これは、てんとう虫コミックス・ゲームセンターあらしです。(太田出版より2000年に出た復刻版)。ゲームセンターあらしは、1970年代後半より1980年代中頃位までコロコロコミックに連載されていた、当時流行していたTVゲームを題材にしたボビー漫画です。ゲームに命をかける小学生・石野あらしが、必殺技を駆使して強力なライバルとゲームで戦いを繰り広げてゆくという話です。
当時小中学校では、ゲームセンターは不良の溜まり場ということで出入禁止のところが多かったので、あまり気軽には行くことができませんでした。それで当時の小学生は、あらしに登場する最新ゲームの紹介や攻略法を何度も読んでゲームした気になったりしてたのです。ゲームセンターのゲームだけでなく、ゲーム&ウォッチや電子ゲームが題材になる事も多かったため、ファミコンもゲーム誌も攻略本もない頃ですから、これが子供にとっては貴重な情報源でもありました。
マイコンより早く手を動かしてCPUを狂わせてしまう炎のコマだとか、奇想天外で派手な必殺技がこの漫画の売りだったのですが、だんだん技がエスカレートしてゆき超新星(スーパーノヴァ)だとか訳のわからないものになってゆきました。おまけに戦う敵(ライバル)も、ゲームチャンピオンから一国の機関になったり異次元の怪物になったりと、こちらも収集がつかないほどになって終わってしまいました。
ただし、その後コロコロコミックやコミックボンボンが、玩具会社と組んで玩具のブームを仕掛けるメディアミックスの先駆けともなりました。アニメ化もされて、水木一郎氏があの声で主題歌をシャウトしています。また最近でもしばしば復活してPCのエミュレーター本などで活躍していて、あらし人気はなかなか根強いようです。