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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【22航海目】!

2020年12月09日 | モバイル
12月5日朝5時釜石入港!
釜石の朝は厳しい冷え込みだった…


水揚げを終え、漁灯を拡げながら7時30分出港。


久々に見る釜石観音、凛とした朝と相まって神々しさを増す!

僚船と共に前夜の調査ポイント向け…

16時・S/B。
良い凪、日没後付近を調査もサンマは見えず
調査しながらCo80°で公海向け…!

日付けが変わる前頃から、赤い漁り火が遠くに見え始めた…

1時30分頃に外国籍船団が操業中のポイント着、更に東へ…。

2時頃から操業開始。
やや纏まった群れを操業も魚体組成は悪い…

北よりにサンマを追い、漁獲したサンマは若干魚体組成が持ち直した。
夜明けより漂泊…。

6日、14時30分・S/B。
日暮れ前から弱い雨が降りだした…
日没後、付近を調査・数回操業も僅かな漁獲で北へ…

外国籍船団は広く薄く、公海と日本の領海ライン際にいるが
その付近を調査もサンマは見えず、
範囲を拡げての調査で薄群れを数回操業…!
さすがに旬が過ぎた感がある…。

12月上旬の長い夜、良い凪であっても
いつの間にか風が吹きつけたりと状況が一変する…
サンマの魚体組成も操業都度変わる…。

朝6時、やっと夜明けだ…
夜明けより、経済速力で5時間程南下し、漂泊…。

7日、14時30分・S/B。
なにやら気温が上がったようで寒さが和らいだ…

機関室内では暑いと感じる程…
寒暖の差がある時には体調管理には要注意だ…!

若干季節風が強く南よりに調査
37°線以南は風が吹いておらず、良い凪…

数回操業も僅かな漁獲
南東よりに調査範囲を拡げ
やっとサンマが見え始めてきた頃から雨が降りだした…

その頃から異変が発生した…
油圧ヘッドタンクのレベルゲージがはっきりとは見えなくなった…!
油圧作動油の色を呈していない…!
白くなっている…

取り出して診ると白濁、乳化していた…

ほぼ毎日レベルゲージに目を通すが前夜までは普通に油圧作動油の色で
レベルもはっきり確認できていたが…

各油圧Pの各圧力も各温度も特段変化はない…
各配管部も、特に熱がこもっている箇所はない…
各油圧漁撈機械操作時も、普段通り…

一応漁撈長には報告するも、やっとサンマが見え始め操業できる群れを見つけた頃…

夜明けまで、何とか持たせないといけない…

もしかしたら水の混入…
どこからか?
油圧クーラー内の冷却水を診ても作動油の混入はなかった…

夜が明けて、確認できる箇所を点検。
油圧経路のこし器内からは乳化白濁した油…

油圧系統内全てに水が廻ったようだ…!
一大事である…!

箇所はまだ特定できてはいないが、油圧クーラー内が怪しい…。

入港、水揚げが終わるまではどうしようもない!

はっきりしているのは、油圧系統内の全ての作動油を替えなければならなくなった事…

手配は整えた、後は箇所の特定だが…

季節風強く帰途航走女川向け!
9日・00時30分女川入港。