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進化する魂

フリートーク
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日本人労働者の賃金が減るのは日本人労働者の賃金が高いから

2010-02-16 12:04:53 | 経済
TV番組でちょっと気になったのでコメントしておきます。エビデンスを示せといった批判は無視されますのであらかじめご了承ください。

昨日のBSフジLIVE PRIME NEWSに浜矩子氏と藤巻健史氏、内閣府政務官の津村啓介氏がデフレについて議論していた。

浜氏と津村氏が「ここ20年間の経験からわかることは、成長は労働者への分配に寄与しない。小泉政権下で経済は成長したが、グローバル競争のために分配は減った。成長も大事だが、現在の局面では分配の方が大事」と主張していた。
一方、藤巻氏は「ここ20年間日本はずっと不景気だった。資産下落と円高が原因だ。成長しなければ分配は増えない。円高が原因で日本人労働者の対価が相対的に上がったことが、分配が減った原因だ。」と主張し、意見の一致はみられなかった。

(私がいうのもなんだが)
浜氏と津村氏がグローバル化について理解が足りていない。
グローバル競争で企業は競争力を磨くため固定費削減に動く、結果として企業は利益を上げるが分配は減ると。
気持ちはわかるが、これは状況説明としては部分的に正しいが、成長戦略を否定する論拠としては間違い。
日本人労働者に対する分配が減るのは、ビジネスのグローバル化の中で、日本人労働者の人件費が相対的に上がっているからだ。
日本人労働者の所得が減るのは、日本人労働者の所得が高いからに他ならない。
企業経営者が搾取しているからではない。
確かに、日本国内の労働者の所得でグラフを作るとずっと成長期も含めて下降トレンドである。
だがしかし、お隣の中国を含めてみよう。
中国人労働者の所得よりも、日本人労働者の所得の方が遥かに高い。
(購買力平価ではどっこいらしいが)
中国が日本と同じものを作れるのであれば、賃金水準は中国側に引き込まれる。
これは当り前の話だ。
中国側が上がって、逆に日本側が下がる。
両国の賃金が平準化されるまでこのトレンドは続くだろう。
中国側の賃金が安いし、日本側の賃金が高いからである。

中国と同じものを作る限り、日本人労働者の賃金は安くならざるを得ない。
それが嫌なら、中国がやれないものをやるしかない。
あとは、日本でしかできないサービス業を強くするか。
アメリカがITや金融に産業構造の転換をはかったように、日本も産業構造の転換が必要だ。

例えば、最低賃金を上げる理由が、賃金の低い産業を追い出すという意味なら理解できる。
シンガポールがしたように。
最低賃金を安くせざるを得ないような産業を追い出して、政府が構造変化を強制するのも有りだとは思う。
そういう労働生産性の低いものは他国に任せて、日本は新しい産業で成長するとうい発想はあり。
実際には難しいと思うけれど。
単純に労働分配率を上げるみたいな理由でやるのはかなり間違い。

「人のための経済」ってスローガンはいいけれど。。
もともと経済って「人のためのもの」だからあえて言わんでも・・。
中国側から見れば、この状況は「人のための経済」なわけ。

こんなことは一般のビジネスマンでも理解していることなのだが、日銀出身の政務官と経済の専門家が理解していないとはどういうことなのか。
まぁ津村氏は、鳩山政権としてお立場上、発言に気をつけられているということであろう。