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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【11航海目】!

2015年10月01日 | モバイル
9月27日・朝6時女川入港も日曜日で市場は休み…。

28日朝からの水揚げまで休みであるが、女川魚市場付近は

大震災からの復興工事中で買い物には、峠を越えていかねばならず…

乗組員のほとんどがタクシーや電車を利用して石巻市まで行ったようだ…

女川港停泊中の船でメンテナンス作業をしていたのですが、

この日は残暑が厳しかった。

しかし夜になってからは、秋らしい涼しさ…

夜空には中秋の名月…。

28日、水揚げ・氷の積み込み後の9時20分に女川出港北上。

16時S/B。

漁灯を拡げ、ライトを点灯させて固定、航海当直で調査しながら…

追い手の風(船の後方)夜空の雲の間には満月・スーパームーンとの事…



月明かりとLED漁灯の光のコントラスの中、夜明けまで調査していくも

残念ながらサンマは見えず…!

29日・ロシアチェックポイント経由漁場向け、16時S/B。

夜半過ぎから風になるらしいが、日没後は良い凪となった…。

嵐の前の静けさか…?

サンマはポツポツと見えるも、灯付きが悪く

薄群れを数回操業し、南側へと調査。

22時頃から操業再開、サンマは深いようで、海面にはあまり見えない…

纏まった漁獲を連続操業!

更に南側へ調査範囲を拡げるも日付けが変わる前に雨が来た…

直ぐに雨は止んだが、それが合図のように風が来た…!

西風が白波をたて、うねりも高くなってきた頃、サンマの動きも活発になった…!

漁撈長からの指示で船首側の燃料タンク内の燃料を船尾側にシフト…!

本船の燃料移送ポンプでは1klの燃料移送時間が約6分…。

操業から一人離れ、機関室内での作業になる…
その作業中であっても、各機関の音で操業の様子が予想できる。

網を揚げた後、船の動きがあまりにも静かだ…

不安感が頭をよぎった…

そんな時、操機長が機関室に呼びにきた…

移送ポンプを停めてデッキへ

甲板油圧系統の船尾側カン巻き接続部が折損…

高圧ホースではなく、アジャスタが折れてしまった…

応急措置を急ぎ、場は凌いだ…!

燃料シフトを済ませて甲板へ…

すると、今度はまたもやフイッシュポンプからサンマが揚がらなくなった…

例によってホースの先にサメが詰まっていた…

今度はヨシキリザメ…

あっさりと取り除く事が出来たものの、

今度は氷を揚げる機械(アイスキャッター)が揚がらなくなった…

風は更に強まり、一気に嵐…!

急ぐ漁撈長、またもやテンションMAX…!

アイスキャッターが復旧するも、嵐の威力は凄まじく…

朝3時半、漁灯を仕舞い荒天準備!

ロシアチェックポイント経由、支えながら南下帰途航走 女川向け!

大時化の中、船橋には漁撈長と船長が付きっきり、

機関室には私が…、危急に備えた…!

早、季節風の時季になった… 暦も10月…

船は、10月1日午後2時30分に女川入港。

入港後、フィッシュポンプのホース口にサメ対策、

トラブった箇所・傷んだ漁撈器具の修理等の作業…

嵐の11航海目、疲れました…。