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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

回顧記 17話 「秋刀魚漁」!

2006年03月10日 | 船上回顧記

21歳、2度目の秋刀魚漁は少しだけ気持ちに余裕があった!

この年は秋刀魚漁船の半数以上が昨年までに

導入していた「ソナー魚群探知機」

ついに「第61長功丸」も導入!!!

巻き網漁船が導入し、その効果で秋刀魚漁船にも

導入が進んでいた「ソナー魚群探知機」

前年までには、半数以上の秋刀魚漁船に普及しており

その効果は歴然でした!

ソナーの無い船は夜間の操業調査中、船首に

何人も並び、ライト(探照灯)に反応した秋刀魚を

目視で見つける、又は航走時の魚探反応で

群れを見つける、という大きなハンデがあった。

ソナーは操舵室内のモニターに映る反応で

魚群を探査でき、向かい風や濃霧の際に、

船首に立っていても見つけられない群れを探しだしてくれる

優れた機器で、この機器の普及により、秋刀魚漁船の

漁体系が大きく進化しました!

今では、更に進化してかなりの広範囲をカバーできる

スーパーソナーが導入されています!

(現在の秋刀魚漁船では導入されていない船は皆無です!)

尚、秋刀魚の保存方法も進化し、冷水を使い始めました。

冷水を使用したとしないのでは水揚げ時の秋刀魚の鮮度に、

大きな差が生じ、昔からの生氷では通用しなくなりました。

各船は冷水クーラーの導入や冷水を作る清水と

海水の割合等を研究し、船の高速化も進み

現在では飛躍的に秋刀魚の鮮度が向上しています!

この年は秋刀魚の浜値も良く、予想以上の好水揚げになりました。

それでも日本一の最高水揚げだった船には大きく

水をあけられ、自分の心の中では

「いつか日本一の最高水揚げができる船に乗船したい」

という思い、(夢) を持ち始めた年になりました!