これは1998年にEidos Interactiveが発売したWindows95/98用ゲームDeathtrap Dungeon デストラップ・ダンジョン。ちなみに海外ではプレイステーション1でも発売されていたよう。
こちらはタイトルでわかる人にはわかりますが、Fighting Fantasyシリーズの一冊として1984年に発売されたDeathtrap Dungeon(邦題は死のワナの地下迷宮)をPCゲーム化したもの。Fighting Fantasyシリーズは、本編のゲームブック以外にも何度もゲーム化されており、Games Workshopからボードゲームが2種(1986/1993)、Commodore 64などの欧州でヒットしていたパソコン版(1984)、2006年にはNintendo DS用にFighting Fantasy The Warlock of Firetop Mountain、それ以外にも携帯やスマートフォン用アプリなど色々と開発されています。近年2017年だとSteamで発表されたFighting Fantasy Legends(日本語版あり)なんてのもあります。
この頃、イアン・リビングストン氏はEidos Interactiveの社長兼CEOを務めており、タイトルにもしっかりIan Livingstone’s Deathtrap Dungeonと入っている。パッケージは、大きな箱の中に変形防止用の紙製の内箱と説明書、ソフトが収められている、この当時の平均的なもの。
しかし評価はデストラップダンジョンを遊んだことがない人が作ったとか散々な模様。実際、日本語版があること自体が奇跡のような怪作。裏を見ると、どことなく嫌な予感が漂い始めます・・・。
Fighting Fantasy第6作目、死のワナの地下迷宮は名作でした。日本でも人気が高い作品のひとつといって良いかと思いますが、これ欧州やイギリス本国ではシリーズ中でも特に人気が高い作品だそうで、イギリス本国では50万本売れたそう。それを反映して2編の続編が作られています。
プレイヤーは旅の冒険者となって、他に4人のライバルとともに強大な権力者Sukumvit公の作った迷宮に挑む。迷宮探索競技は、町のイベントにもなっており、やかましく打ち鳴らされる銅鑼や鐘の音とともに、祭りは最高潮の盛り上がりを見せる。と、このような感じで否が応にも気分が高まる演出が満載で、確かにこれは名作。
書籍のDeathtrap Dungeonは、日本でも2008年に再出版されており、すでに社会思想社はもうなかったため、この時はホビージャパンより発売された。この時のタイトルは、日本版でもデストラップ・ダンジョン。これが萌え絵を使っており、リビングストン氏がそれに反応をしたため、日本語で検索するとこのネタばかりが引っかかる。
ダウンロードを済ませてEidos Interactiveのロゴを見ると、いやな感じのデモムービーが始まります。Windows95/98用ゲームなので動かないだろうと高をくくっていたら、楽々動きやがった。
ゲームの設定や選択を済ませて背景などのモノローグが挟まれる、この時代の標準的なゲーム構成。アマゾネスのRed Lotus(女性)、バーバリアンのChaindog(男性)を選んでゲームを始めます。恐らく性別で性能差があると思われますが、よくわかりません。Red Lotusを選ぶとまんまTomb Raider。この時代のポリゴンなのでカクカクですが、実は動画などで見るよりは緻密で綺麗。
肝心のゲームの方は、英語版Wikiによれば GameSpot誌からDeathtrap DungeonはSony PlayStationのゲームのローエンドになることが判明したなんて言われている。このEidos Interactive社は、Tomb Raiderの発売元なので、つまりはTomb Raiderの3Dエンジンを使ったアクションゲーム。なんだか気持ち悪いモンスターが出てきて、攻撃するといちいちモンスターの首が飛んだり、ばらばらになったりと、どうにも日本人には受け入れがたいテイストに満ちている。セーブするたび、いちいち冒険者がモンスターより斬首される意味不明なムービーが入る。
ただし、個人的な感想はク○ゲーとはいっても愛すべきク○ゲーといった感じ。超難しいようなのでやると腹立つと思いますが、Deathtrap Tomb Raiderだと思ってやれば(駄目じゃん)癖になりそうなテイストはある。全然、Deathtrap Dungeonぽくないけどね。
まあFighting Fantasyのゲーム化として考えたらこれは貴重で、ファンアイテム、コレクターズアイテムとしては良いのでは。オークションだと1,000円~、Amazonだと新品が3,000円ほどで売られていた。現時点は、Amazon、駿河屋さんともにないみたいですが、プレイステーション版(海外版)は売っている。またダウンロード版(海外版)だと、ドル決済ですが遊べるようです。
まさかWindows95/98用ゲームが動くとは思わなかった。今回これが一番驚いたEidos Interactive社のDeathtrap Dungeon デストラップ・ダンジョンでした。
参考:Wiki Deathtrap Dungeon(英語版)、デストラップ・ダンジョン倶楽部、やじうまPC Watch「死のワナの地下迷宮」の“萌え化”に英国の原作者が苦言、GAME Watch Eidos会長イアン・リビングストン氏インタビュー
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