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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【油圧クーラー交換作業】!

2020年12月16日 | モバイル
漁期終了後の16日朝から、油圧クーラー交換作業が始まる為、未だ船泊まり…!

朝起きて積雪に驚いた…。




これは今日の午前中は仕事にならないのでは…
と嫌な予感がした…。

しかし、意外にも順調に作業は進んだ…





明日朝から作動油を積み込み、フラッシング。
その後、もう一度作動油の抜き取りをして
新たに積み込む…

後もう少しの辛抱だ…!


【今年の漢字一字】!

2020年12月15日 | モバイル
一年を総括する今年の漢字一字が「密」に決まったようである…

今年の世相を反映した言葉を選ぶ「2020ユーキャン新語・流行語大賞」には
「3密」が選ばれていたが、今年の漢字一字にも密が入った…。

いつ終息するのかわからないコロナ禍…
一年中、世の中をもてあそび続けているが

自身の今年の漢字一字は「耐」になるかな…。

いろんな事に耐えた一年だったように思う。

歴史的不漁だったサンマ漁の中で、
自身のやるべき仕事は心得ているつもりである…!

当然、多くの準備があり用意は常に万端を心掛けている!

必ず大群に当たると信じ続けて
いつサンマに遭遇してもいいように準備には勤しんだ!

結果、学んだが
想定外が続いた漁期間でもあった。

準備の過程で、各艙の冷却 保冷・冷水造り及び保冷はかつてない程時間を費やした…

正直、妥協しそうになった事もあったが、根本的に用意万端の継続が役目…

いつ大群操業になってもいいように を 貫いた!
耐え貫いた感は大きい…!

当たり前の事を当たり前にやる事、状況判断して行う事も、どちらも必要だけど

作業の内容によっては、時間を要する…!

妥協せずに挑む事がいかに大切かは、しかと知っている…。

想定外のトラブルもあり、メンタル的にも耐えしのんだ…。

コロナ禍で、入港時の外出制限があったが、今期のサンマ漁は時化休みが少なかった事で
感染リスクも少なかったのは幸いだったし、
最後のトラブルが序盤でなかったのも幸いだった…

後半月程で新しい年になる…
新しい年をスッキリした気分で迎える為にも
来年の今頃の漢字一字を良い一字で表したいが為にも…

もう少し耐える…!





【第8千代丸・漁期終了】

2020年12月15日 | モバイル
今期のサンマ漁を切り揚げて、12月13日朝8時・気仙沼入港!

寒さ厳しく、入港後の漁具取外し作業中に雪が舞った…
この冬の初雪は気仙沼港で…。

14日朝に今期最後の水揚げ。その後も順調に作業は進んだ!

停泊中の14日夜には雪が降りだした…








15日、船は雪化粧の朝をむかえた…。

漁と切り揚げ作業も無事に終わり
09時・船を係留し漁期終了となった…!



但し、自分の漁期はまだ終わってはいない…
終漁直前のトラブルを解決しなければ漁期終了とはならない!

この先の本船の操業に関わって来る事だ
しっかりと立て直さなければならない!
手筈は整えた。
明日からの作業がスムーズに進んでほしいものだ…!

【23航海目・切り揚げ】!

2020年12月13日 | モバイル
12月9日 女川入港後、試行錯誤の結果、
油圧作動油の乳化した原因が油圧クーラー内で海水が混入している事を特定できた…!

漁撈長への報告とメーカーを交えての協議で
急いでも工事に2日間は要するとの見解があり
油圧が使えなければ、漁にならない…
油圧クーラーの交換は漁の切り揚げ後、
水揚げ後に乳化した作動油を陸揚げ廃油処理、作動油を新替え、
油圧クーラーを通さずに使用して漁を続ける事になった!


今期の漁も最終盤に差し掛かったこの局面でのトラブル

悲しくなった…。

本来、機関に携わる立場なら工事を優先しなければならないのだろうけど

それでも、「漁撈長の漁の足をひっぱらないように尽くす」
自身の置かれた立場での私個人の最優先事項は初心からここにある。

気持ちの切り替えだ!

漁撈長に貰った時間は12時迄だったが、予定量3.2klが廃油運搬車の容量3.8klで足りず
運搬車を変える時間ロスがあり
終わったのは13時30分…

12時が操業ポイントまでのギリギリの時間だったようだ…

虚しかった…

こういう時のメンタルは表現できない、言葉にもならない…。

遅くなった事で予定変更…
21時に出港の予定が組まれた…。

21時、女川出港経済速力で沖へ…!

今回のトラブルの2日前に切り揚げに備え、機関室内船底を洗剤洗浄し
船底も気分も状態が良かったのだが、出港後再度洗浄し直し…

切り揚げ後の工事でもっと汚れる事が想定できるが…
清掃によって、気持ちを落ち着かせ・気を取り直す…!

冷水造りと各艙を冷却しながら普段通りのリズムを取り戻し
10日朝3時、やっと枕の感触に浸った。

14時45分・S/B。
良い凪にイルカが遊ぶ…






南東よりに調査…
自身は、油圧ヘッドタンクゲージ・油圧クーラー冷却水温度を注視しながら…

日没後、雨が降りだした…
20時過ぎからは南風が吹き始めた…
薄群れを数回操業も僅かな漁獲…

次第に雨・風共に強まって時化海となった…!

23時・操業断念 漂泊。

夜が明けた頃に風が止み、朝7時半過ぎから微速で南下…

北緯36°33´ 東経146°23´付近 まるで夏海のようだ…。

今日がたまたま暖かいのか、位置的にまだ暖かいのかはわからないが、空気が違う…!

14時30分・S/B。
若干うねりが残るが、昨夜の雨・風がまるで嘘のように良い天気に温暖な海上…

沖よりに調査…!

付近には僚船を含め十数隻の漁り火、17時頃から薄群れを数回操業…
魚体組成が持ち直した…!

その後範囲を拡げての調査航走

次第にうねりも下がり、良い凪となった。
しかし、すぐに次の時化が迫っているようだ…

薄群れを操業・調査航走の流れで夜明け近くまで…
纏まった群れはないようだ。

朝5時を過ぎた頃、「御苦労様、切り揚げる」!
スピーカー越しに漁撈長の声…。

北緯36°10´ 東経147°05´付近
今期の操業ポイント最南で今年の漁が終わった…。

甲板の整理・漁灯を仕舞い、荒天準備して気仙沼向け帰途航走となった。

夜が明けると南東の風が白波を立て始め、追い風で…
風は昼前から南よりに周り、風・うねり共に強まり
船は大きなローリングを繰り返す…
最終航海も時化海航走だ…
夕刻からは北風に変わって更に強まり
微速で時に支えながら…

漁は終わったが、切り揚げ作業の後に工事が待っている…

まだまだホッと出来ないが、とりあえず漁は終わった…。

13日朝8時頃の入港予定。

【22航海目】!

2020年12月09日 | モバイル
12月5日朝5時釜石入港!
釜石の朝は厳しい冷え込みだった…


水揚げを終え、漁灯を拡げながら7時30分出港。


久々に見る釜石観音、凛とした朝と相まって神々しさを増す!

僚船と共に前夜の調査ポイント向け…

16時・S/B。
良い凪、日没後付近を調査もサンマは見えず
調査しながらCo80°で公海向け…!

日付けが変わる前頃から、赤い漁り火が遠くに見え始めた…

1時30分頃に外国籍船団が操業中のポイント着、更に東へ…。

2時頃から操業開始。
やや纏まった群れを操業も魚体組成は悪い…

北よりにサンマを追い、漁獲したサンマは若干魚体組成が持ち直した。
夜明けより漂泊…。

6日、14時30分・S/B。
日暮れ前から弱い雨が降りだした…
日没後、付近を調査・数回操業も僅かな漁獲で北へ…

外国籍船団は広く薄く、公海と日本の領海ライン際にいるが
その付近を調査もサンマは見えず、
範囲を拡げての調査で薄群れを数回操業…!
さすがに旬が過ぎた感がある…。

12月上旬の長い夜、良い凪であっても
いつの間にか風が吹きつけたりと状況が一変する…
サンマの魚体組成も操業都度変わる…。

朝6時、やっと夜明けだ…
夜明けより、経済速力で5時間程南下し、漂泊…。

7日、14時30分・S/B。
なにやら気温が上がったようで寒さが和らいだ…

機関室内では暑いと感じる程…
寒暖の差がある時には体調管理には要注意だ…!

若干季節風が強く南よりに調査
37°線以南は風が吹いておらず、良い凪…

数回操業も僅かな漁獲
南東よりに調査範囲を拡げ
やっとサンマが見え始めてきた頃から雨が降りだした…

その頃から異変が発生した…
油圧ヘッドタンクのレベルゲージがはっきりとは見えなくなった…!
油圧作動油の色を呈していない…!
白くなっている…

取り出して診ると白濁、乳化していた…

ほぼ毎日レベルゲージに目を通すが前夜までは普通に油圧作動油の色で
レベルもはっきり確認できていたが…

各油圧Pの各圧力も各温度も特段変化はない…
各配管部も、特に熱がこもっている箇所はない…
各油圧漁撈機械操作時も、普段通り…

一応漁撈長には報告するも、やっとサンマが見え始め操業できる群れを見つけた頃…

夜明けまで、何とか持たせないといけない…

もしかしたら水の混入…
どこからか?
油圧クーラー内の冷却水を診ても作動油の混入はなかった…

夜が明けて、確認できる箇所を点検。
油圧経路のこし器内からは乳化白濁した油…

油圧系統内全てに水が廻ったようだ…!
一大事である…!

箇所はまだ特定できてはいないが、油圧クーラー内が怪しい…。

入港、水揚げが終わるまではどうしようもない!

はっきりしているのは、油圧系統内の全ての作動油を替えなければならなくなった事…

手配は整えた、後は箇所の特定だが…

季節風強く帰途航走女川向け!
9日・00時30分女川入港。