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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【洗礼】!

2010年03月27日 | ブログ

3月下旬といえども厳しい寒さが戻った三陸沿岸の海上の朝…!

久々に雲に邪魔されず水平線から昇るきれいな日の出・6時27分。

凪良く、気仙沼大島沿岸から調査するも薄すぎる反応で北上調査…

宮城・岩手の県境に数隻の船団が形成され、

付近で1回目の操業は6時50分から、その後沖寄りに調査航走・・・

県境の沖側で2回目、3回目と操業するも相変わらず20~30個…

僚船の情報で航走、沖合海区まで。

僚船は、そこで2回で終えたようだ!

5隻程の船団、ほとんどが大群操業の様相…!

我々も到着後、即 投網開始も印球を掴みに行く間に、

群れが深くなったらしい…   嫌な予感…

5回目は深い群れを狙っての操業、今お世話になっている船は

小さく、当然油圧の容量も小さいので凪がいい時以外は

あまり深い所はやらないようですが、風もなく穏やかな上凪!

定量に若干足りず、揚げ後直ぐ6回目、

その6回目の揚網開始から南風が少し吹き始め、

イサダを汲み始めた頃から一気に吹き荒れた!

定量外のイサダを網の中から放流し、操業を終え船は帰途に…

今季の操業はわりといい凪に恵まれていましたが、ついに洗礼!

海水のシャワー バケツ風モード・・・

まだまだ冷たい海水と低めの気温、頭には疝痛である!

作業を終えて船のサロンに入って昼食を摂ったのが12時15分。

南風は更に強まり風波でうねりも伴い、久々に大揺れの船上!

1時間程走った頃、ブリッジからの指示でイサダが入ったままの

タンク内に波が入り、水が抜けず、

船のバランスが取れなくなるため、再度 船首側甲板で作業…

取り替えたばかりの鉢巻も再度びしょぬれ…

今日はイサダ漁では珍しく鉢巻3本使用…

合羽の屋根(風帽)はバックの底でした…。

その後も取り舵側サイドのドアの隙間から少しずつ入り込んだ波が

気付いた時にはサロン内の敷き板を越えてきた…

危うくエンジンに… という寸でのところで手動排水作業!

外は波とは別に雪… 吹雪いている!

操業でかいた汗に合羽の襟元から入った海水で凍える寒さ…

今日操業した沖合海区から、約2時間の航走を経て

14時10分、気仙沼市場入港、水揚げ。

接岸した場所の前後に「源榮丸」の仲間が乗り組んでいる船!

いつまでも良い凪での操業とは限らない・・・

そう 今日は海からの洗礼…!