進化する魂

フリートーク
AKB48が中心。
気の赴くままに妄想をフル活用して語ります。

田野しいやつらが引き起こす創造的摩擦 ~イノベーションのジレンマを超えるバリュープロポジション~

2012-06-13 23:18:46 | AKB48_イノベーション
面白い。

期待通りだ。


■田野しいやつら

【G+まとめ】山内鈴蘭と永尾まりやが無事和解
http://akb48matome.com/archives/51826391.html








■限定合理性


釣りがいいとか素がいいとか、下品だ上品だとか、ぽんこつだとか優等生だとか、AKB48に限った話ではありませんが、対立する意見は世にいろいろあります。

哲学的な話がしたいわけではありませんが、どれもアリだし、どれもナシです
何でもアリだと言いたいのではありません。
物事には必ず多面性があるということです。
ある角度から見ればアリなものが、ある角度から見ればナシになったりしますし、その逆もまた真なりです。

つい先日も書きましたが、同じ人が同じ物事について判断するにしても、状況によって結論は変わります。
空腹な状態でスーパーに買い物に行くのと、満腹の状態で買い物に行くのと、買うものが変わってしまうでしょう。
そのくらい、人というのはある一定の枠の中でしか合理的に振舞えないのです。(限定合理性)


「変化」も重要だが、本質的な「絶対量」を忘れてはいけない。いつだって基本が大事。
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/bdf7548f7139201858d41566e5880152


■何が良くて何が悪いかを決めるのは顧客


経験を積めば、ある程度は筋の良い悪いはわかります。
やることの方向性が良いのか悪いのか、上手に判断できる人も中にはいます。
しかし、最終的に何がアリで、何がナシなのか、それを完璧に予測できる人なんていないのです。

なぜなら、何がアリで、何がナシなのかを決めることができるのは「顧客」であり、その顧客は上で述べたように限定合理的に振舞う「人間」だからです。
それも、一言で「顧客」といっても、顧客は一様ではありません。

ここで毎度おなじみクレイトン・クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』の登場です。




鈴木まりやに贈る 愛のダメだし ~イノベーションのジレンマ編~
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/5589b5803ccdd9895ee920d7d983f89b

当Blogの主張は一貫している。

マスメディアやスポンサー企業、広告代理店の立場で考えてみると、視聴率が取れないのにAKB48をゴリ推しする意味はない。
ゴリ推しをしようと思っても成果が得られなければ、近いうちにゴリ推しを止めることになる。
だから一時のキャンペーンはあっても、本質的にゴリ推しなどというものは持続的で有り得ない。

たとえやすす先生がゴリ推ししようと思っても、顧客が振り向かなければどうにもならないのだ。
AKB48が営利組織である限り、顧客から支持されない、利益にならないことを続けることはできない。

実はこれ、クレイトン・クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』の主要テーマでもある。

(本エントリの内容に合うように一部の文章を改変し、さらに再構成していますので、そのままではありません。)

たいていの経営者は、組織を運営し、重要な決定を下すのは自分であり、自分が何かをやると決めたら、すぐに全員が動き出すと信じたがる。しかし、企業に何ができて、何ができないかを実質的に決定するのは、企業の「顧客」である。

企業は、顧客がその製品を求めていると分かれば、技術的にリスクの大きなプロジェクトにも投資を惜しまない。しかし、収益性の高い既存顧客が製品を求めなければ、はるかに単純な破壊的プロジェクトを完成するための資源も集められない。これは、企業の行動の自由は、企業存続のために必要な資源を提供する社外(主に顧客と投資家)のニーズを満たす範囲に限定されるという主張である。

企業が依存する資源を提供するのが顧客であるがゆえに、実際に企業の行動を決定するのは、経営者ではなく顧客である。企業の進路を決めるのは、組織内の経営者ではなく、組織の外部の力である。

特に、成功している企業では経営陣の決定より、顧客重視の資源配分と意思決定プロセスの方が、投資の方向を決める上ではるかに強力な要因になるという点で一致する。

それでは、顧客が明らかに求めていない破壊的技術が出現したとき、経営者はどうするべきだろうか。その技術を必要とする新しい顧客のなかで活動させるべきなのである。

つまり、企業経営においては、どの顧客に貢献するかという選択が、戦略的に重要な影響力を持つ



釣り師が生きるも死ぬも、素が生きるも死ぬも、それを決めるのは「顧客」です。
だから、「顧客は誰か?」ということが決定的に重要なのです。

これを「バリュー・プロポジション」という。


■バリュー・プロポジション


企業の目的の定義は1つしかない。
それは顧客を創造することである。

イノベーションとは、新しい顧客満足を生み出すことである。

(ピーター・F・ドラッカー)


なぜ「顧客」が必要か?


「起業するいいアイディアが浮かびそうなんだけど」

と父に言ったらこう言われました。 「必要なのはアイディアじゃない、顧客だよ。」

(カーティス・R・カールソン)


物事の「価値」を決めるのは「あなた」ではなく、「顧客」だから。(あなたも顧客)
「価値」のない仕事を持続的に続けることはできないのです。


「顧客価値」がなければ、企業価値、株主価値、従業員価値、社会価値のすべては成り立ちません。
ゆえに、顧客価値を創造し、提案することが重要です。
これが「バリュープロポジション」です。

つまるところ、

誰に?(Who)

何を?(What)

どのように?(How)



■新しい価値の創造


バリュープロポジションが重要だとして、では、どうやって新しい価値を創造するのか?
「価値」と「価値」の摩擦によってです。

つい先日のエントリから一部をそのまんま転載します。


なぜAKB48は予定調和を壊し続けることをモットーとするのか? ~多様性とイノベーション
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/a6c037c1f0413c59b507b4c0357c8227


■創造的摩擦

そうした組織に摩擦や軋轢が無いはずがない。
しかし、摩擦はどんな代償を払っても回避しなければならないものではない。
複数のパフォーマンス基準が、機知に富んだ不協和を創りだすことが重要である。
組織が置かれた環境が騒然としており、変化する状況の下で何が組織の資源になるかが不透明な場合、価値について論争する枠組みが、組織の貴重な財産になるのである。
不確実性を徹底的に活用する起業家精神に富む活動とは、個人の資質ではなく組織形態の機能のことであり、「複数の評価原理」が機能する状態を維持しつつ、生産性の高い摩擦から利益を享受する能力のことである
(複数の評価原理を用いながら、その結果、相互作用によって生じる摩擦を徹底的に活用する能力ともいえる)

ここでの不確実性とは、経済学者フランク・ナイトによって定式化された「リスクと不確実性」のことである。
ナイトによれば、この2つはともに将来がわからないことによって生まれるが、リスクはある環境においてチャンスは計算可能、結果の分布は確率で表現できるとするが、不確実性は計算不能である。
不確実性の問題は、人間の計算能力の限界によるものではなく、予測できない状況によるもの、我々が知ることができない何かなのである。

どの価値基準が使われているのかよくわからない状況を徹底的に活用するために、所有する資産の多義性や意味の曖昧さが必要だ
起業家は曖昧なものから資産を創り出す。
複数のパフォーマンス基準による競い合いが、多義的で意味の曖昧な資産を定義し直し、組み換え、再配置を促すのだ。
(複数の評価原理の曖昧さは、合意を形成するのではなく、結果が読めない状況をつくりだす。)
複数の価値観の作用を維持する組織では、創発力のある摩擦が育まれ、それが受け入れられるビジネスの分類を混乱させ、継続的な資源の組み換えが可能になるのだ


■ブローカーモデルと創造的摩擦モデル

「創造的摩擦」は、どういうところで起きるのだろうか。
少なくとも「媒介」ではない。

「媒介」とは、ノードとノードが繋がっていないネットワーク構造上の穴、つまり自分が橋渡しをしなければ結びつかない自分以外の二者の間にある隙間(ギャップ)を、仲介者として戦略的に利用し、利益を得ることである。
媒介は、しばしば起業家精神に富む活動と取り違えられるが、両者の役割と社会的プロセスははっきりと異なる。
媒介者は「当事者」ではなく情報の流れに料金を課す者である。
一方、起業家とは、いくつものゲームの当事者であり、組み換えによって価値あるものを生み出す者である

イノベーションの元となるアイディアは、集団の環境の中に漂いながら存在しているのではない。
アイディアは見つけてもらうのを待っているのではなく、意図的に創り出さなければならない
情報へのアクセスではなく、新しい知識を創造することが求められいているのであれば、仲介による関係の橋渡しでは不十分である。

イノベーションには、互いに影響し合うようなやりとりをしながら相互に交流することが必要なのである。
ネットワーク分析の用語を用いれば、まとまりが強く凝集性の高いネットワーク構造の重複部分、つまり凝集性の高い結びつきとして定義された幾つもの異なるコミュニティが、それぞれの個性的な集団のアイデンティティを崩壊させることなく、メンバーが重なり合った部分でイノベーションは生まれるのである。

言葉で説明しても理解し難い部分だと思うので、図を添付する。




図の右「創造的摩擦モデル」の重複部分に注目してもらいたい。
たとえ同一組織内であっても、多様なパフォーマンス基準がぶつかり合い、競い合う。
ここではパフォーマンスを評価するために、複数のコード化された規則としての体系を抱えることになり、体系化された知識が壊され、再びコード化される可能性が高くなる。
遺伝学に模して、競い合う基準同士の摩擦が高いほど、突然変異が生じる確率が高まると考えてみればよい。

多様な評価のフレームワークによる不協和は、単に目新しいものを生み出すスピードを高めるだけではない。
いくつもの原理に基づいた立場が併存することは、自然な帰結として、どの立場も当たり前のものとして受け入れられなくなることを意味する
創造的摩擦が、基準の多様性による様々な可能性について、柔軟な思考をめぐらす状況を組織として作り出すのである。

組織としてイノベーションを育むために有効なのは、情報の円滑な伝達や固定化されたアイデンティティの確認を通じてではなく、生産的な摩擦を育み、組織的に当然と思われてきたことを混乱させ、新しい知識を生み出し、経営資源の定義の見直し、再配置、組み換えを可能にすることを通じてであることがわかるだろう。

思慮の浅い組織への固定化を阻止することが可能となるかは、変化し続ける状況において、基準や原理の曖昧さや多義性、深く再帰的に思考をめぐらせる「再帰的認知」能力を備えるかどうかが非常に重要なのだ


■まとめ


田野ちゃんの釣り師批判は、一面的な視点に偏った理解に基づいたもので、決して賞賛できるものではない。
しかし、田野ちゃんの意見も一面的に見れば正しいのである。

「価値」というのは、ダイヤモンドの多面体のように、様々な側面を持っている。
どれか一つの側面だけが重要ということではない。
ダイヤモンドが輝くためには、全ての側面が必要だ。

AKB48というダイヤモンドが輝くためには、多くの側面が必要なのだ。
その一つ一つの側面が、無関係に並ぶのではなく、お互いに対立し協調することでより輝くのである。

創造的摩擦を引き起こせ!



一体何のためにここまで説明しているんだ私は・・笑


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (tune)
2012-06-13 23:38:29
ブログ読者の知的好奇心の充足のためですよ!

JKT48の特集があったようです。
http://www.youtube.com/watch?v=4UBNTvSrjuU

jkt48独特の衣装。日本人だと似合わなさそうだけど、とてもイイ!
http://www.youtube.com/watch?v=kR5LGqIFT_k&feature=related

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ありがとうございます (advanced_future)
2012-06-14 16:05:07
>tuneさん
コメントありがとうございます。

いつも情報提供ありがとうございます。
助かります。

48フォーマット戦略は、「グローバル・ローカライゼーション」の一つの答えだと思っております。
日本語の輸出なんて・・考えただけでワクワクします。
アジア全域の48グループが集まって、サビが合うんですよね。
メンバーだけではなくファンも一緒に。
すごい様です。

JKT48ですが、Youtubeで検索すると再生回数はまだまだこれからみたいですね。
でもAKB48だって徐々に広がっていったわけですから、早急に大きな結果を求めないで見ていきたいところです。
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Unknown (tune)
2012-06-14 20:58:27
まだ専用劇場すらできてないですもんね。楽しみです。TPE48、SNH48のことが気がかりですが、政治的なことを乗り越えて広がって行ってくれる事を願っています。

あと、メキシコ版AKBもなかなかイイですよ笑
http://www.youtube.com/watch?v=H0Z3f20cHm0
返信する
これは(笑) (advanced_future)
2012-06-14 23:14:51
>tuneさん
コメントありがとうございます。

メキシコ版AKB48というより、
単なるパクリじゃないですかw

普通にウケてました(笑)
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