80年代Cafe

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海外のゲーム&パソコン ガイドブック・オークラ出版

2016-07-04 14:50:16 | 書籍・漫画

 こちらは、2015年にオークラ出版より発売された海外のゲーム&パソコン ガイドブック。著者は、コナミ出身の前田尋之氏。


 前田尋之氏は、2014年に家庭用ゲーム機興亡史、ホビーパソコン興亡史、懐かしのホビーパソコン ガイドブックという、懐かしのパソコンやホビーゲーム機を題材とした研究本を出版されており、この本はそれらに続いて出されたレトロハードの資料もの。


 国内ではあまり語られることの少ない海外のホビーパソコン、ホビーゲーム機について、カラー写真とともに解説されているというかなり珍しい書籍です。おなじみの有名どころから、初めて見るような機種まで300機種以上が収められています。


 家庭用ホビーパソコンの金字塔とも言えるAppleⅡ。アップル社が1977年に発売した個人向けに大量生産されたパソコンとしては初めてのもの。アメリカでは1977年6月10日に1298ドル(当時の日本円で30万円ほど)の価格で発売されたが、日本だと本体のみで50万以上したため高嶺の花だった。個人的には、よく通っていたデパートの家電PC売り場に置いてあるはずもなく、ログイン等の雑誌で知っていたのみだった。


 コモドール社が1985年に発売したAmiga(アミーガ)。アメリカより欧州で爆発的なヒットとなった。特徴としては廉価なパソコンにもかかわらずCG・映像製作に特化したパソコンだった点。テレビ番組ウゴウゴルーガのCGもこれで作られていたことが話題となった。当然、ゲーム用途にも向いていて、日本だとシャープのX68000が同じような位置にあった。こちらも、個人的にはBeep誌などの特集で知るのみで、実機は見たこともなかった。


 こちらは、コモドール社が1980年に発売したVIC-20。日本では、1981年にVIC-1001(ビック-1001)として売られた。これは何かというと、これの低価格廉価版がマックスマシーン(MAX MACHINE)で、マックスマシーンは家庭用のホビーパソコンとして日本でのみ売られていた。34,800円という子供にもわりと現実的な価格で、トミーのぴゅう太と並んでもしかしたら家庭用パソコンが手に入るかもという淡い期待を抱かせた夢のマシーン。どちらも手に入ることはなかったですが。


 アタリ社が1977年に発売したアタリ2600。ファミコン登場以前に、家庭用ゲーム機として広く普及し、アタリショックの主役ともなった伝説のゲーム機。日本では数社が輸入販売を行ったが、9万円前後という高価格だった。79年にはエポック社がカセットTVゲームという名称で発売し4万円ほどで売られたが、やはり高価だったため普及しなかった。これも、当時よく行ったデパートの玩具売り場にはおいてあるはずもなく、見たこともないどころか存在すら知らなかった。


 アタリの次世代機アタリジャガーと携帯機リンクス。アタリジャガーは1993年(日本では94年)に発売されたプレイステーションやセガサターンなどと同世代機。アタリリンクスの方は、1989年に発売されたゲームボーイやゲームギアなどと同世代の携帯機だった。この頃だと日本製ゲーム機の方が、価格的にも性能的にも優れており、日本ではまったくといっていいほど普及しなかった。個人的には、リンクスは電気店で中古品が売られているのを見た程度で、アタリジャガーに至っては見たことがなかった。リンクスの中古品は、その当時(90年代初頭)で8,000円くらいで、買うかどうか迷ったが買わなかった思い出がある。


 海外で製造されたものだけではなく、日本製でも海外で売られていた著名なものや主要なものは収められています。


 日本で書かれた海外製コンピュータやゲーム機ハードの本というのは非常に少なくて、あってもほとんど専門書の部類に入る。こちらは2004年に毎日コミュニケーションズより発行されていたApple2 1976‐1986


 洋書だとたくさんあると思われますが、ピンきりで値段も高いためなかなか敷居が高い。こちらは、2006年に日本語に翻訳されて出版されたため、わりと入手しやすいCOLLECTABLE TECHNOLOGY


 コンピュータ、ゲーム機に限らず、電卓や携帯テレビなど電子のガジェットを紹介している写真集。


 こちらは、翻訳はされてませんが日本のアマゾンでも売っているため、わりと入手しやすいElectronic Plastic


 海外の電子ゲームマニアがまとめた電子ゲームに特化した本。


 日本製のハードであれば、2013年、14年に続けて主婦の友社より発行された携帯用ゲーム機コンプリートガイド、家庭用ゲーム機コンプリートガイドが手に入れやすい。こちらも1,000円ちょっとの書籍としては出色の出来。


 日本製電子ゲーム本としては、2000年にオークラ出版より発売された電子ゲーム70’s & 80’sコレクションが定番。海外製、日本製問わず収録されている。ちょっとですがテレビゲームも載っている。


 ということで、日本で出版された書籍としてはなかなか他に類を見ない貴重な一冊と言えるでしょう。80年代~90年代初頭頃までは、日本でもNECのPC-98や88、シャープのX1、MZ、富士通のFM-7とメーカーごとに製品を作っていてウィンドウズの時代のように統一されていなかった。それは欧州など海外でも同じで、イギリスやオランダなど各地のメーカーがそれぞれ思い思いの製品を作って売っていた。コンピュータに個性がみなぎっていた黎明期がちょっとだけうかがえる、そんな一冊です。レトロゲーム好き、ゲームハード好き、全てのホビーパソコンマニアの人にお勧め。



参考:海外のゲーム&パソコン ガイドブック/オークラ出版、Wiki AppleⅡ、Amiga、CVC-1001、マックスマシーン、ATARI2600、Atari Jaguar、Atari Lynxの項、COLLECTABLE TECHNOLOGY/トランスワールドジャパン、Electronic Plastic/Die Gestalten Verlag


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2 コメント

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当時のパソコンは (yasuho)
2016-07-05 08:04:35
カオスな状態ではありましたが、むしろそれがコンピュータの持つ無限の可能性を感じさせてくれて、よかったですね。ソフトウェアの互換性もないのが当たり前という感覚で、あまり問題には思っていなかったように思います。
Unknown (80-cafe)
2016-07-05 19:40:54
この頃だと、日本の家電メーカーも元気だったため、それぞれのメーカーが思い思いの製品を出して、雑多ではありましたが熱気がありましたね。

ユーザーにとっては、互換性のないすぐソフトが出なくなってしまうものを買ってしまうデメリットがありますが、ハードの個性、面白さという点ではこの頃の方が上だったと思います。

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