
『エクセリオン』(EXERION)と、『エグゼドエグゼス』(EXED EXES)は、80年代中盤を代表するシューティングゲームです。

『エクセリオン』(EXERION)は、ジャレコより1983年に発表されたアーケードゲームです。シューティングゲームの系譜として、78年インベーダーの大ヒット、79年ギャラクシアン(ポストインベーダ)、80年ムーンクレスタ(合体の概念の導入)、ディフェンダー(海外作品)、81年ギャラガ(ギャラクシアンの続編)、スクランブル(空中と地上への横スクロール打ち分け元祖)という流れで、同83年には『ゼビウス』が登場しています。位置的には、ギャラクシアンから、ポストギャラガを狙った作品郡の1つではないかと思います。

85年にジャレコのファミコン参入第一弾として発売されています。システム的には、オーソドックスな固定型のシューティングゲームであり、連射不可のデュアルショットと、連射が可能で弾数制限ありのシングルショットの構成になっています。この頃は、(ゼビウスが出現するまで)たいていのシューティングがこのような形で、その中でいかにオリジナリティを出すか、独自性を競っていました。

このゲームの特徴として、擬似3Dの独特なスクロール画面と、慣性のついた独特な操作性がありました。この作品のスクロールは、岩山などの地上物が(スペースハリアーのように縮小、拡大表現ではなく)、ベルトコンベアーのように奥からロールする地面に乗っかって流れてくるといったもので、慣性のついた操作性も慣れるまでは重く感じる特殊なものでした。この二つの要素が合わさって、独特なゲーム世界を表現していました。思うように動かない自機のおかげで、どちらかというと爽快感に欠ける作品だったようにも思います。ただファミコン参入第一弾として選ばれるなど知名度も高く、MSX、SG-1000、PSにも移植されていたりと、ジャレコを代表するシューティングといってよいでしょう。個人的には、駄菓子屋やデパートの20円コーナーで遊んだ印象が強いです。

対する『エグゼドエグゼス』(EXED EXES)は、1985年にカプコンより発表されたアーケードゲームです。こちらは、FC版の登場はかなり早くて、同じ年の12月に徳間書店(徳間書店インターメディア)より発売されています。この頃のFCの勢いがわかりますね。これは、前作『バルガス』(VULGUS)(84年・カプコンの業務用参入第一弾)の流れを汲む作品で、『スターフォース』(STAR FORCE)(84年・テーカン/テクモ)などと同じく、ポスト・ゼビウスを狙ったものだと思います。作者はあの岡本吉起氏。同氏の横スクロールシューティングゲーム『ソンソン』からも、(隠れキャラやPOWなど)様々な要素が持ち込まれています。ちなみEXED EXESとは、最終ボスの浮遊要塞の名前。

システム的には、ゼビウス以降主流となった縦スクロール型シューティングで、地上と空中を同一のショットで攻撃するスターフォースと同じシステムをとっています。2重スクロールを使って、(スターフォースと同じように)空中都市?に地上物がある構成になっていて、地上と空中を同一ショットで破壊できる矛盾点を回避しています。ショットは、レバーの入力によって射程距離が伸びる独特なもので、他に副武装として敵弾を一掃できるクラッシュを持っています。敵は立体的で硬質な表現がされた昆虫型で、自機はゼビウスに影響を受けたような銀色の機体となっており、POWをとることにより4段階までパワーアップします。文字だけのPOWもあり、こちらを取ると敵がフルーツになる、ソンソンより持ち込まれた要素もありました。(ソンソンと同じく2人同時プレイも可)。全体的に神秘的な画面構成の中に、ボーナスや隠しキャラとしてフルーツが持ち込まれ、コミカルな(軽快な)雰囲気もありましたね。かなり綺麗なゲーム画面で、ゲームセンターで堂々の主役を張れるくらいの魅力は持っていたと思います。ただFC版は期待が大きすぎたのか、①2重スクロールでない、②キャラが非常にちらつく、などクソゲー扱いされることもあるようです。個人的には、徳間書店のテクノポリスや、ファミマガに掲載されていた、(同時期に発売されたパズルゲーム、ロットロットと一緒の)広告がとても印象に残っています。

この頃84~85年は、ゲームセンターで話題となったゲームが次々とFCに移植されて家庭で遊べるようになるなど、(業務用も家庭用とも)とても活気のあった時期だと思います。子供が多かったということも大きかったのでしょうが、(ビックリマン、ミニ四駆、RC、キン消しなど)子供向けの流行が幾つもあって、この頃の子供たちはとても幸運だったような気もします。不景気や少子化の流れで、あまり活気のある流行は起こりづらくなっていますが、これも時代の流れなのでしょうか。
参考:エクセリオン、エグゼドエグゼスの項
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