goo blog サービス終了のお知らせ 

80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

アップルタウン物語 Little Computer People・スクエア/Activision

2009-11-24 20:39:36 | レトロゲームReview

 『アップルタウン物語 Little Computer People』は、1987年にスクエア(スクエア・DOG)よりのFCディスクシステム用ソフトとして発売されました。原作は、米・アクティビジョン(Activision)社の『Little Computer People』(リトル・コンピュータ・ピープル)で、他にPC-88用としても発売されていました。元ネタは、コンピュータの中に住み着いたコンピュータ・ピープル(中年の男性)の生活を眺めるという、かなりシュールで、かつ実験的なもので、現在の育成・観察系シミュレーションの源流といってよいと思います。プレイヤー側からメッセージや食べ物を送ることも可能ですが、基本的にコンピュータの中で生活しているコンピュータ・ピープルが、寝たり、食べたり、TVを見るのを観察するという、当時としてはゲームの概念を変えてしまうような作品でした。当然、日本のPC誌でも取り上げられ、AppleIIに変わったゲームが登場したと注目されていました。当時、AppleIIやComodore64なんて身近にありませんので、遊んでみたいと思っていたものでした。そこに、FCディスクシステム用として『アップルタウン物語』が登場したということになります。


 元ネタは、おっさんの日常生活を観察するという非常にシュールで実験的な作品ですから、さすがにそのまま移植するのは無理だったのか、FC版のほうは女の子にキャラが替えられていました。当時はがっかりしたのですが(PC誌にも変更に懐疑的な記事があった気がします)、その頃はまだゲームは子供のものという時代でしたので、子供に売ることを考えた場合(商売的には)当然の変更だったのでしょう。タイトルもかわいらしく、パッケージ絵も子供向けになり、その上コンセプト自体も変わっていると思います。元ネタのリトル・コンピュータ・ピープルの方は、当時流行っていた人工知能(無能)ソフトや、その後の熱帯魚観察・育成ソフトなどの流れにあると思いますが、アップルタウン物語の方はドールハウスや、シルバニアファミリー、リカちゃんハウス的な流れの中にあると思います。要はごっこ遊びですね。思い出のFCサイトなどを見ますと、女性からの感想が書かれており、ディスク用ソフトとはいってもそう簡単には買えませんでしたから、(元ネタのコンピュータピープルを知らない)男の子などはまず手を出さなかったのではないでしょうか。


 Little Computer Peopleが発表された当時には、ただ観察をするだけとか、育成をするというジャンルのものはあまり一般的ではなかったですが、その後は急速に広まりました。一番大きいのは“たまごっち”(96)のヒットだったと思いますが、“アクアゾーン(AQUAZONE)”(93)、“どこでもいっしょ”(99)、“シーマン”(99)などのバーチャルペットもこの流れにあると思います。ある意味、直系ともいえるのが、ゲ-ム内住人の人生や生活を観察する“シムピープル”(2000)、アパートに住む大学生の生活を見守る“ROOMMANIA#203”(2000)などでしょうか。そして、ドールハウス的なアップルタウン物語の直系といえそうなのが、2005年にセガトイズより発売された“24h ピクトハウス”ですね。これは液晶画面内に表示されるキャラの生活を眺めたり、クイズや占いなどをするという玩具なのですが、ある意味Little Computer Peopleの末裔でもあり、現代的な解釈、再構築だと思います。これ、子供向けの玩具なのですが、G&Wクリスタルスクリーンと同じく透明な液晶画面を使用しており、扉が開いたり2階の電気がつくなどエレメカ的なギミック満載で、ちょっと懐かしい感じがします。→気になるe-Toy遊んでリポートの紹介記事


 これらの作品の根本には、コンピュータの中に息づく(人工的な)生命・知性という人工知能(無能)などと同じロマンが隠れていると思います。手塚治虫氏や横山光輝氏の漫画などでは、思考し感情まで持つコンピュータがよく登場しましたし、2001年宇宙の旅でもHAL 9000の反乱が鍵になっていました。最近だと、AIBOやASIMOですね。昔Little Computer Peopleやってみたいと思ったのも、それらと同じものを感じたからだったような気がします。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿