12月10日。好天に誘われ7月4日以来久し振りで多摩森林科学園を訪れました。
途中の道路脇に早速フユザクラの一種コブクザクラ(小福桜)が咲いていて目を楽しませてくれます。シナミザクラとエドヒガンの交雑種と推定され二季咲きの桜です。
桜では園内に不断桜と厳倉寺の四季桜も咲いていました。
不断桜:遠くで咲いていましたが、ヤマザクラとオオシマザクラの交雑種で花は白色で中輪一重咲き。
厳倉寺の四季桜:マメザクラとエドヒガンとの交雑種。広島県安来市の厳倉寺から導入。
ベニバナトキワマンサク(紅花常葉満作)が早くも咲き始めていました。マンサク科トキワマンサク属の常緑小高木で花期は普通4~5月です。
入口近くに
クサボタン(草牡丹)の果実がありました。キンポウゲ科センニンソウ属の半低木で有毒植物。花期は8~9月。私は奥高尾でしか見ていませんがこんなところに植栽?されているのですね。ご覧の通り果実には長い白い毛が付き目立ちます。
ご参考:クサボタンの花(2013.09奥高尾で撮影)
多摩森林科学園では野鳥のミヤマホオジロが出たとあって沢山の人達が撮影に来ていました。
園内は種々の果実がありました。
まずシナアブラギリ(支那油桐)の果実がありました。中国原産でトウダイグサ科アブラギリ属の落葉高木で花期は4~5月で綺麗な花を付けます。
ご参考:シナアブラギリの花(5.10多摩森林科学園で撮影)
次はイヌビワとホソバイヌビワの果実です。並んで植栽されています。
イヌビワ(犬枇杷):クワ科イチジク属の落葉小高木で花期は4~5月。イチジクのように外から見えない花が球形の花のう(果実)の中に咲きます。果実は食べられるようですが美味しくないとのこと。
イヌビワの果実と冬芽
イヌビワの冬芽と葉痕:冬芽は鱗芽、葉痕はほぼ円形で維管束痕は多数。葉痕が斜めになり見え難くてごめんなさい。
ホソバイヌビワ(細葉犬枇杷)の果実と冬芽:イヌビワと比べて葉が細く、他はイヌビワと見分けがつきにくい。果実や冬芽もほとんど同じで葉がないと私には区別できません。
ホソバイヌビワの冬芽と葉痕
サラシナショウマ(更科升麻)の果実:キンポウゲ科サラシナショウマ属の多年草で花期は8~10月頃。
ご参考:サラシナショウマの花(2012.10小仏峠で撮影)
森林園の林床等にはフユイチゴ(冬苺)が多く生えています。バラ科キイチゴ属の匍匐性小低木で花期は9~10月。よく似たミヤマフユイチゴは高尾には多いのにここでは見当たりません。逆に私は高尾でフユイチゴを見ていません。違いは葉で葉の先がフユイチゴは丸く、ミヤマフユイチゴは尖っていることです。
ご参考:ミヤマフユイチゴ(2012.11 高尾山1号路で撮影)
第3森林園で
ケンポナシ(玄圃梨)に果実が沢山生っていて、小枝と共に花柄が肉質に肥厚したものが多く落ちていました。ケンポナシはクロウメモドキ科ケンポナシ属の落葉高木で花期は6~7月。落下した果実はタヌキ、テン、ハクビシン等の動物が花柄部と果実を一緒に食べて移動し種子を散布するとのこと。
キジョラン(鬼女蘭)の果実と白く長い毛が付いた種子もまだ残っていました。
ご参考:キジョランの花(2022.11 長池公園で撮影)
以上