



名古屋に視察(?)に行った知人からSKE48の劇場やらCafeやらの話を聞いた。
AKB48と違って、驚くほどSKE48色が薄いそうだ。
東京では、秋葉原でなくてもAKB48の看板なり商品なり情報と言うのは至るところにある。
今だと、東京パステルが東京駅と品川駅でAKB48とコラボして東京土産商品を大々的に販売しているので東京に観光に来ると「東京=AKB48」的な感じがするだろう。
狙い通りだ。
しかし、栄えに行っても驚くほどSKE48らしきものに遭遇しないらしい。
知人の感覚では、CDも売れ始めてマスメディア露出が増えている(地元TV番組には結構出てるらしい)にも関わらず、思いの外盛り上がっていない状況に違和感があったそうだ。
まずもって、劇場もCafeも専用でないから、そこからしてSKE48色が薄いというのだ。
この話を聞いて、SKE48ファンの人々の、地域性への愛情の深さのワケがわかった気がする。
SKE48のビジネスとしての成立のし難さの影響をもろに受けていると思われる。
だから、一部のファンによって支えられている感が強いと。
(もちろん名古屋愛的なものもあるでしょう。)
当Blogでは数回この話題について語ってきたが、ここでも繰り返す。
SKE48はAKB48/NMB48/JKT48と比べて地域的なハンディを負っている。
今更ながらの話題だが「周辺人口」の違いだ。
AKB48は東京首都圏を根拠地とし、その周辺人口は世界一である。
世界的に稀に見る肥沃な関東平野にある東京、神奈川、埼玉、千葉の人口は都市人口としては世界一であり、その優位性は日本全体の人口が減っていく中でも維持される。
(知っている人にとっては当たり前すぎる話だが)
数十年後に都市人口で東京を抜き去り世界一になる都市がある。
インドネシアの「ジャカルタ」である。
劇場や、ファンとの関係密度をコアとするAKB48において根拠地の都市人口は非常に重要だ。
初めての海外姉妹グループがジャカルタであったのは偶然でもなんでもない。
NMB48が根拠とする難波だが、大阪、兵庫、京都、奈良と、こちらも豊かな周辺人口を期待できる。
日本で2番目の経済圏として、(昔に比べるとずっと下落が続いているものの)それなりにビジネスが成立しやすい。
それに比べて、SKE48が根拠とする名古屋は日本3大都市のひとつだが、いかんせん周辺人口が伸びない。
名古屋は名古屋で勝負するしかない。
(アイドルの浸透率が低いので、アイドルビジネスを成立させるには人口が必要だ。)
↓それが、メンバーの出身都道府県の傾向がよく出ている。(それだけじゃないけど)
各メンバーの出身都道府県
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/62174e130317df32be38896a019da497
で、繰り返すになるのだが、SKE48が選択する戦略は「距離を稼ぐ」ということになる。
その性質は劇場公演を前提としない乃木坂46と似たようなものになる。
周辺人口が少ないのであれば、機動性を生かして全国へ遠征すればよい。
SKE48圏を広げればよいのだ。
だから、実際に遠征している。
しかし、いきなり遠征しても入り込むチャンスがないので、チャンスのあるところに遠征してそこを起点に拡大を狙うのがベターな戦略だ。
(乃木坂46は劇場に全く縛られないが、姉妹グループの利点を生かしににくいので、スケジュールの合わせやすさなどを利用してマスメディア戦略をとることになる。)
前にも書いたが、何かを考える際には「物事には多面性がある」ということに注意しなければならない。
何かを決める時には、その一方で何かを諦めているのだ。
SKE48の握手会がやたら多いことを批判するのは簡単だ。
で、あるならば、
その対案を考えなければ話にならないだろう。