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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【6航海目】!

2022年09月29日 | モバイル

9月19日16時30分、花咲入港。
公海からの台風避難である…。

入港後、漁撈長から時間をもらい
故障中のスマートフォンを持ってドコモショップへ…

漁期間中に道東の地で携帯電話を買い替えると云う想定外…
あらためて神器への依存度が高かった事を思い知った…!

解禁から1ヶ月目、9月20日の水揚げ後港外にて投錨、台風待避。




台風は温帯低気圧に変わったようで、16時30分 花咲出港!
うねりは残るが、風は弱まった道東沖を僚船と共に微速で公海向け…。




ロシアの領海ラインを越えて 21日・18時30分、S/B 。
まだ高いうねりが残る公海、日没から北風が強まった…

北風は更に強まり23時、調査止め!
風上側左舷の漁灯を仕舞い、東へ。

22日・16時、S/B 。
なかなか凪ない…

外国籍の大船団から更に北東側へ調査。
17時30分頃より1回操業、その後西へ…。

20時を過ぎた頃から良い凪となった…。
時化後の凪で期待は高まったが、サンマは群れない…!

回数操業も漁獲が伸びず、沖へ。
外国籍船の数が凄い、赤い漁り火が絶え間なく続く、かなりの隻数だ!

広範囲に調査も僅かな漁獲で漂泊。

23日・15時30分、S/B 。
日暮れから風が東に変わってやや強まった…

密な外国籍船団を通過、南東側へ…




薄群れを回数操業…
次第に外国籍船が付近に集まり、ニアミスしながら…!

回数の割に漁獲は伸びず、夜明けより2時間程西へ移動し漂泊。

昨期以上に厳しい漁模様の中、各船の漁撈長方は大変な苦労だと思う…
頭が下がる…。

24日・15時30分、S/B 。
久しぶりに濃霧となった…

日没から西よりに調査。

群れ薄く、サンマも跳ねない…

薄群れを操業・調査航走を繰返しながらの最中
機関室内の見廻りで空調クーラー冷却水入口側のフランジ部から
腐食による微妙な漏水があり、取り外して応急対処。
空調も清水と同じように船内生活環境上重要度が高い…!
休養の場である各船員室の室温次第で眠りの質が変わる!

回数操業も漁獲は僅か…
夜明けより南西に航走…
航走中の当直、南の風で外気温・湿度共に上がりむし暑い…

25日・15時30分、S/B 。
雨である…

時折強まる豪雨で合羽越しの暑さが不快だ…
そんな中、船の傍らをクジラが遊ぶ。
公海操業になってからはホエールウオッチングは稀だ…

20時頃から風向が北東に変わって強まりうねりも高まった…
22時過ぎ、やや纏まった群れを操業…!

ここで漁撈長は一旦帰途航走を選択も…
一転、思いとどまり反転し、調査・再操業…!
夜明け近くには凪となった。

夜明けより漂泊…。

漁艙に積み込んできた清水を使って
夜明けから5時間半を要して新たに冷水艙2艙に冷水造り…
こういう日の朝食は睡魔を負かす「かき氷」と決めている…。

26日・15時30分、S/B 。
良い凪となって、まばらだったサンマが群れ始めた!

少し纏まった群れや若干纏まった群れを操業
漁獲が纏まった事で日付けが変わった頃より南西に…

02時、漁灯を仕舞い帰途航走女川向け!

沖よりのコースを進む台風の影響で追い風強く船は波乗り状態…
こういった状況時、操船が効かなくなる事がある!
何時もにも増して、注意しながらの帰途航海…!

限られた清水の残量も残り少なく、心配は絶えない…
今後もサンマ漁公海操業は航海の長期化を見据えて想定…!

もうすぐSeptemberも終わり、秋たけなわとなる。
旬のサンマが美味しい季節の到来である…!

29日朝06時頃の女川入港予定。