
ウルティマ 恐怖のエクソダスは、1987年にポニーキャニオンより発売されたFC用のRPG。米ORIGIN社のExodus:Ultima IIIのFCへの移植版。

オリジナルのUltimaは、ウィザードリィと並ぶRPGの古典であり、その移植版ですが、これは○○ゲー扱いされることも多い作品です。恐怖のエクソダスが発売されたのは87年10月9日で、ドラクエⅡ(87年1月26日)とドラクエⅢ(88年2月10日)のちょうど中間にあたり、当時大変なRPG熱が高まっている時期でした。そこにアメリカより、ドラクエなど日本のRPGの元になったRPGの原点などという売られ方をしましたので、期待して買った人も多かったと思われます。ドラクエの元ネタなのですが、ドラクエ人気が凄い頃でしたので、逆にドラクエっぽい作品になっていました。パッケージにもアニメ調の少年剣士や、美少女の魔術師(僧侶?)が描かれており、これに惹かれた人も多かったのだろうと思われます。

パッケージ。説明書は、小さくてかなり薄いです。85年にスタークラフト社が出したPC版では、マップ(布製だったり、ジグゾーパズルになっていた)や鉄製のアンク、説明書など、大作らしい豪華な仕様だったのですが、かなり簡素化されています。

カセットはかっこよいです。オリジナルのUltima IIIの面影は微塵もありませんが。

ドラクエっぽいフィールド画面。同じくRPGの古典であるM&Mやバーズテールなどは、オリジナルを尊重した移植をされていましたが、こちらは一般受けを優先したアレンジの方向性。AppleⅡ版とはいいませんが、せめて同時期のPC版のようにIBM PC版の移植であれば、印象は違ったかも。

ドラクエⅢに先駆けて2メガ+バックアップロムを採用。ここは大作らしく豪華。

小さなFC説明書内に描かれたソーサリアのマップ。これを参考にゲームするのも大変そう。

こちらもドラクエ調のかわいらしい装備品。

オリジナルテーマソング・瞳のナイフ/ハートの磁石を、声優で当時人気だった日高のり子さんが歌ってます。曲は後藤次利氏。これほんとにウルティマという単語が歌詞に入ってます。日高のり子さんは、ゲーム内にも登場。話しかけると曲のPRをして、ハートのじしゃくというアイテムをくれます。Ultima IIIは、王様や町の住人にも攻撃ができる自由度の高いゲームでしたが、彼女にもバトルを仕掛けることができたりと、この辺は原作に忠実。

セリフアレンジ/秋元康氏、音楽/後藤次利氏とおニャン子コンビ。実にポニーキャニオンらしい豪華布陣。当時はバブル景気で、おニャン子バブル、FCバブル、RPGバブルと全てがお祭りだったんですね。

Ultima Ⅳ 聖者への道。こちらは、遊びやすさという方向性でアレンジ(変更)が加えられた模様。

元ネタのUltima IIIは、83年(日本では85年/スタークラフト社)に作られた結構古い作品で、難解なゲームとしても有名でした。その頃はPCの普及率もそれほどありませんし、元々PCゲームで遊んでいたのはかなり限定された層でした。スタークラフト社の移植版は、15,000円近くする高額なソフトでしたし、ログインなどで海外RPG情報なんてやってましたので、それらの人達はUltimaの難解さも承知の上で遊んでいたのだと思います。恐怖のエクソダスの方は、RPG人気が白熱していた時に、ドラクエ風の画面と一般受けするパッケージで登場しましたので、普通だったらまずUltimaでは遊ばないだろう子供達まで手に取ることになったのでしょう。

このゲーム宿屋がありません。体力の回復は、食料を消費して時間による自然回復で行われます。レベルアップしても数値は自動的には上がらず、王様に話しかけることで行われます。その王様にレベルアップしてもらうには、ダンジョン内にあるおうのしるしが必要で、それもHP(体力)のみしか上げてもらえません。他のステータスを上げるには、海賊より船を奪ってアンブロシアという大陸に行き、それぞれのステータスに対応した4つの神殿でお金を払って上げてもらう必要があります。またレベルを上げると敵が強くなり、食料の消費も激しくなるというシステムなので、最初からレベルを上げすぎると難易度が高くなってしまいます。戦闘でも逃げることができず(これは原作AppleⅡ版に忠実、日本のPC版では可能)、逃げるためにはアイテムが必要だったりします。おまけに最強の装備は、場所さえ知っていれば最初から幾つでも手に入るという仕様になっています。このように何から何まで、当時の日本のRPGの常識とは異なっていました。

このような感じでドラクエ風のRPGを期待していた層からは○○ゲーとして、オリジナルのPC版Ultima IIIを期待していた層からは、イメージが違いすぎると不評を買ってしまいました。ただそれでも多くの人たちにUltimaを体験できる機会を与えてくれたことは確かでしたし、白熱していたRPG人気というバブル、FC人気のバブルという、楽しいお祭りの時間のひとコマだったのだと思います。

参考:Wiki ウルテイマ、クソゲーまとめ@ウィキ、1st.AAA~やればできるゲームたち~、ウルティマ攻略:Ultimate Warrior!
遊んでみたら、けっこう難しいゲームで、途中で投げてしまった覚えがあります。「やっぱり海外ゲームは難しいんだなあ」と思いましたね。:)
私もFC版でやりましたが、途中までで投げました。FC版の攻略サイトなどみると難し過ぎるため、かなり変則的なやり方で解かれているようです。
ttp://metal.the-ninja.jp/index.html
こちらでは、PC版の攻略をされてますが、PC版の方もかなり変則的ですね。UltimaⅡなんて、まともにやっていたらとても解けなそうです。
今だと1~8まで入ったUltimaコレクションが、EAベストで2,980円ほどで出てますので、改めて遊んでみられても楽しいかも。
初代メガテンは投げましたが、こっちは小学生のときクリアしました。
なれてくると隣の町に宝箱が大量にあって、それをあさりにいくゲームになってしまいます。
FC版ウルティマは、アンブロシア大陸にいって能力値を上げるところまではやりましたが、あんまりつらいんで投げてしまいました。
メガテンは、初代は最初だけ、PS版のみ途中までやったかな。こちらもなんだかつらいゲームでした。