粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

成人の確認

2012-01-15 11:10:12 | 一般

昨夜(14日)近くのセブンイレブンで買物をした時のこと、会計するのにレジの表示パネルの「確認」部分をタッチするように指示された。最初は振込の時にする「確認」かと思ったが、どうやら「酒類」を購入する際の「成人確認」だとわかった。一瞬「俺ってそんなに若く見られているのかな」と変な快感がよぎったが、50過ぎのおっさんではそんな「誤解」などありえないことは明白だ。

最近セブンイレブンでは酒類やタバコを買うときは、必ず店員が客に「成人確認」のレジタッチを義務付けているようだ。アルバイトがほとんどの店員にとっては、余計な仕事が増えて面倒だなと同情もしたくなる。

しかしよく考えて見ると、「成人確認」で果たして未成年が酒類やタバコの購入するのを防止する効果があるかはなはだ疑問だ。ネットでその件を調べてみると、「コンビニの責任回避」に過ぎないという批判的意見が多かった。

店員がいちいち客の顔を観察して、臨機応変にその度に疑わしい客に成人であるかをたずねるのは面倒で問題が多いからなのか。時給○○円で働くアルバイト店員には、そんな業務は酷な仕事なのか。しかしコンビニは成人確認は企業として社会的責務だから、こんな姑息な手段を考えたのかもしれない。

街に従来の個人商店が消えていき日本全国どこにでもあるコンビニが市場を席巻している現在、こんな臨機応変の判断力を必要としない環境が増えてきているのは淋しい限りだ。

しかし「成人確認」は現在広く可能になりつつある。いわゆる顧客カードの利用だ。コンビニにしてもスーパーにしてもも顧客囲い込みの手段としてポイントカード利用を勧めている。それでお客は利用した分だけポイントがつき現金扱いできるが、同時に「成人確認」も処理している。

今政府が進めている国民のID番号交付は、こうした顧客カードの国家レベル化であろう。これによって国民の日々の生活情報が詳細に記録されていく。現在でもスーパーで自分の貧しい食生活は、買物の度に使うポイントカードによって情報が筒抜けである。肉は安売りの小間切れ10グラム88円の豚肉だとか、88円の納豆とか……。たまには霜降りの牛肉で豪勢にやりたいが。



ミャンマーの民主化

2012-01-14 08:23:20 | 国際時事

自分自身、ミャンマーの動向は88年の民主化運動が軍部により弾圧されて以来注目してきた。長年軍事独裁政権が続いてきたが、昨年後半からの一連の民主化の動きは目を見張るものがある。ティンセイン大統領のもとでの総選挙実施、最大野党党首アウンサンスーチーさんの軟禁解除、政治犯の釈放、少数民族との停戦合意など。

軍人が議会で最初から4分の1の議席が割り当てられているなど、まだまだ政治的に課題があるが、いずれ解決していくものと楽観している。反体制のアウンサンスーチーさんも現状を認識し過激な行動を慎みながらも、自分たちの主張を実行に移そうとする現実的対応に好感が持てる。

ミャンマーはかつてのインドネシアのように軍事政権から健全な民主国に定着した道を辿ると思う。なにより隣国のひとつに世界最大の民主国家インドがある。

2014年の東南アジア諸国連合の議長国にミャンマーがなれば、東南アジアの安定化に大いに寄与するだろう。いまだ独裁国家であるベトナムやラオスにもその影響が波及することが考えられる。

ミャンマーにとって今でも何よりも近隣の大国中国の存在も大きいが、これまでの中国一辺倒で追従の立場からは脱却していくだろう。そのためには、日本を始めアメリカ、欧州連合が経済制裁を解除して全面的な協力関係を構築しミャンマーの民主化を影で支えていく必要がある。

中国はこれまで地域の独裁国家が欧米先進国の制裁で苦しむ間隙を狙って、経済援助などアメをちらつかせ自分たちの利権を広げようと躍起になってきた。時にそれが自国の利益目的の強引な手法のため、独裁国家の現地民の反感を買うことも多い。ミャンマーでも同様のようだった。ミャンマーの民主化は中国の影響からの脱却のモデルケースになるだろう。


原発の再稼働を推進せよ

2012-01-13 00:02:54 | 原発事故関連

こんなこと今時あけすけにすると何をいわれるかわからない、困った時代になったものだ。ただでさえこの春には定期検査のため原発が全面停止するのに加えて、イラン危機が急浮上している。イランの核開発に欧米諸国が猛反発、イラン原油の禁輸制裁が現実のものになりつつある。これにイランが反発、世界の原油海上輸送の20%が通過するホルムズ海峡を封鎖すると警告、当然欧米諸国はこれに実力で対抗するとなると軍事的衝突の危機が一気に高まる。ここで原油の調達がままならないとなると、電力危機が深刻化することは間違いない。

反原発派はイランの原油輸入は日本の輸入の10%でしかも原油が電力に使われる割合は3分の1だから、電力供給力が3%下がるだけと強弁している。しかし原発事故以来火力発電の比重が全体の5割まで高まり、原油確保に躍起になっているのにこれ以上の供給逼迫は重大局面に陥らずをえない。まして紛争がおこればイランの原油確保だけで済まされる問題がない。それでなくても中東の緊張が高まれば原油価格の高騰は免れない。

ここでもちろろんこのイラン危機に対応した多様な原油確保が必要だが、やはり原子力発電の再稼働は見逃せないと思う。メディアに登場する人たちは、原発再稼働を完全に無視して電力需給を論じているのが不思議でならない。なにか原発再稼働がタブーのような空気が蔓延している。いまだに原発は全てが悪で危険だという妄信が根強い。以前NHKが原発事故直後の東電現場作業員たちの対応を検証していたが、事故を未然に防ぐ機会が何度も逃していたのには愕然とした。普段から原発事故の危険性を啓蒙する努力を怠っていたとしか言いようがない。これは東電ばかりか国の責任も大きい。したがって原発そのものが問題なのではなく、それを稼働する人間が問題であるという認識をもっと強調すべきだ。

それをふまえた上での原発再稼働は絶対必要だと思う。もう少しそういう世論が盛り上がっていくことを願っている。本当の日本の原油危機で大混乱に陥る前に。


尊敬が愛情に

2012-01-12 08:28:53 | 事件・事故・時事

オウム幹部平田信と教団看護士齋藤明美の17年に及び逃亡生活、二人の男女間の愛情はいかばかりであったのだろう。齋藤明美容疑者は、「尊敬の気持ちが愛情へと変わった」と吐露しているが、社会に敵対し孤立を募らせるほど二人が愛情を深めたことは想像に難くない。もともと看護士であった彼女のことだから、人に尽くす気持ちは強いはずだが、それが平田に対して全面的に注がれていったのだろう。当然平田の方もそんな彼女の献身的な愛情に強く応えたのは間違いない。

しかしこの時期になって平田が出頭して、彼女が10日遅れて自首したのはどういう心境の変化なのだろうか。平田は「東日本大震災で多くの人々が犠牲になったのに自分は無事に逃げおおせていることに罪悪感を感じた」と語っているが、はたして本当なのか。

齋藤容疑者の献身はどちらかというと自己犠牲に近いのではないなのだろうか。女性として結婚を周囲に祝福されたいと思う気持ちはあっただろうし、母性として子供を育てたいとも願望したに違いない。それを平田の逃亡のために身を捧げる日々にそんな葛藤もはたらいていたのではないか。今後取り調べて二人の内縁生活の実態が心境面を含めて徐々に明らかにされるかだろう。二人の生活はもしたかしたら自分が勝手に美化していることもあり得る。ひょっとして依然二人ともオウムの呪縛から完全に逃れずにいたのかもしれない。心の奥の更なる奥はなかなか知り得ないだろうが、とても興味がある。


ハッピーマンデーは廃止を

2012-01-10 11:27:28 | 一般

今年の成人式は昨日9日だった。いわゆるハッピーマンデーで1月第2週の月曜日が成人の日になっている。祝日では海の日、敬老の日、体育の日が同様な扱いだ。月曜を休みにすれば、週休二日制が日常的になっている現在、3連休になり観光業関係は恩恵を受け景気促進に効果があるというのが採用に趣旨のようだ。しかし、来月の建国記念日は該当しない。記念日の重みが違うといわれるとそれまでだが、なにか祝日、祭日を差別化されているようで納得がいかない。

成人の日は古来より小正月15日に行なわれていたのだから、由緒ある記念日といってよい。なのに連休にすれば国民が喜ぶという安易な理由で記念日を勝手に移動してよいのだろうか。記念日の本来の趣旨が形骸化してしまっている。体育の日にしても以前は10月10日、東京五輪の開催日としてなじんでいたのにいつの間にかいつが記念日かわからなくなってしまった。

日本には古来より太陰暦のため、月の何週目などという考え方はなかった。明治時代に太陽暦を採用しても同様で記念日は記念日で固定していた。あくまでも特定の日として重要視する日本人の几帳面さが反映している。

振替休日を含めて祝祭日がファジーななってきたのはつい最近のことだ。高度経済成長が華やかし頃、欧米諸国から働き過ぎを批判されて週休二日制を始めとして休日を増やす方向で進んでいる。思えばバブルが崩壊して低成長あるいは構造不況が続いているのと期を同じくしている。

しかし今は雇用創出が盛んに叫ばれている。やはりある程度の経済成長が維持されて一定量の労働量が確保されなければ、国の将来は危ういと思う。南欧のラテン系の伊達男が闊歩するのは日本人の国民性としてそぐわない。実際これら南欧の国は経済危機に陥りEU諸国全体が混乱しているのが現状だ。もはやハッピーマンデーのような国民迎合の安直な政策は廃止して「勤労本位」の方向で行くべきではないか。

自分にすれば振替休日も不要だと思っている。昔はそんな仕組みが全くなかったが、たまたま休日に祝日がかかってしまっても、アンラッキーで済ませて、そんな悲喜劇を逆に楽しんだものだ。

夏の長期休暇など企業単位で決めるべきだと思う。景気の良い会社は残業や休日出勤がある代わりに長期休暇も大盤振る舞いする。週休二日制が普通になっている今そんなメリハリがあっていいと思う。