THE BLACK ONYXは、1983年にB.P.Sより国産初のRPGとして発表されました。PC-88、PC-98、FM-7、X1、MZ、MSXなど当時の主だった機種には殆ど移植されていて、国産RPGの古典として名作だと言われています。それまでもパラメーターや成長要素を入れ、RPGらしさを出した作品はあったようです。しかし本格的なRPGとしては(TRPGをやり込んだアメリカ人青年2人によって作られた)これが、日本で作られた最初のものだと言えるようです。(写真:ブラックオニキスMSX版)
私はこれを、友達家のPC-88版で1984~85年頃に初めて遊ばせてもらいました。当時はやっとドルアーガの塔などがアーケードで登場してきたくらい。それまでの体当たりをして敵を攻撃するゲームと違って、これは敵を攻撃しても文字や数値でダメージなどが表示されるだけで、全く新しい感覚でした。文字を読むだけでいったい何が面白いのだろうと思った記憶があります。
ブラックオニキスが発売された当時は、RPGはまだ一般的ではありませんでした。そのためRPGを日本に紹介するにあたって、RPGに不慣れな日本人にわかり易くするためにウィザードリィなどを元にして大胆な簡略化がされています。魔法がありませんのでパーティ全員が戦士で、みんなで怪物をタコ殴りにしたり、盗賊もいないため宝箱も無かったりと、今見るとかなり単純なシステムになっています。(キャラメイクも名前を付けて、髪型と服装を選ぶだけという簡単さです)。逆にわかり易いようにキャラの装備をビジュアル化したり、経験値と体力のみグラフで表示されたりと、その後のゲームに影響を与えるような新しい試みも加えられていました。
ブラックオニキスの舞台となるウツロの町。呪われた町ということで、夜が明けずずっと夜空が続く。武器や鎧を売るマーケットがあったり、病気の治療や薬の販売をする医院、お金を預けられる銀行などがあった。それだけではなく、ゲーム内では特別な意味を持たないのだけれども、宿屋、パブ、牢獄(ファイヤークリスタルでは役所)、墓場など生活を感じられる施設が多数用意され、冒険の気分を盛り上げた。このゲームが名作だといわれる所以。
WIZでもシナリオやイベントはおまけ程度のものでしたが、ブラオニには街にも地下にもイベントすら存在しません。いろいっかいづつ・・というのがとても有名ですが、謎といえる謎は実はこれだけです。けれど当時は、この何もない地下マップを覚えてしまうくらいに惹きつけられました。井戸の底に潜むクラーケンや聳え立つブラックタワーなど、想像力を刺激されてしまう神秘的なしかけ(設定)がたくさん揃っていたからでしょうね。最近のPS2のRPGのデモを見てますと、この当時想像力で補っていたものが実現されていて隔世の感がしますが、ゲームの面白さの核心部分はそれ程進歩していないようにも思えたりもします。(写真:FC版、ゲームブック版)
今ブラックオニキスを遊ぶとしたら『蘇るPC-8801伝説』という書籍に収録されていますので、それが一番簡単でしょう。(PC-88のエミュレーター本です)。携帯版やGBC版もあり、GBC版はBPS開発のタイトー発売で中古で見つかれば1000円~くらいで手に入ると思います。ゲームブック版は日本人GB作家の第1人者、鈴木直人氏が書かれています。これも創土社より、題名を変更した復刻版がでる予定のようです。※創土社HP内にある『テンペスト』というのがそれです。(写真:蘇る88伝説、FC版、GBC版)
参考:Wiki ザ ブラックオニキスの項、蘇るPC-8801伝説/アスキー、チャレンジAVG&RPG/電波新聞社
MSXネタを扱ってらっしゃったので、ブログは見てましたよ。
実は当時のハードは、進学やら家の建て替えやらでほとんど残っていないんですよ。
あんまり自分の懐かしい思い出の品がなさ過ぎたので、その反動でつい買っちゃうのかもしれません。
ハードもまだ持ってらっしゃるんですね。私はことごとく捨ててしまいました。今思うと残念です。ではでは^^