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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【サンマ漁・5 航海目】!

2013年09月10日 | モバイル
9月7日・12時30分、水揚げを終えて花咲出港。

昨夜の操業中、纏まった漁獲の最中に船のバラストが効かなくなり、

四苦八苦…!

トラブルは忙しい時に限り起こりえる…

新造船の多くの機能を使い慣れしなければならない今、

勉強になるとはいえ、気が気ではない…。

只、ほんの少しですが自分の時間を得れるようにはなってきました。

…20時・S /B 。

前夜、操業したポイントには操業船が居らず…

22時、各船が操業中の海区着。

宵の口、若干纏まった漁獲があったらしいが、我々が到着した時には

灯付きが悪くなっていた…

僅かな漁獲に終わり、夜明けより沖へ…

8日・16時30分S /B 。

霧もなく海は波もたたない最高の凪の道東沖…

付近一面各船の漁灯の光が点りはじめるのがよく見える。

朝晩がすっかり涼しくなって、過ごしやすくなり、

いよいよサンマの季節と云う感じである!

日没後、僅かな調査航走で操業開始。

サンマが深く、網への入りが悪い…

夜明けまで回数操業となった…。

夜明けより西へ…

16時30分 S /B 。

凪はよいが、若干霧がたちこめる…

日没後、1回操業し、南西側に調査!

花咲港で水揚げを終えて出港してきた沖出し船数隻とスライドしていく。

数回操業するも、僅かな漁獲に終わり、

時間の関係で22時・調査終わり帰途航走、花咲向け…。

5時・花咲入港!


【サンマ漁・4 航海目】!

2013年09月07日 | モバイル
9月3日・釧路港での水揚げを終え、8時15分出港!

漁灯を広げ、20時から近場を調査…。

ライトの探照先でポツポツとサンマが跳ねるが

船の漁灯照射範囲に集まるのは僅か…

操業するも、魚体組成が悪い…。

結構広い範囲でポツポツと跳ねている、

近々群れになりそうだが…

付近を調査も纏まった群れには当たらず、深夜より沖よりに航走。

4日・夕方から霧が濃く、他船はレーダーでしか確認出来ない…

日暮れから調査も、サンマが見えない!

更に東へ調査航走、レーダーのモニターでは付近に6隻…

みな同じコースで航走中…!

時期的に例年なら盛漁期入りする頃に近づいたが…

日没からの調査航走でやっと群れを見つけたのが2時…

夜明けまで、薄群れを数回操業も纏まった漁獲にはならなかった…

夜が明けてから東へ7時間程航走し漂泊…

14時過ぎから、漁撈長による水温調査

今日も濃霧、今回釧路を出港してからは連夜、濃霧である…!

日没前に航走ストップ。

魚探(魚群探知機)のモニターの中層に反応がある!

サンマかもしれないが、なかなか浮いて来ない…

遊泳するサンマも目視出来ない…

日没後操業開始。

網を入れ、揚げてみるとサンマだった…

やや纏まった群れで、皆 勢いづいたが、その後は付近を調査も

群れがなく、調査航走が始まった…。

濃霧から雨になり、風が少し強くなり、うねりも高まった…

雨が止んでもいっこうに濃霧ははれず、

漁灯の明かりもライトの明かりも霧だけを照す…。

濃霧がはれれば、漁模様も変わるのだろうが、

あまりにもサンマが見えない…!

22時・薄群れを操業し、再度調査航走。

依然として濃霧が続き、他船の灯りも見えず、

レーダーを覗きに行くと、10哩圏内には、外国船らしき船映が7隻と

同クラスの船映が1隻確認できた。

2時間程、調査航走しては操業というパターン…

3時・夜明けを待たずして西へ航走!

6日・夕刻 S /B 後、ライトを点灯したまま固定、調査しながら更に西へ…!

遠くにサンマ漁船の漁り火が見える…

凪も良く霧もないため視界がいい。

23時・小型船が操業中の海区着、付近を調査…!

ほどなく、船の両舷から漁灯に向かってサンマが跳ねる!

漁撈長のマイクからの声がスピーカーから響き渡る…!

纏まった漁獲を連続操業3回…!

今期初の大獲りである!

まだ慣れていないせいか、急の大群にてんやわんや…。

土曜日と云う事もあり、時間の関係で01時過ぎに操業止め、帰途航走。

前夜まで薄漁が嘘のように、僅か2時間の奮闘…!

さあいよいよである!

船は、9時過ぎ・花咲入港予定。


【サンマ漁・3 航海目】!

2013年09月03日 | モバイル
…応急にクラック穴を塞いでいた食糧庫の冷媒ラインから

僅かずつ冷媒が漏れてしまったようで、

冷凍・冷蔵機能を失ってしまった食糧庫…。

8月30日の水揚げ後 時化休みとなって、時間ができたおかげで

応急にクラック穴を塞いでいた銅パイプを修理、

ラッキング、断熱材を全て外してからわかったが、

溶接が難しい配管になっていた…

断熱材に覆われた内部の配管に穴があく…

新造船にしてはちょっとなぁ と恨めしく思え、

その他の場所もあるかも と不安感…。

箇所から漏れた冷媒をチャージし、食糧庫はその機能を取り戻しました!

魚群が映らなかったソナー魚群探知機は、

機能していなかった基板があったとの事で、基板を交換…

新造船1年目はさすがに難しい…。

…日々緊張の連続である…!

31日・朝03時、花咲港出港。

8月も終わるというのに、まだ漁場は遠い…

その晩は、日付けが変わる頃に台湾の大型サンマ漁船が操業中の海区着。

群れも薄く、操業・調査航走が続く…

夜明け前になって、サンマが見えはじめたが、灯付きが悪い…!

夜明けより南東沖へ6時間程航走し漂泊。

纏まった群れの漁獲もなく、各船からの報も聞こえないまま、

はやくも9月に入ってしまいました…

沖よりの漁場の為、まだ内地へ水揚げの航走がないにも関わらず、

解禁からの8月・燃料消費量は62.352kl(調査中消費は19kl)…。

9月1日、少しずつライトの探照先で跳ねるサンマが見えてきた。

にしても、例年より群れが固まるのが遅いようです…

夜明け前に、若干纏まった群れを操業!

今期のサンマ漁は夜が明けると、無事にその日の操業を終えれた事に

今までとは違った安堵感に浸れます…。

各機関が、操業に支障をきたすことなく、とにかく順調に動いてくれる事!

試行錯誤の連続で大変ですが、乗組員みんな、いいメンバーに恵まれ、

やりがいも感じ、頑張っています!

…夜が明けて陸よりに航走し、日暮れから調査もサンマは見えず…

日付けの変わる頃、ロシアのチェックポイントにて臨検…

何事もなく臨検が終わり、帰途航走

3日・朝6時、釧路入港。