

FLモビルスーツガンダム(FL機動戦士ガンダム)は、バンダイより1982年12月に発売された電子ゲーム。最後の蛍光表示管ゲームであるスペースハリケーンが1985年8月ですから、バンダイの電子ゲームとしては、中期の頃のものになると思います。

FLモビルスーツガンダムが発売された同じ年の3月に劇場版第三作目の機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙篇が公開されており、ガンダムブーム、電子ゲームのピークとも相まって、FLゲームとしては最も売れたものとなりました。

ステージは5ステージ、宇宙空間での①ガンダムVSザク。

②ガンダムVSエルメス。

③大流星群突破。

④敵地侵入突破(ソロモン攻略)

⑤ガンダムVSジオング(ア・バオア・クー)
ゲームは、全5ステージのシューティングゲームとなっており、キャラの重ね合わせのできないFL機としては珍しくスクロールタイプになっています。スタートボタンを押さずにいるとデモが始まり、ゲーム開始時にはガンダムのOPメロディが鳴り響きます。ステージ構成よりわかるように、劇場版第3作目『めぐりあい宇宙篇』をゲーム化したものだということになります。これ以外にゲームレベル1、2の選択とゲーム音のON、OFFが切り替えできるスイッチが付いています。この時期(82)のものとしては、非常に豪華で凝っていて、(8500円とかなり高価であったにもかかわらず)これが最も売れたFL機というのもわかるような気がします。

上の写真は、パッケージに書かれたイラストなのですが、現在のものと比べていかにも(アニメ)玩具的なのがいい味をだしてます。TV放映終了後、高学年の児童に支持されてガンダム人気が盛り上がっていったたとはいえ、この頃まではまだガンダムが子供のものだったということがわかります。またイラストのウェザリング(汚し塗装)が、銀を塗ることによって塗装が剥げ落ちた感じを表現したものになっていますが、これはこの当時のガンプラでよく使われていた表現でした。

今ではよりリアルに仕上げるため、ボカシや汚しマーキングなど様々な技法が使われているようで、このようなイラストは(ガンプラが流行っていた)この当時ならではものという気がします。この当時の電子ゲームは、ゲーム自体の表現能力はたいしたことありませんので、箱絵や箱裏の解説、説明書などを読んで、(想像により)その世界観を広げていったものでした。そのような時間も、また楽しいものでした。この当時人気だったプラモ狂四郎を読んでイメージを膨らませ、プラモ狂四郎の世界観を体験できたような気になっていました。

脳内補完によって、このようなバトルが繰り広げられていた。

本体は、この頃のバンダイFL機と共通のフォーマット。アーケード筐体を思わせるデザインがイカス。操作部。ジョイスティック風のレバーは、クレクラやぱっくりモンスターなどからの流用でしょうか。このレバー、この手のタイプのものとしては、異例に操作性は良好。ガンダムが書かれた筐体が、かっこよくもあるし、子供の玩具っぽくもある。

写真上は、箱裏に描かれたゲーム画面の説明写真ですが、蛍光管の配置パターンがよくわかります。一つのブロック内にザク、弾、(エルメスの)ビット、枠(小惑星、基地壁)が配置され、両端にそれぞれガンダム、エルメス、ジオングが配されています。たったこれだけの表示で、スクロールを表現し、5ステージを表現しているわけです。1ブロック内に、ミサイル、防護壁、UFOなど、6種類にも及ぶキャラを詰め込んでスクロールや5ステージを表現する方法は、これに先駆けて発売されたトミーのスクランブル(82)でも実現されていました。このFLガンダムは、それの応用型といった感じです。80年代当時は、ナムコなどビデオゲームのドット絵の職人技が注目されましたが、これらの蛍光管の配置パターンにも芸術的なものがあります。キャラクター使用のゲームは、(キャラの人気に頼ってしまうためなのか)普通はそれほどできがよくないものが多いのですが、これはキャラものとしては異例によくできていたと思います。

当時の8ビットPCから、液晶、現在のゲーム機に至るまで、ガンダムゲームというのは数限りなく発売されています。そんな中でも、これは原点としてガンダム好きな方には抑えておきたい一品だと思います。※ガンダムゲームの歴史は、こちらで詳しく紹介されています。これお店で見かけることはまれだと思いますが、売れただけあってオークションにはよく出ているようです。値段も3,000円~箱説付きで5,000円程度とわりと手に入れやすいみたいです。写真に一緒に写っているのは、300円の初代ガンプラ。こちらは、時折再販されていますので、現在でも容易に手に入れることができます。

ちなみにバンダイ最後の蛍光表示管ゲームスペースハリケーンは、このゲームのキャラ替え版。全盛期の栄光よもう一度ということだったのか、あるいは有終の美を飾るゲームとして相応しいという判断だったのでしょうか。
※2008年1月1日の記事を修正して再構成。
参考:帰ってきた電子ゲーム
FLガンダムは、やはりいいですね。ファーストガンダム直撃世代にとっては、忘れられない品です。
本年もよろしくお願いします。
たしかに このFLガンダムのパッケージは
かっこよかったですよねえ。私の中でのガンダムは
いまだに あの当時のイメージなんです。
当時ガンプラは何体か作りましたが、
ウェザリングというのは今回初めて知りました。
この頃の海外製TVゲーム、アーケード、8ビットPC
ゲームなど、(黎明期ならではなのかもしれませんが)
何か新しいことが始まる!という驚きと期待に満ちて
いました。性能や表現力は大したことないのに不思議
と、ぜひ体験したいと思わせる力を持っていました。
loderunさんも書いておられる『ビデオゲーム』は、
これからどこへゆくのかの答えはここいらに隠されて
いるのかもしれません。温故知新ってやつですね。
今はウェザリングの技法は、ぼかしを入れたり
汚したり、穴を開けたりと高度になっているよう
です。他には墨いれとマーキングがはやってますね。
この当時は、銀の塗装で塗装のはがれを表現する
程度だったですから、今見ると結構新鮮です。
正月は、また○○倉庫めぐりでもしたいです。
>正月は、また○○倉庫めぐりでもしたいです。
私も年中していたりして・・・
以外にレトロもんに良くめぐり合います。
珍しいものを見つけたときは
うれしい反面、やっぱり高価なものも多く、
金銭的にキツイです。しかも高いくせに
ジャンク扱いだったり・・・。
もうひとつの悩みが収納場所。
そろそろ自分の部屋が 丸々倉庫 に
なってしまいそうです(汗)
電子ゲーム回収の旅でもしようかと
思っていたのですが、雪で凍結のため
断念して引き返してしまいました。
また私も車を変えたため、車と日々の記録
用のブログでも作ろうかと考えてます。
FLガンダム、流行りましたねー。
シャアザクが大量に出現する凄いゲームでした(笑)
近所の子が買ったのを、良く遊ばせてもらってましたよ。
当時は近所の子供で集まって、別のゲーム買って
皆でまわして遊ぶのが基本でしたからね。
ガンダムゲームの歴史のリンク先には、私が昔運営してた
HPの名残が(;´Д`)
液晶機が安くなったブーム爛熟期には、
貸したり借りたり、売ってもらったり
交換したりと、どれが誰のものだか
わからなくなっていましたね。誰かに
貸したまま行方不明とか。
>私が昔運営してたHPの名残が(;´Д`)
私が数年前に気付いた時には、すでに
見れませんでした。見たかったですねえ。