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べーしっ君 四コマアニメDVD・アスキー/ネオプレックス・エンジン

2017-01-31 01:31:17 | 映画・DVD・CD

 べーしっ君は、アスキー発行のPC誌、ログインに1984年より連載が開始され、MSXマガジンやファミコン通信にも連載されていた荒井清和氏の四コマ漫画。最近になって復刻版やグッズ等が発売されるなど、再注目を集めている。こちらは、2003年にたのみこむの企画で受注生産が決定して発売された、べーしっ君をOVA化したべーしっ君 四コマアニメDVD①


 物語は、マイコンに興味を持つ中学生の目森べーしっとその父の目森二五六(みごろ)、姉の目森エリア、友人(ライバル)の近藤ましんご臣、ガールフレンドの可愛ろり子などを中心とした、80年代当時のPCネタ、ファミコンネタ、ゲームライフを描いている。巨人の星をパロディにした漫画で、シュールなネタや駄洒落、意味のない擬音など、脱力系の落ちが多かった。そのちょっと斜め上を向いたような作風が、当時のログイン誌をはじめとするアスキーの雑誌のノリにあっていたと思います。


 DVD版のほうは、べーしっ君の四コマ漫画を30本収録している。アニメ化、OVA化とはいっても、フルカラーでべーしっ君が動くというようなものではなく、四コマ漫画そのままの画像に、エフェクトで動きやせりふを表示しているといったもの。注文数300本ほどで生産が決定されたようで、アニメスタジオが製作した本格的なものというよりは、PCで製作したといった感じ。ちなみに①とナンバーは付いているが、これのみで完結している。声優の加藤精三氏がお亡くなりになった今となっては、二度と実現しない企画なので、そういった意味でも永久保存版となっている。


 このOVAの一番の売りは、べーしっ君に古谷徹氏、べーしっ君の父に加藤精三氏と、巨人の星親子コンビを起用している点。べーしっ君は巨人の星のパロディという側面をもっているので、これが実現しなかったら、このOVAの価値が半減していたかも。古谷氏がよく引き受けてくれたなという感じもしますが、古谷氏はMSXマガジン誌のインタビューにて、MSXユーザーだったことを明かしており、PCマニアでもあるため、べーしっ君をやることにも、特に違和感はなかったのかも。すぽーんとかすぽぽぽーんなど、べーしっ君独特の擬音も、古谷氏がセリフで再現してくれています。もうひとつの売りは、本編より長い作者の荒井清和氏のインタビューが収められていること。


 当時、PCは最先端のホビーであったし、日本のビルゲイツとも言われた西和彦氏率いるアスキーも最先端の会社であった。最新ゲームの紹介記事や技術的な記事を読み漁った後に、箸休めのような存在として読者コーナーに掲載されるべーしっ君やのんきな父さんを楽しみにしていた。べーしっ君には、アスキー編集部を舞台とした楽屋落ちのような話も多いため、当時の雰囲気を今に良く伝えてくるように思います。


 タオルやTシャツなど、べーしっ君のグッズも発売されているけれど、これも一種のファングッズとでもいうべきものといえるでしょう。当時もののアスキーコミックの単行本はプチプレミアが付いているし、べーしっ君 完全復刻版も1,700円ほどと高めなので、何より中古で1円くらいから入手できるという価格が嬉しい。ログインやMSXマガジン、80年代のファミ通などを読んでいた人にお勧め。

参考:Wiki べーしっ君の項、MSXマガジン永久保存版、蘇るPC-9801伝説、それは悲しいくらいのピンク色だった/べーしっ君擬音集


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