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80年代Cafe

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ブレードランナー(82/米)・AKIRA(88/日)

2007-03-17 21:10:18 | 映画・DVD・CD

 『ブレードランナー』(原題Blade Runner)は、1982年に公開されたアメリカ映画です。近未来のロサンゼルスを舞台にしたSF映画で、80年代に起こったサイバーパンクと呼ばれたムーブメントのイメージを、一般的に広めた作品であると言われています。主演は、ハリソン.フォード、監督は、『エイリアン』で注目を集めたリドリー.スコット。原作はフィリップ.K.ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』。 『AKIRA』は、1988年公開の日本製アニメ映画です。原作・脚本・監督は、漫画家の大友克洋。ヤングマガジン誌上に連載もされていました。日本のアニメ映画が、海外で認知されるようになったきっかけの1つを作った映画です。これらの作品は、80年代(80年代っぽさ)を語る上では、避けて通れないものの1つだと思います。また右端は、これら2作品のルーツともいえる、近未来SF映画の古典『メトロポリス』(26)


 ブレードランナーは、近未来のロサンゼルスに、過酷な環境にも耐えられる開拓用の人造人間、レプリカントが逃走して来たことから始まります。レプリカントに対処するための特殊捜査員(ブレードランナー)に命令がくだり、人間社会に紛れ込んで暮らしている彼らを追うこととなります。この映画少し難解な部分もあって、当時単純なSF娯楽映画を期待して見に行った観客には、理解されなかったようです。しかしビデオなどの普及にともなってじわじわとファンを増やし、80年代にはカルトムービーであったものが、今では近未来SF映画の金字塔と認識されるほどになりました。公開当初の、一般の観客にもわかりやすい編集を施した『劇場版』、後に人気が高まったことを受けて監督自ら編集した『ディレクターズ・カット版』、『最終版』など様々なバージョンがあることでも知られています。


 近年では、ファンの間で解析も行なわれ、解説本も出版されていますので、それほどでもないのですが、ぱっと見ただけではストーリー的に難解で、何が言いたいのか理解しずらい部分があります。娯楽作品として、見ただけでスカッとするようなタイプの映画ではないのですね。それよりも、終末感とアジアンテイスト漂う雑多な近未来のロサンゼルス描写の方が、その後の作品に与えた影響としては大きかったかも知れません。(美術として近未来のメカなどを担当したのは、工業デザイナーのシド.ミード)


 同じ時期に公開されたディストピア映画の古典、未来世紀ブラジル。


 リュックベッソンのCG近未来都市、フィフスエレメント


 最近のものとしては、『スターウォーズ・エピソードⅡ』でもCGを駆使した近未来都市(宇宙都市)描写がありました。最新技術を使って、様々なものが飛びかう近未来都市を縦横に駆け抜ける、前半の見せ場となっていました。あれを見た後に、あらためてブレードランナーの未来都市を見ると、あまり動くものも少なくて、ちょっと寂しく地味な感じもします。しかし映像美やイメージを喚起させるという意味ならば、圧倒的にこちらの方が上なんですね。ここで喚起され刺激されたイメージが、その後の映画に様々な形で現れる事となります。ブレードランナー - goo 映画


 その『ブレードランナー』に対する日本からの回答の1つが、『AKIRA』(88)だと言えるかもしれません。Wikiなどによれば、連載時期などから考えて直接の影響をどれだけ受けているのかは、微妙なようです。ただ80年代を覆った一つの“気分”を表現したものと考えるならば、同じ系譜にあるとしても良いと思います。物語は、近未来ロスが舞台だったブレードランナーに対して、こちらは2019年のネオ東京が舞台。反政府ゲリラや暴走族のグループなどが、跋扈する終末的な世界になっています。暴走族のリーダー『金田』と『鉄雄』、人体実験の結果超能力者となった『アキラ』を軸にしてストーリーが展開することとなります。こちらもブレードランナーと同じく、ストーリーが難解で簡単に理解する事は難しい映画です。日本アニメ最高の水準による、見事な近未来都市の描写とバイクでのスリリングな疾走シーンが、一番の見せ場でしょうか。


 ブレードランナー、AKIRAの元ネタとなった近未来ものの古典メトロポリス。

 80年代以降は、膨大な予算のかかる大作の特撮映画が全盛の時代になりました。特撮の場合、世界市場を相手にしたハリウッド製と比べて、主に国内でしか公開されない日本製娯楽作品というのは、どうしても見劣りしていたのですね。そういう時期に『AKIRA』や、宮崎監督の『ナウシカ』、『ラピュタ』は、登場してきました。これらは、アニメであれば十分世界に通用する娯楽作品が生み出せる、という事を予感させるのに十分な出来でした。『AKIRA』や宮崎作品が海外でも評価されたのをきっかけに、90年代以降日本製アニメ映画への認識が大きく変っていったのだと思います。(グレンダイザーやキャンディ・キャンディなど、子供向けとしてはもっと古くから評価され、認識されていましたが)AKIRA - goo 映画 


 それにしても、当時ブレードランナーやアキラを見ていて、近未来都市はああなるのだろうか、と創造を膨らませていましたが(どちらも2019年が舞台)、もう後10年ほどなんですね。日中でも薄暗くなるほどの酸性雨は降りそうもないし、車も空を飛びそうな気配がありませんね。というか80年代に作られた世紀末ものって、もう過ぎちゃったものも多いんですよね。リドリー監督は、日本を舞台とした『ブラック・レイン』(89)でも、現代大阪をスチームの噴出するサイバー都市にしてましたので、結局あれは氏の作風だったと言う事なのでしょうか。


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