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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【2航海目】!

2022年09月02日 | モバイル
8月26日、花咲港での大型船今期初水揚げは御祝儀相場とはいかなかった…!
魚体組成が悪く、予想通りと云えば予想通り、
わずかばかりの期待は儚かった…

ある程度型の良いサンマの回遊がないと
漁場が遠く、かさむ燃料費でかなり厳しさを増す漁になりそうな雲行きで
今期の漁は始まった…

12時花咲出港公海向け!
船上は常に塩分と湿度が伴うが
今期はいつになく、船内の湿気が酷い…

航海ルート上に低い海水温の範囲が狭く、気象的に気温が高く高湿度な外気
人間が感じる以上に船上の湿度は各配管部やタンク外板に結露となって現れる…
機関室内各部汗が多い!
電気関連など、湿気を嫌う箇所は特に気を付けなければ…

外国籍船団が高い海水温で操業している事や、北よりの若干低い海水温域を調査した日本船の
漁模様も低調だったらしい事から
低海水温域には、まだサンマの回遊が進んでいないようだ…

28日・16時S/B。
外国籍船団が操業中の海区まで約57時間を要して到着…
夕刻よりの調査航走中、サンマは見えなかったが、
到着してからは探照灯の光にサンマが跳ねる…
しかし灯付きが悪く、すぐにいなくなる…

昨年の最も低調だった漁からは持ち直してもらわなければと
誰もが期待を持って挑んだのだが
今期の出だしは、ある意味昨年より悪いかもしれない…

夜明けまで回数操業でやや纏めるも、相変わらずガレたサンマ…
夜が明けて外国籍船団から離れて漂泊。

29日・16時S/B。
前夜に目視できたサンマが見えない…
調査海区表面海水温は20℃~22.9℃…
普通13℃~15℃が平均的に調査する海水温で
18℃台を超えると海水温が高めなのだが…
ちなみに5年前の8月、ロシア海区内操業は9℃台で始まっている。
毎年同じ展開はないが、こう高い水温域を広範囲に調査するのは初めてかもしれない…。








沖よりに調査…
外国籍船団の範囲は切れ目なく続き、まさに大船団…
ニアミスしながら、操業しては東へとサンマを追った…

夜明け近くになって、やや群れ始めたように見えたが、
僅かな漁獲微速で西へ…

30日・16時S/B。

良い凪に霧もなく、付近に他船も見えない…
調査しながら更に西よりに…

日付けが変わった頃からサンマが見え始め、
操業しては西へ航走と云うパターン中に1隻の漁り火が見えた…
沖出ししてきた船のよう。

東の空が白み、明けの明星がきらめく刻に海面を跳ねる夜明けサンマ…
しかし漁灯の明かりには近寄らない…

僅かな漁獲で夜明けより帰途航走花咲向け。

9月2日・01時頃の入港予定!