
セクロス(Seicross)は、1986年に日本物産より発売されたファミコンソフト。

ネタ元は、1984年にアーケードで発表されたセクターゾーン(Sector Zone)の移植で、セクロスはセクターゾーンの北米版タイトル。NO2とナンバリングされており、マグマックスに続いて日本物産のFC参入第2弾。この後、テラクレスタ、クレイジー・クライマーと続きます。日本物産は、1980年のムーンクレスタ、クレージークライマーで立て続けにヒットを飛ばした後、81年のフリスキートム、85年にムーンクレスタの続編であるテラクレスタ、マグマックス、コスモポリス ギャリバン、86年のUFOロボ ダンガーなど、この頃にも印象的な作品を発表していました。これは、そんな時期に発表された1本ということになります。

開封時。パッケージ絵も含めて、とても綺麗にまとまっているという印象。

取説、おまけのシール、アンケート葉書、注意書き。

パッケージに誇らしげに書いてあるオリジナルステッカー付き。ステッカーというよりはシール。第3弾テラクレスタの宣伝がしてありますな。

ゲームは、謎の基地に潜入して障害物をかわしながら、捕虜であるぺトラ人を救出するというもの。プレイヤーはホバリングバイクにて移動するのですが、敵もパスラ・バイクというホバリングバイクにて追跡をおこなってくるため、バイクチェイスがゲームの要になっています。雰囲気としては、映画TRONの光電子バイクLight Cycleような感じ。アーケード版は、縦画面の横スクロールという奥行きのある仕様だったのですが、FC版では横画面。

ぺトラ人を救出するとバイクに乗り込んでくるため、移動が遅くなったり、エネルギーを途中で補充する必要もあります。敵のバイクも登場しますが、レース的な要素はなく、どちらかというと障害物を破壊しながら進むシューティングに近いでしょうか。

このゲームを語る場合に外せないのが、ネットスラングにもなったそのタイトル。偶然かと思いきや、このゲーム自体がその語源となった模様。当時、アーケード版セクターゾーンを何度か遊んでいるのですが、マグマックス、テラクレスタに比べてもインパクトが低く印象に残りませんでした。セクターゾーン自体は、それほど知名度は高くないと思います。ただFC版セクロスは、ちょうどFCのブーム真っ最中に発売されたためか(案外と)知名度が高く、その印象度の強さからネットスラングへと変化していったのかもしれません。

コメントをいただきましたが、このパッケージ妙にかっこよく、なかなか良く出来ていると思います。FCブームのあの時期は、どんなソフトでも出せば売れるという感じでしたので、パッケージに惹かれてこのソフトを手に取った層も多かったのかもしれません。その思い出と思い入れが、ネットスラングとしてこの作品を蘇らせた(?)のかもしれませんね。

参考:Wiki セクターゾーン(セクロス)、日本物産、ガジェット通信
遊ぶときに実際のゲーム画面を脳内補正するのに重要なんですよね。
この時期は、ソフト自体の表現力はたいしたことありませんので、パッケージ絵や取説、ゲーム誌などでイメージを膨らませていましたね。
今のゲームでは、洗練されているのかもしれませんが、このように印象に残るパッケージ絵は、出難くなっているような気がします。