

それが、いつかというと『ポニーテールとシュシュ』から『ヘビーローテーション』、『Everyday、カチューシャ』から『フライングゲット』の2点です。

そうです、選抜総選挙曲ですね。


第4回選抜総選挙 結果の図解
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/c153b4df0c7d5748202b695e610752ee



さて、今後の動向が気になるところです。

Did you know? ~あなたは知っていましたか?

2012-12-14 12:33:05 | AKB48_軽ネタ
知ってる人もいるかもしれませんが。


【日本語訳】Did you know 3.0 ~あなたは知っていましたか?





【日本語訳】Did you know 4 0 ~あなたは知っていましたか?~





最後の投げかけにどう答えますか?

So, what does it all mean?
(これってどういうこと?)


個人的な見解は、これまで当Blogで何度も語ってきたので、今日はおススメ図書だけ紹介いたします。

アルバート=ラズロ・バラバシ『新ネットワーク思考 ~世界の仕組みを読み解く~』クリス・アンダーソン『フリー』です。この2冊を読み解けば、この映像で訴えているコト、何が起きているか、何が起ころうとしているのかを理解できると思います。(あくまで私見です)

よくデジタル・ネイティブだなんだと聞きますが、要は「ネットワーク(インターネットのことではなくネットワーク理論のネットワーク)」の事がわかっているか否かだと思います。デジタル・ネイティブは環境的要因で直感的にわかっているというだけ。





哲人・永尾まりや AKB48とSKE48の違いの本質を大いに語る

2012-12-13 01:08:03 | AKB48_メンバー
時間があれば3人目の妄想シリーズを書きたいところだが、時間も余裕もない・・





有吉AKB共和国実況スレ「有吉AKBラジオ局、出演、小嶋陽菜、北原里英、倉持明日香、永尾まりや」(AKB48タイムズ)
http://akb48taimuzu.livedoor.biz/archives/20995226.html


以前から、NGOの哲人っぷりが気になって仕方がなかったのだが、今回の有吉AKB共和国においても、その哲人っぷりが遺憾なく発揮されてしまった。

(過去エントリ参照のこと)



有吉AKBラジオ局の1コーナー「AKBとSKEの違い」での出来事だった。


その瞬間は、私にはあまりにも甘美であった。


NGOの先輩にあたる小嶋、北原、倉持の3者がAKBとSKEの違いについて「あーでもない、こーでもない」と議論している最中、


NGOが口を開く。


しかもドヤ顔で。




「場所が違う。」




・・・



ぐはっ!! w(゜ロ゜)w



や、やられた・・・



天才すぎる orz



こいつぁ本物だ。



その通りである!!!



たぶん、3周くらい先回りして正しい。



さすがだよ、まりやぎさぁん



まりやぎさんからお手紙ついた~♪



君は未来からの使者だ。




そうなのだ。

我々はAKB48やSKE48、NMB48などについて、いつも何が違うのか熱くなって語る。

人から聞かれるし、必ず話題になるし、各グループの未来を語る上でも「どう違うのか」ばかりを気にしている。

しかし、それは、「どう違うのか」という問いの前段で、「どう違うべきなのか」という問いを内包している。

わかりやすく説明しよう。

普段、我々はAKB48やSKE48などを認識するために、認識しやすい形に解釈したがっている。

「AKB48とSKE48は違うものだ」という前提を無意識のうちに受け入れているのだ。

「違いがある」の前に、「違いがなければならない」という前提が先立ってあるということだ。




だが、しかし、実はAKB48とSKE48との間には本質的な違いが「ない」のかもしれない。

楽曲にしろ、衣装にしろ、作り手側がグループにかける想いやイメージは異なるものの、やってることを俯瞰してみればAKB48とSKE48は同じことをやっているように思える。

その中で、AKB48とSKE48の差異に関して最も大きな影響を与えているのは、「場所」であろう。

「場所」が異なるゆえに、様々な活動に違いが発生しているのであって、

「場所」の違いが、両グループの違いを決定づけてる。



よって、NGOのコメントは大正解である。

驚くべき洞察力。

我々が知らぬ間に構造に取り込まれていたところを、永尾まりやは脱構築してみせたのだ。

おそるべし哲人・永尾まりや。

であった。




それと、NGOに対して「やる気ない」とか批判してる人、わかっていないな。

NGOは知る人ぞ知る努力家なのだ。

以前からチーム4に対してやる気ない攻撃が多かったが、みんなやる気はある。

やる気のないメンバーなんて滅多にいないよ。

やる気の形というのは人それぞれにあるのだから。

ただ、それを人にどう見せるかという部分が苦手なだけだ。

そういう意味では、社会対応力が不足しているとはいえるし、その点については反論しない。

が、問題が見せ方にあることがわかっているのだから、あとはその部分を訓練すれば何とでもなる。


見せ方という点では、NGOのことを「ゆとり」と言う人がいるけれど、

それは、NGOが半径3メートルくらいをすごく大事にするからだろう。

「いま・ここ」を大事にする人なのだ。

だから人に信用される。

ただ、メディアを通してその先にいる不特定多数の人々とのコミュニケーションに不慣れなのだ。

これまでの人生の中で、経験することが少なかったから。

AKB48の中にいても、メディア露出は多くなかったからね。

その部分を意識してやってみたらいいのではないか。

先述したが、これは訓練すればよいことなので、なんとでもなる。

AKB48が日本の音楽をダメにしたってどういうこと?

2012-12-11 16:25:51 | AKB48_軽ネタ
つい先日、ある飲みの場で、最近は聞かなくなったあの懐かしの言葉を聞いた。



「私はね、AKB48が日本の音楽を退廃させたと思っているんだよ。」




とのこと。


あぁ、またかと思いながらも、面と向かって私に言ってきたので無視するわけにもいかず、仕方なくいつもの通りに答えた。



「なるほど。」

「つまり、もしAKB48がいなかったら日本の音楽は退廃しなかったということですね?

「AKB48が存在しなかったら日本の音楽はどうなっていましたか?」



と言ったところ、饒舌なその人は少し考えて、間をおいてこう言った。



「それはするどい質問だ!!」




で、この会話終了。

これいつものパターン。

正直に言えばいいだろう。

「AKB48が得体が知れないから好きになれない」って。

情緒と論理を混同したらだめよ。

島崎遥香の「ぽんこつ」が武器に変わる時

2012-12-10 23:09:19 | AKB48_軽ネタ
過去何度か

「起業家はリスクを取ることに対して報われるのではなく、不確実性を徹底的に活用する能力に対して報いられる。」

という話をしてきたが、最近のぱるること島崎遥香のゴリ推しを見ていると、この不確実性をうまく活用した事例であるなと、思わずにはいられない。


ぱるる島崎遥香がまゆゆに肩を並べたようだ
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/ce1e1da63c84e184cebb3d4f5041cc90


個人的にはセンターとしてのメディア活動もさることながら、『めちゃイケ』が非常にうまくいったなと感じているのだが、


「めちゃ×2イケてるッ!」 よかったね!
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/089c39d1785db04b810e928dae7c0606


その『めちゃイケ』も、じゃんけん大会で優勝しなければ、成立しない企画だったのだから、偶然というのは恐ろしい。
(この場合は、偶有性と言った方がいいのかな)

じゃんけん大会がやらせだと言う人もいるが、それはないだろう。

やすす先生も否定してるし、私もそんなこと有り得ないと思う。


やらせ疑惑について
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/558fc7cae54a89394fcd2aba7fdb4141


その上、その『めちゃイケ』のあのストーリーが成立するためには、ぱるるが「ぽんこつ」でなければ、これまた成立しないのだから、面白い。

まるで、オセロの石が「黒」から「白」へ一瞬で変わるように、「ぽんこつ」という「欠点」が一気に「武器」に変わったのだ。

ある程度に「ぽんこつ」ストックが蓄積していなければ、このサクセスストーリーは描けないし、またじゃんけん大会での優勝というこれ以上ないブースターがなければ、ここまでの反響は望めなかっただろう。


何か一つのキッカケが触媒になって、それまでは別々にあった要素が結合して化学反応を起こすのだ。

近年はインターネットの発展により、様々な要素が結合しやすくなり、そしてネットワーク効果も起きやすい状況になってきている。

そもそも、AKB48が巨大なネットワークであるから、少なくともこれまでのアイドルグループよりも遥かに化学反応は起きやすくなっていると言える。

それこそ、レガシーになった王道系ですら新しいものとしてやれるのだ。


ぱるるセンターで往年のAKB48を見た
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/6ebd494c559388aeebf16f9119acc4f3


AKB48は、これからもさらにいろんなものと結合していくのだろう。

その際、多様性と資産の柔軟性を、できる限り高く保つことが、化学反応を起こしていく上で肝要だ。


田野しいやつらが引き起こす創造的摩擦 ~イノベーションのジレンマを超えるバリュープロポジション~
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/cfdd89f383a05dfda9d5ac8a934d4b7c


ただ、多様性を高めるというのは、たいていにして多くの犠牲がつきものであったりする。

自然がそうであるように。


自然は命をムダにする
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/e98d828c318cbd4d9677b82f653b26c8


ほどよいバランス感覚を身につけながらも、やはり今後も阿鼻叫喚は続くのだろうか

『前田敦子はキリストを超えた <宗教>としてのAKB48』を読んだ

2012-12-08 16:38:56 | AKB48_軽ネタ

書き直しました。
本の内容を書きすぎるのは問題があると思うので、バランスの難しいところですが、とにかくわかりやすさを重視して書きました!
著者の意思に反したこと書いてるかもしれませんが、それは私の知的限界です(笑)





濱野智史『前田敦子はキリストを超えた <宗教>としてのAKB48』を読みました。

物議を醸した話題の作品ということで楽しみにしていました。


「前田敦子はキリストを超えた」が楽しみ
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/140847a544229822e21b030cde30ad48


発売が発表された時にはあれだけ非難轟々だったのに、本が発売されるとたいして話題にもならないというのは如何にもという感じです(笑)

インターネットによる言論の民主化、WebやSNSによって情報の発信コストが下がると話題を求めて彷徨うネット上の魂たち(ときとしてアンチ)が活動しやすくなります。

彼らが欲しいのは、彼ら自身の文脈(それは時として借り物の文脈であったりする)に組み込むべき「話題」であって、事実を探求するような態度ではないのです。

しかしながら、本著の中では、あらゆるコミュニケーションが自己目的化した近代において、「匿名アンチ」は人間の再帰的な認知能力を高める可能性のある存在として肯定的に描かれています。

(「再帰的な認知」は、「何が正しいのかを繰り返し熟考すること」と簡単に考えてください。)

「匿名アンチ」というと、なにかと否定的な文脈で捉えられることの多いものですが、批評界の中では集合的無意識を実現し得る存在として問い直されているそうです。

まぁ、これから話題に上がるかもしれませんね。


----------------

■まず、ざっくりとした感想


まずざっくりとした感想ですが、著者の専門領域である社会学的な観点からの客観分析と、AKBヲタとしての主観分析がほどよくミックスされていて、読み応えがありながら軽快に読める内容で面白いと思いました。

内容は、基本的には当Blogでも好んで取り上げるシステム論(物事の原理となっている構造を捉えようとする姿勢)になっていまして、AKB48を多角的かつ構造的に捉えなおそうというものです。

個人的には、幾つかの論点については既に当Blogでも取り上げたことのあるものだったので、視点の新しさというよりも、当Blogとの解釈の差異や深みの部分で楽しさを感じることができました。

一応言っておきますが、当Blogの手抜き論評よりも高尚で出来がよいのは言うまでもありません(笑)


ただ、文量は多くないものの、読み手にある程度の予備知識を求める内容になっておりますので、読者を選ぶ本かもしれません。

また、AKB48ファンではない人々が、これを読んだ時にどう感じるかは予想がつきません。

なんとなくAKB48のことがわかるかもしれないと思うし、それでもやっぱりAKB48に対する印象は変わらないのではないか、という気も致します。

いや、本の内容がわかりにくいということではなく、外から見た時のAKB48のわかりにくさに原因があるのです。

そういう意味で、この本は「実体験を伴わない言葉だけの説明で、AKB48を記述し尽くすことができるのか?」という問いに対する濱野氏からの挑戦状とも受け取れます。

この本は大変に有意義な意欲的作品であるといえるでしょう。


■AKB48というわかりにくさ


AKB48を言葉だけで説明しようとしても、その良さを伝えることは非常に難しいでしょう。

これはAKB48だけに限ったことではありません。

ももクロでも、iPhoneでも同じことですが。

AKB48の良さは、レコード大賞やコンサートでの動員数、CDの販売枚数では伝えられません。

それはあくまでも結果でしかなく、中身ではないのです。

このAKB48の良さを伝える難しさが大量のAKB48アンチを生む原因になっておりますが、しかしながら、これがAKB48の良さそのものでもあり、これらは表裏一体なのです。

この件に関しては、過去何度かエントリを書いてますので是非お読みください。


IT革命と視覚と社会と
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/e99ae9e1e7140832f5e4f7c12a5f122a


本著を読んでも、これはやはり難しいテーマであるということを再認識する機会となりました。

挑戦し甲斐のあるテーマであります。

今回、濱野氏が非常によい問題提起をしているわけですから、この本をいろんな人に読んでもらい、議論のネタにして頂きたいものです。


けれど、あっちゃんに読ませても・・(笑)

や、やすす先生ェ・・
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/70ff245298641cd5981798e54fbedbba


■前田敦子はキリストを超えたのか?


まず、物議を醸した「キリストを超えた」部分についてだが、これは濱野氏の実体験に基づくデフォルメ(強調)でありマーケティングなのであって、本著の主要なテーマではないと私は思いました。

本著の論旨に沿えば、この本の第一のテーマは副題の方の「宗教としてのAKB48」であり、前田敦子がナザレのイエスと同様の原理で超越性を帯びるに至ったということです。

著者の意思に沿えているかわかりませんが、これはつまりAKB48は「リトル・キリスト」を生み続けるシステムである、ということです。

その上で、AKB48というシステムが「キリストを生み出したアーキテクチャ」のより進化したバージョンであるだという主張です。

そういう意味では、「AKB48が疑似宗教システムとしてキリスト教のシステムを超えた」という方がより適切であり、わかりやすいものになったでしょう。

「前田敦子がキリストを超えた」という文脈でいえば、「前田敦子を生み出したAKB48というシステムが、キリストを生み出したキリスト教というシステムを超えた」ということになるでしょう。

あくまでも私の解釈です。


■なぜ前田敦子なのか?


なぜ著者があえて「AKB48」ではなく「前田敦子」にフォーカスを当てたのか、つまりなぜ前田敦子がキリストだったのか。

著者は、第3回選抜総選挙の壇上における前田敦子の名言を用いて説明しています。

[前略]

もちろん、私のことが嫌いな方もいると思います。
ひとつだけ、お願いがあります。
私のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください!

[後略]


この時、前田敦子はキリストに匹敵する超越性を帯びることになったとしています。

人類の原罪を背負ってゴルゴダの丘で磔刑に処せられたナザレのイエスは、死して預言者から神になった(イエスが神になったのはそれから300年後のニケーア公会議の時なんだけどそんな細かいことは今はどうでもいい)。

その自己犠牲の精神による「利他性」の発露、その瞬間に前田敦子はキリストになったのだと。

総選挙の壇上というゴルゴダの丘で、前田敦子はキリストを超えたという主張です。

(ここでは「キリスト」を「救済者」という意味で取るのが適切だと思う。)


■AKB48という新時代のシステム


著者はAKB48の構造を分析し、その「利他性」と「相補性」をベースとしたコミュニケーション・システムが、原始キリスト教のそれと類似しているといいます。

著者は吉本隆明の論説を引用し、ナザレのイエスがキリスト足り得た理由を、AKB48における握手会や劇場公演、そしてアンチとの関係性で説明しています。

簡単に言うと、イエス・キリストが支持された、つまり民衆から推された理由と、前田敦子などのAKB48のメンバーがファンに推される理由とが類似した構造的図式にあるということです。


宗教も思想も、相対主義からは決して逃れられない。どれだけ倫理的であろうとしても「疎外」は起こってしまう。つまり、ほんらいであれば加担したくないようなものにも加担してしまう。だから、そのとき置かれた状況と人間関係のただなかにおいて、ただ「加担」するしかない。それだけが「絶対」的である。まさに実存主義的なアンガージェマン(自己投企)でもあり、後に席巻するポストモダン思想の「脱構築」を思わせるようでもある、この「関係の絶対性」という吉本隆明の言葉。それは「思想」そのものではないが、しかし「思想」としかいいようのない、常に相対性の中で揺れ動く何かを捕まえた言葉である。

そしてここで言われる「関係の絶対性」は、まさにAKBにおいて生きられる形で作動している。AKBにおいては、誰もが「関係性の絶対性」に左右されている。どれだけあっちゃんが「絶対的エース」といえども、彼女は盤石なセンターではありえなかった。あっちゃんを推していないファンはいくらでもいた。だからあっちゃんはアンチたちから無数に叩かれた。しかしそのアンチがいるからこそ、そのアンチに向き合ったからこそ、あっちゃんというセンターは輝いた。ここにあるのは、原始キリスト教とまったく同じアンチのメカニズムにほかならない。私たちはAKBに、原始キリスト教と機能主義的にまったく等価なメカニズムを見るべきなのだ。
(P67)


それも、当時よりも技術的に発展したネットワーク社会に現れたAKB48の方が、これからの時代に適合したアーキテクチャを持っているということです。

本著の帯にもなっている次の箇所が「宗教としてのAKB48」を最も端的に要約しています。


AKB48は、まさにいま現に生きられる<宗教>としてある。それは近代が生み出したサブシステムを縦横無尽につなぎあわせ、さらに情報社会が生み出した様々なインフラの力を借りることで、私たちはどこから来てどこへ行けばいいのかを指し示す。誰もがリスクにさらされ、未来も希望も見えないなかで自己決定せねばならない現代社会において、生きる意味を与える宗教として、間違いなく機能している。おそらく、AKBを知らない「外部」にいる読者は、現時点では何を言っているのかまったくわからないであろう。確かにこの社会のおよそ外部に位置するAKBというアイドルの世界で、まさかこのようなことが起きているとは、筆者も1年前まではまったく思いもよらなかったのだ。しかし、それは現にある。

ただ、AKBは、おそらくおよそ人類がこれまで生み出してきた宗教とは、まったく似ても似つかないものとしてあるだろう。なぜならAKBは、何一つとして超越的な次元を生み出すことがないからだ。これはあくまで現時点での作業仮説にすぎないが、AKBという宗教には徹頭徹尾、「近接性」あるいは「内在性」しかない。つまり「ここではない・どこか」としての超越的次元を希求することなく、どこまでいっても目の前にある「いま・ここ」の「近接的現場」だけを通じて、超越的なもの/全体的なものを備給する、そんな手品のようなトリックを実現してみせるシステム。それがAKBなのだ。本書を通じて、そのことを筆者は明らかにしていきたいと思う。
(P23)


従来の宗教は「超越性」を志向し、現世とは遠く離れた「ここではないどこか」を志向するのに対し、AKB48は「いま・ここ」にあるメンバーとの関係性だけが絶対であり、「超越性」なき「近接性」のみを貫いた宗教ということです。

人間は剥き出しの「偶然性」に耐えられないために、本来、宗教は「偶然性」を飼い慣らすためのツールであるが、AKB48は「偶然性」を飼い慣らしたりしないといいます。

「関係の絶対性」を希求するAKB48というシステムにおいては、この「偶然性」こそがメンバーとファンの関係性を決定づける最大の要素であるからです。

(また、推し変の起きるシステムとも言っています。)


■実は、AKB48第2章は3.11にはじまった


少し脱線しますが、自説を。

著者は、聖典たる『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』の主要テーマであった東日本大震災に端緒としたAKB48の活動をもとに「相補性」について説明しています。

ここでいう相補性とは、アイドルとファンの関係を対立構造(たとえば供給と需要といった関係)として捉えるのではなく、アイドルもファンも同様に「誰もが傷つきながら夢を見る」という等価な存在であり、その上で両者がお互いを救済し合っているとする考え方だと思います。

本著の中では、相補性を示す代表的な例としてHKT48の宮脇咲良のググタスでの投稿の要約が出てきますが、↓是非この機会に全文を読んでみてください。

(このエントリ、未だによくアクセスされているのはなぜなのだろうか・・)


HKT48 宮脇咲良 の被災地訪問に関する投稿がよくできてる
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/0980179cd85fac2e8179b9cac06fd234


私は、3.11東日本大震災がAKB48に与えた影響はもっと大きなものだと考えています。

それは、映画を見た時にも、その後にも何度かその意義について書きました。

2011年はレコード大賞をはじめとした華々しい結果を残した年でありましたが、もっと大きな変化が水面下で起きていたのです。

3.11の後にはじまった震災復興支援事業を契機として、AKB48は社会的な存在になったのです。

3.11はAKB48の存在意義を変えてしまいました。

単なるアイドルグループから、社会的機関としての機能を果たしていく存在に変わったのです。

私は、これがAKB48の第2章の幕があけたタイミングだと思っています。

前田敦子の卒業は、このAKB48の変質をわかりやすく表現した出来事だったのだと解釈し直される時がくると、私は考えています。


■AKB48とは、未来の"前田敦子"のことである


最後に、著者に敬意を表して(?)、ぱるるオタたる著者の心の叫びを転載しておきます。

AKB48はリトル・キリストを転生させ続けていくシステムであると前述しましたが、そのシステムによって次に転生させられるリトル・キリストは「ぱるる」こと島崎遥香であるといいます。

「ぽんこつセンター」がAKB48に新しい秩序をもたらすから、というものです。

通常、センターには優れた者が座ります。

指導者であり、リーダーです。

カリスマのいる組織は強い、それは当たり前のことです。

しかし、「ぽんこつセンター」はそうではないといいます。

逆に見守られなければならない、批判も絶えない、到底リーダーにふさわしくない者がセンターに座るということは、「否定神学」に似ているということです。

ただし、存在しないという形で存在するような「不在の超越者」とは決定的に異なるといいます。

誰もがそれを叩くことでガス抜きが実現され、一方で「ぽんこつ」でもセンター足り得ることで「私でも」と成長と変化への希望を抱ける世界、ぽんこつがセンターであることで「平和」と「繁栄」が実現される社会がそこにあるというのです。

そういう妄想を抱かずにはいられない存在、それが「ぱるる」とのことです。


ゴリ推しの光と影
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/287519bfb7ede2710136f5afe67b9b95


前に、私は前田敦子さんについて「空っぽの絶対的エース」と書いたことがあります。(当Blogの人気エントリ)

次は、「ぽんこつの絶対的エース」ということですかね(笑)


AKB48のタオ<道> 空っぽの絶対的エース 前田敦子
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/5e891a13328ef801a2aa92c929c9f9bb



さて、そろそろ疲れてきたので、このあたりで終わりにしようと思います。

AKB48は、今後私たちに何を見せてくれるのでしょうか。

また、私たちは、AKB48というシステムを通して何を見たいと思い、何をしていくのでしょうか。

楽しみです。

もうググタスが一周年か~

2012-12-06 00:01:01 | AKB48_軽ネタ
起業家の半数は、金儲けのためではなく、幸福を追求するために起業するという。

人間は、生活が保障される水準で報酬が確保されている時、報酬の多寡よりも、やり甲斐を重視するのだ。

利益の最大化ではなく、意義(意味)の最大化を目指す。



そして、↓でも述べたが、人間には自分が創造に手を貸したと感じるモノをより高く評価する傾向がある。

これは「イケア効果」とよばれるものだ。


AKB48と自分のモノという意識の深い関係 ~所有意識~
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/e763b2d0812b7407b30562276345df02


行動経済学者のダン・アリエリーは次のような逸話を述べている。


アメリカの専業主婦の家事負担を軽減し、生活を簡単便利にしようという国民的なトレンドに乗って、1950年代にインスタントケーキミックスが発売された当初は、拒否反応が起きた。
ケーキミックスはお手軽すぎて、主婦の労働や技術が過小評価されると感じた人がいたからだ。
その後、食品会社は、レシピを変え、ミックスに卵を加えるようにした。
この変更だけが商品の大ヒットに繋がったわけではないにしろ、手作業を加えることが成功の鍵になったと思われる。
(卵を加える手間を省くよりも、あえて卵を加えるようにミックスを作成した方が顧客価値が高いということだ)


自分で作ったイケア家具を買う場合と、自分以外の誰かが全く同じ家具を買う場合の値段を比較した結果、

自分で作ったイケア家具を買う場合は、そうでない場合より67%も高い値段をつけることがわかっている。



ファン参加型のメリットがここにもあるわけだ。

ググタスをもっと積極的に使ってこの件を加速すべきなのだが、それが出来ていない現状は少しはがゆい。


ということを、ごく簡単ではありますが、ググタス1周年ということで語ってみました。

やっぱり『永遠プレッシャー』はType-Dがよい 異論は認める

2012-12-05 13:49:41 | AKB48_軽ネタ
すまない。

『永遠プレッシャー』より『永遠より続くように』の方が好きだ(笑)

オカピーの曲が、野中“まさ”雄一の手によってAKB48版になっているわけだが、

「楽しんでいる感」が出ていてとてもいい。

その生成過程からして、楽曲全体に遊び心がある。

明るい気持ちになる。

こういうのを見たいし感じたかった気がした。

「こういうの見たかったよね?」って。

たぶんほとんど「めちゃイケ効果」だけど(笑)


そもそも「じゃんけん選抜」自体がめちゃくちゃ遊び心があってよいのだが、

このType-Dによって、その遊び心が完成した気がする。

このType-Dがなかったらと考えると恐ろしい。

最近のAKB48はAKB48としての責任を負っているから、遊び切れていないと感じてしまう。

そんなこと考えたら、永遠プレッシャーってUZAと似てるよね?


見つめられたらプレッシャー
愛に慣れてないから
私に期待しないで
今のままじゃだめなんだ
キレイになりたい
プレッシャー

ホントに大好きだから
愛は永遠プレッシャー


UZAと違う点は、プレッシャーは力にすることができるという点だね。

AKB48自体が永遠プレッシャーなんだねきっと



忙しいからって適当なことを書きすぎだろ?!という指摘も認める(笑)

茶髪の方がいいんじゃないか

2012-12-05 01:44:08 | AKB48_軽ネタ
話したいネタは腐るほどあるのだが、心に余裕がないので今回も軽いネタで心に水をやるのだ。



『永遠プレッシャー』はType-Dが一番いいよね。

理由は・・いわずもがなだ。





どっちも似合うと思うけど、茶髪派です!!

そういえば、この前見かけた時にNGOが使っているタオルもピータン柄でワロタ。




そして、気づいたらNGOがMXの番組にコーナー持つらしい。

同じ事務所の韓流グループの番組で料理コーナーの仕切りをやるとか。

確実に見ます!!

MXだから視聴者の数はあまり期待できないだろうけど、

最近いろいろある日韓事情ではありますが、NGO的には韓流ファンの注目だけでも掴んでおくのはありだなと思う。


MY NAME(マイネーム)のWキッチン」に出演決定!!


【放送局】Tokyo MX TV

【番組タイトル】「MY NAME(マイネーム)のWキッチン」

【放送時間】毎週月曜日22:30分~23:00(レギュラー放送)
初回放送 2013年1月7日(月)22:30~23:00

※「氷の料理教室★秘伝伝授」コーナーにてレギュラー出演。



「氷の料理教室★秘伝伝授」コーナー内容:料理初心者のMYNAME(マイネーム)にワンランク上でありながら、視聴者も手軽に出来る韓国料理を紹介するコーナー。

こちらのコーナーは永尾まりや仕切りで行います。

MYNAME(マイネーム)のひとりが金先生の指導の元、一品を作り上げていきます。

その調理手順もしっかりと見せながら情報性としても魅力のあるコーナーとなってます。

ぱるる島崎遥香がさっそく塩対応になっていたというが、それがぱるる

2012-12-05 01:18:04 | AKB48_軽ネタ
ぱるるネタばっかり書くのは旬だからではなく、単純に以前からの主張を補足したいから。

『めちゃイケ』の裏で相変わらずの塩対応だったという件について、一言付け加えたい。

前から言うように、ぱるるは端にいたら全く目立たないが、センターやそれに準ずるポジションにいると輝く。

めちゃイケでぱるるが輝いていたのは、ぱるるにスポットライトが当たっていたから。

あの手のキャラはセンターでないと活かせない、というよりセンターでこそ輝くタイプなのだ。

前田敦子もセンターでなければ使い物にならない存在だったが、センターにいると驚異的な力を発揮する。

そういう日常の顔とパフォーマーとしての顔の間にある理不尽なコントラストが、多くの人の注目と羨望を集めながらも、アンチも惹きつける。

そういう意味で、羨望とアンチは表裏一体なのだ。


逆に全く目立たないけど、その人がいいないと成り立たないという縁の下の力持ちキャラもいるし、

センターのサイドで輝くキャラもいる。

まさに適材適所という言葉の存在理由がよくわかるわけだが、

これは人が発揮するパフォーマンスが、その人自身の能力だけで完結しないという話に繋がる。

意味や価値は関係性の中に生まれるわけで、だからその人がその周囲とどういう関係性を創り上げるのかが大きく影響する。

AKB48であれば、その集団の中にいて、その集団とどのような関係性を構築するのかによって、その人のパフォーマンスの様相は変わるのだ。

同じことをしたとしても、環境要因で結果が変わる。


ぱるるが「ぽんこつ」だとしても、センターというポジションにいて「ぽんこつ的関係」を構築することで、ぱるるが活きることがあるという話だ。




誤解がないように補足しておきますが、以前から私はぱるるセンターの話をしていますが、ぱるるをセンターにしろと言っているのではなく、ぱるるはセンターで輝くよねという話をしているだけです。
あしからず。

ぱるる島崎遥香がまゆゆに肩を並べたようだ

2012-12-04 11:09:28 | AKB48_軽ネタ
短期的な検索ボリュームの話ね。(ごめん、題名が釣りで・・)


手抜きなのですが、これを見てくださいよ。

島崎、横山、渡辺、松井Jの4人のGoogleの検索ボリュームね。






第4回選抜総選挙の時点で、島崎、横山、松井Jが均衡し始めて、8月終わりの東京ドーム公演のあたりでは島崎が3人の中で上に出るようになる。

じゃんけん大会で優勝してどっと伸びて、その後は渡辺と同水準になっていて、最近のプロモーションでさらにドンっと伸びてる。

これが持続するかどうかは、まだわからないが、この結果は面白いね。

(最近、gooブログの無料アクセス解析キャンペーンで当Blogへの検索キーワードを見た時、「島崎遥香」が常に1位か2位だったもんね。)

このままいけば、近年稀にみるゴリ推しの成功事例になる。



ゴリ推しの光と影
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/287519bfb7ede2710136f5afe67b9b95


AKB48のブームは去りつつあるのか? グーグル先生に聞いてみた
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/e6eb5c531168b3293b46fc4b82697388



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【追記】

コメントで言われて、みるきーをINしたが、今日になったらさらに島崎遥香が伸びてる!!!

すごい伸び!!






あくまでもトレンドなので、ストックはまだまだですね。

ただ、この加速力は半端ないですね。


ちなみに、今のぱるるだと、前田敦子や大島優子といい勝負できますね。

あくまでもトレンドだけど・・