80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

刻命館・テクモ

2014-11-15 12:23:54 | レトロゲームReview

 刻命館(こくめいかん)は、1996年にテクモより発売されたPlayStation用のシミュレーションゲーム。


 トラップシミュレーションゲームと銘打った、この時期としてはかなり斬新な新しいシステムを持ったゲームであり、影牢 〜刻命館 真章〜、蒼魔灯、影牢II -Dark illusion-、影牢 〜ダークサイド プリンセス〜などのたくさんの続編が作られるヒットシリーズとなった。この時期のプレイステーションでは、それまでにないゲーム性を持った実験的な作品が数多く作られており、ゲームにホラーやサスペンス性を持ち込んだクロックタワー(CLOCK TOWER/95年 SFC)や同年のバイオハザード(BIO HAZARD)などと並んで、ダークな雰囲気を醸し出した作品だった。


 こちらは、そのトラップシミュレーションシリーズの基礎となった第1作目。


 物語は、弟や側近の罠にはめられ失脚したゼメキア王国の第一王子が主人公。復讐を近い悪魔と契約を結んだ彼は、暗い森の中にひっそりと立つ刻命館という屋敷の主となる。封印された魔人の復活に向けて彼は、この館の中で罠を仕掛けて侵入者を捕獲する人間狩りを行なってゆく…。


 ゲームは、プレイヤーの主観視点で進行する。この時期、一般的になり始めたポリゴンを使用した3DのRPGにも近い。こちらは、元々のこの館の契約者アルデバラン。ゲームは、まずこの男をトラップにかけ屋敷をのっとることから始まる。


 チュートリアルや進行役を勤める、使い魔アスタルテ。魔人を復活するという目的のために主人公を導く。物語は、章仕立てになっており、選択肢により途中で分岐をするマルチシナリオになっている。この他にも兄を陥れたゼメキア王国の第二王子ユリアスや、ゼメキア王国に仕える大魔導士ザムールなど様々な登場人物の思惑が入り乱れて物語は進行する。


 これは、罠を仕掛けるための作戦モード。罠を仕掛けるにはMPを消費する。MPは人間を捕獲し魂を魔神に捧げることで回復できる。Warlという貨幣を使って屋敷の増改築も行なえる。つまり、ベースとなっているのは経営型シュミレーション。


 こちらが、本作の肝であるトラップ。侵入者を惑わすもの、ダメージを与えるもの、捕獲するものと様々なタイプがある。続編では、より多彩になった。


 壁から棘が飛び出して侵入者にダメージを与える罠。主観視点なので、侵入者の近くまで行きおびき寄せてから、スイッチを入れて罠を発動させる。タイミング重視のアクションゲームの要素も持っている。


 捕獲するタイプの罠。捕獲した敵は魔人にささげてMPにしたり、殺害して所持金を奪ったり、モンスター合成の材料にする。


 捕獲した侵入者を合成することにより、モンスターを生み出せる。強く威力の高いモンスターほど、様々な種類の人間が必要で物語の進行とは別に、侵入者捕獲のためだけのモードもある。


 主人公のいいなずけであるエンゼリオ帝国の王女フィアナ。主人公を慕って屋敷へと訪れる。物語の進行や選択しだいでは、主人公の手によりモンスターの材料とされてしまうえげつない展開もある。


 ということで、設定や物語はダークでえげつない感じなのですが、世界観がドラクエっぽいファンタジーの世界なので、そこまでダーティさはありません。刻命館も中世風というよりは、近代的な洋館だったりとちぐはぐな感じもあります。侵入者もアイテムを買えるトルネコっぽい商人が出てきたり、魔女っ子だの、宇宙人だのとなんでもあり。ホラー調なのだけど、なんでもありのごった煮さがこのゲームの本質かもしれません。刻命館というネーミングから連想するのは、やっぱりあの一刻館だったりしますし。


 ということで、当時としては斬新なゲームデザインでしたが、最も近いものを探すならやはりこれ。エレクトロニック・アーツ・スクウェアより発売された、異色のリアルタイムダンジョン設営シミュレーションゲーム、ダンジョンキーパー(Dungeon Keeper)。ダンジョンの主となって、ダンジョンを訪れる勇者をトラップで撃退します。ちなみに発売は、1997年とこちらが後。


 世界観や空気感が似ているのは、嵐の中訪れた亡霊や悪魔、狂信者のうごめく洋館を攻略するゲームブック地獄の館。


 こちらは、プレイヤーがモンスター側という逆転の発想で構成された異色の作品であるゲームブック、モンスター誕生。


 プレイヤーがモンスター側の主という逆転の発想としては、かなり古いウィザードリィシナリオ4。このような善悪の逆転ものは、伝説の勇者ではできないプレイを可能にしてくれるという意味でも新鮮でした。新めのものとしては、悪代官となって水戸黄門などを撃退する悪代官というシリーズもある。これも、これらの刻命館の系統に属するものだと思います。


 ということで、世界観、ゲーム性と共に斬新であったテクモの刻命館(こくめいかん)でした。

参考:Wiki 刻命館、刻命館シリーズの罠一覧、クロックタワー、ダンジョンキーパーの項

SIMPLEキャラクター2000シリーズVol.17 戦闘メカザブングル THE レースインアクション・バンダイ

2014-10-11 00:24:45 | レトロゲームReview

 これは、2003年にプレイステーション用ソフトとして発売されたSIMPLEキャラクター2000シリーズVol.17 戦闘メカザブングル THE レースインアクション


 プレイステーションの中期頃から、SIMPLEシリーズと銘打ってコストを抑えて開発された廉価なシリーズが登場してきました。これは、その開発元のディースリー・パブリッシャーがバンダイと組んで共同開発した、キャラクターものを使用したシリーズの内の一つ。元ネタの戦闘メカザブングルは、ガンダムの監督を務めた富野由悠季氏の作品で、1982年~83年にかけてテレビ朝日系で放送されていたロボットアニメ。放送当時は、ガンプラのブーム期でプラモデルがそこそこ出ていたのですが、ゲームではツクダオリジナルからシミュレーションのボードゲームが数種と、それを基にしたPCゲームが発売されていた程度で、(マイナーでもないですが)必ずしも知名度が高いとはいいがたい作品でした。それが、2003年という20年以上経過した時期に何の前触れもなく突如としてゲーム化されて登場しました。


 2,000円のSIMPLEシリーズとは思えない、かっこよさ。ただし、説明書は小冊子ではなく8つ折の一枚もの。


 THE レースインアクションのタイトル通り、ロボットを使用したレースを題材とした変り種。


 画面はこのような感じ。横から見た視点でロボット(ウォーカーマシン)がひたすら走ってレースをするという内容。しかも、途中からコースを折り返してスタート地点まで戻ってくるという、製作上のコストを極限まで抑えた作りとなっている。別にザブングルではなく、エアーカーでも戦車でも何でもいいと思えますが、ウォーカーマシンを使った意味として、それぞれ固有の武器が使用でき競争相手の妨害ができるようになっている。画面下には、キャラのコメントが入るが、当然ボイスは無い。


 第一の主役機ザブングルと途中から主役機を交代したウォーカーギャリア。この2台は、設定どおりちゃんと変形、合体できるようになっている。変形することによるレース上でのメリットは、かえってタイムロスするくらいで特にありません。


 物語内に登場したウォーカーギャリアが選択できる。このゲームの一番の売りとしては、好みのウォーカーマシンを自分で操縦して、ガチャガチャと好きなだけ走り回れるところ。残念ながら、ウォーカーマシンで対戦する機能は付いていない。


 そのためただひたすら画面の右方向を目指して走り、途中で折り返して同じコースを今度は左方向へと走るという、ものすごく単純なゲーム。廉価なのが売りのシリーズなので、開発費をかけずして製作したという感じの作品。そのため、ファミ通のレビューで通常ではありえない2点を獲得したという伝説が生まれた。


 ザブングルに何の思い入れもない人にとっては、すぐ飽きちゃって2点も止む無しという感想になるかと思いますが、ザブングルが好きだったファン層に対しては、アピールポイントを抑えたえらくニッチなすき間を狙っている。ザブングル好きなら好みのウォーカーマシンに乗って、ミサイルやマシンガンを好きなだけぶっ放せるなど、これもありかと思います。何気に串田アキラ氏の歌うオープニングが収めてあるのもポイントが高い。


 ウォーカーマシンの性能差(空が飛べたり)や機体の重量などで、コース取りも変わってくる。ゲーム性には、あまり関与してない気もしますが。F-ZEROのような緻密なライン取りでベストラップを刻むとかもなく、結構運任せで大雑把なゲーム性。


 なぜ2003年のあの時期にザブングルなのかという疑問は残りますが、このシリーズガンバの冒険のパズルだとか、一休さんのクイズだとか、釣りキチ三平のフィッシング・アドベンチャーだとか、奇面組のテーブルホッケーだとか激渋なチョイス。魁!!男塾のドッジボールとか、それくにお君じゃ・・・。


 2005年にザブングルが超合金魂化された時に前後して、再生産された当時ものの1/144スケールのプラモデル。世界観を想像させるボックスアートが素晴らしい。


 このゲーム、このような世界観をゲーム化した作品といえるでしょうか。


 夕日にたたずむ、ウォーカーマシン。今の技術だったらこの箱絵そのままのレベルで3Dポリゴン化された、対戦ゲームが作れそうですな。


 2005年に突如として超合金魂化されたザブングル。ウォーカーギャリア、アイアンギアーと魂化されました。当時ものとしては、クローバー製の子供向けの超合金があった。この魂版では、結構複雑なザブングルの変形をほぼ再現した、ザブングル玩具としては究極の出来だった。


 超時空要塞マクロスのマクロスに該当する、大型母艦アイアンギアー。ロボットへの完全変形が出来る上に、ミニウォーカーマシンがいっぱい付いていて基地遊びができる。クローバー製のアイアンギアーは、今では5万円~程度のプレミアが付いています。


 これも同時期に発売された公式設定資料集。この頃は、ザブングル玩具のリバイバルラッシュで、ザブングルのプチ・バブルだったのですね。


 リアルタイムでは、ちょうど劇場版ガンダムが公開されて大変なガンダムブームの真っ最中で、ガンプラが手に入らないため、放送中だったザブングルのプラモを買っていました。このTHE レースインアクション、タイトーのフロントラインみたいに地上を歩き回ってウォーカーマシンに乗り込め、他のウォーカーマシンと戦える仕様だったら、もう少し魅力度も大きかったと思うのですが、2003年のこの時期にニッチな層にしか受けないザブングルのゲームにそんなにコストもかけられないでしょうしねえ。


 ということで、現在でも500円程度で入手できるわりには、見所満載のSIMPLEキャラクター2000シリーズVol.17 戦闘メカザブングル THE レースインアクションでした。



参考:Wiki 戦闘メカザブングル、SIMPLEシリーズの項、SIMPLEキャラクター2000シリーズ公式サイト、ニコニコ動画

ジャンピングフラッシュ!アロハ男爵ファンキー大作戦の巻・ソニーコンピュータエンターテイメント

2014-08-08 16:13:06 | レトロゲームReview

 ジャンピングフラッシュ! (Jumping Flash!) アロハ男爵ファンキー大作戦の巻は、1995年にソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたアクション型のシューティングゲーム。


 プレイステーション1が登場したときに売りであった、ポリゴンによる3Dの空間の魅力を最大限に活用した一本。プレイステーションの初期には、このゲームの登場キャラがマスコットとなっていたこともあった。元となったのは、94年にエグザクト社がX68000で発売したジオグラフシールという3Dのゲームで、これにウゴウゴルーガなどのキャラクターデザインを手掛けていたムームーがキャラデザインを担当した。3作目まで続編が作られており、ポケットステーション用にポケットムームーという作品も出ていた。


 ステージは全6ワールドで構成され、それぞれに3つのステージがある。ポリゴンにより構成されたステージ内を飛び回り、ニンジンの形をしたジェットポッドと呼ばれるクリアアイテムを回収してゆく。各ワールドの最後はボス戦となり、ボスを倒すと次のワールドへと移行できるというのが、ゲームの大まかな流れ。


 プレイステーション初期に、ポリゴンの空間を使った新しいゲーム感覚を強調していて、飛びゲーと謳われている。プレイステーションの性能をデモンストレーションする意味合いもあったのかと思います。


 キャラのデザイン、世界観もポップ。今の時代だとゆるキャラといわれるであろうデザイン。


 SCEとしても力が入っていたのか、おまけとしてシールが付いています。ムームーの森川幸人氏による、がんばれ森川君2号にも付いていた。


 そこそこ人気はあったと思うが、プレステ後期になるとマスコットとしての役割は終わった感じだった。それまでゲームをしなかったライトな層を取り込むため、非ゲーム的で実験的なゲームが数多く発売されたプレステ初期を彩る作品の一つ。


 画面は、ロビットという乗り物のコックピットからの視点になる。最も特徴的だったのが、このロビットはジャンプをすると自動的に下を向くようになっている点。高いところに上って背筋がゾクゾクする、高所恐怖症のような感覚をゲームに取り入れてある。最初のステージだと近所の公園みたいなノリで建築物も高いものは無いが、後になると遊園地やピラミッド、宇宙など、どんどん高いところに上がる必要が出てくる。


 ロビットと呼ばれる自機。宇宙市役所苦情処理係「惑星相談所」が所有する万能害虫駆除マシーンという設定で、ジャンプをして踏みつけることが攻撃の一手段にもなっている。コックピットからの主観的な視点でゲームが進むため、ゲーム中に姿を見ることのできる機会は多くない。ジャンプボタンを続けて押すことで、3段階までジャンプでき、パワーアップすることで最高6段階までできるようになる。後ろにくっ付いているのは、アロハ男爵の手下ムームー星人。


 ムームー星人を従えて、巨大クラゲ型ロボット・クラゲラーGを操っている敵の首領アロハ男爵。悪の科学者という設定。デモシーンなどに登場する。


 にんじん型の回復アイテムや時を止めるかちんこ時計など、補助アイテム。


 攻撃がパワーアップする補助兵器。花火系統のものが多い。


 テクスチャーも張っておらず、つるんとした初期のポリゴンを逆手に取った敵キャラたち。すごく適当というか、やる気がなくなるようなゆるキャラぶり。


 このゲームのデザインや世界観を担当したムームーの森川さんは、この後AI(人工知能)をゲームに取り入れた、がんばれ森川君2号やアストロノーカなどを発表しています。プレイステーション1の時期は、このような実験的な作品が数多く作られていて、音楽CDのような感覚でゲームが買え、ゲームの裾野が広がった時期でもあったので、個人的にはファミコンの全盛期に匹敵するくらい楽しい時期だった。


 ということで、プレイステーション1初期の頃の隠れた名作ジャンピングフラッシュ! (Jumping Flash!) アロハ男爵ファンキー大作戦の巻でした。



参考:Wiki ジャンピングフラッシュ、がんばれ森川君2号の項、ジャンピングフラッシュ取扱説明書/SCE、株式会社ムームーHP、ほぼ日刊イトイ新聞

トゥルーラブストーリー True Love Story・ビッツラボラトリー/アスキー

2014-07-29 00:23:31 | レトロゲームReview

 トゥルーラブストーリー True Love Storyは、1996年にアスキーより発売されたプレイステーション用ゲーム。いわゆる恋愛ゲームだが、育成要素はなくジャンルとしてはシミュレーション+AVG。


 プレイステーションやセガサターンでときめきメモリアルが大ヒットしたのを受けて、この頃に急速にジャンルとして成立した恋愛ゲームのひとつ。それまでにも、ギャルゲーというジャンルはあったが、ゲーム性としてはアダルト寄りの内容のものが多かった。変り種としては、エニックスが85年にTOKYOナンパストリートという作品で女性を口説く要素をゲームに取り入れていたが、こちらも恋愛の要素は無かった。92年にアダルトゲームながらストーリー性を持った同級生が発売され、94年にPC-エンジンで発売されたときめきメモリアルでは、学園生活を送りながら女の子と仲良くなっていく過程をゲームとして抽出し、ひとつの新しいジャンルを切開くことに成功した。ときメモの大ヒットを受け、雨後の筍のごとく恋愛要素を持ったゲームが発売されるようになり、その頃に老舗のアスキーより発売された作品。


 プレイステーション1の時期は、それまでゲームをしなかったライトな層を取り込もうということで、それまでのゲームという枠組みを超えた実験的なゲームが数多く発売された。元はアダルトから発達してきたこのジャンルのゲームも、この時期に急速に一般的なものとなった。


 古くはMSXというPCの統一規格をやり、ファミ通という看板を持っていたアスキーのものなので、やはり他社の物とは一線を隔した出来だった。


 ときメモでは、3年間という時間をかけて自分自身のパラメーターを上げ、擬似的な学園生活をおくるというシミュレーションだったが、こちらは転校までの一ヶ月間。プレイヤーは、青空高校2年生の男子生徒となり、転校までの1ヶ月間に彼女を作ることが目的となる。


 当然、パラメーターを上げる時間はないので、育成の要素はなし。学園内をうろついてお目当ての子と出会い、親密度や好感度を上げるという流れ。同級生や同級生2のようにストーリを追っていくタイプのアドベンチャーではなく、断片的なイベント(物語)が繋ぎ合わさって一つの物語が成立するという形になっている。


 ときメモのように優等生から幼馴染、文学好き、芸術家タイプ、スポーツ好き、下級生など一通りのキャラが揃う。学校という限られた狭い範囲が舞台で、休み時間、昼休み、放課後、寄り道と一日4回しか行動が選択できないので、難易度は低くかなりライトな作り。一ヶ月という短い期間なので、春夏秋冬の4つの季節が選択できる。


 本作最大の特徴が、下校会話モード。ここは、リアルタイムのシミュレーションという作りになっている。帰宅するまでの道のりにおいて、リアルタイムで会話のネタを選択して、好感度を上げる。キャラには、ときめきゲージとドキドキハートという2つのパラメーターがあり、事を急ぐあまりドキドキさせすぎても逃げられてしまう。もちろん盛り上がらないと、逆にしらけられてしまう。ドキドキさせすぎないように、しらけすぎないように会話を維持し、ときめきゲージを上げなければならない。


 ゲームショップの棚に、恋愛・育成シュミレーションなどという新たなジャンルを生みだすほどの影響を誇ったコナミのときめきメモリアル。元は、94年にPCエンジンSUPER CD-ROM2用として、PC-エンジン末期の目立たない作品として発売され、95年にプレイステーション、セガサターンに移植されたことで大ヒット商品となった。元々は恋愛ゲームでなく、学園生活を疑似体験するゲームとして企画された。実は、ゲーム性としてもよく出来ている。恋愛ゲーム界のドラクエ。


 それぞれのキャラごとに好感度と物語性を持つシナリオを持たせたことで、ヒット作となった同級生2。元はアダルトのアドベンチャーゲームだったが、アダルト要素を取り除いてプレイステーション、セガサターン、果てはSFCにまで移植されたほどヒットした。1作目の同級生は、TOKYOナンパストリートと同じようにナンパをする行為をゲーム化したものとして企画されたが、キャラごとにバックボーンとなる背景(物語)を付けた事により、恋愛ゲームの元祖となった。


 同級生、同級生2の続編といえる下級生。システム的には、同級生2と大体同じようなもので、こちらも元はアダルトゲームだった。


 今となっては、この作品の最大のトピックは、女優の仲間由紀恵さんが主題歌を歌い、CMにも出演していたこと。ドラマデビューして2年目だったみたいです。ゲームの主題歌としてゲームの内容に沿って作られた歌詞ですが、仲間さんも沖縄から出てきたばかりの頃なので、一般的な別れの歌として聞いてみても良い曲。この頃は、沖縄出身のタレントが流行ってましたので、そんな中の1人だと思っていましたが、ここまでの大物女優になるとは・・・。


 ということで、大ヒットしたときメモと比べても、一ヶ月という短い期間なので、気軽に遊べることも特徴でした。登場するキャラもあっさりめで、とことんライトに仕上がった佳作だったと思います。それにしても、ここに紹介する作品としては新しめですが、もう18年も昔のゲームなんですね。

参考:Wiki トゥルーラブストーリー True Love Story、ときめきメモリアル、同級生、同級生2、恋愛ゲーム、仲間由紀恵の項

ダンジョンキーパー プレミアム&ダンジョンキーパー2・エレクトロニック・アーツ株式会社

2014-02-19 22:39:44 | レトロゲームReview

 これは、1997年にエレクトロニック・アーツ株式会社より発売されたダンジョンキーパー(Dungeon Keeper) プレミアム


 RPGではお馴染みの舞台であるダンジョンを、魔王の側から運営するという逆転の発想が斬新だったシミュレーションゲーム。プレイヤーは、悪の側であるダンジョンキーパーとなって、勇者の訪れるダンジョンのモンスターの雇用から設備や罠の開発と設置、資金面を含めた運用管理まで行うというもの。開発は、ポピュラス、テーマパークシリーズで有名なピーター・モリニュー氏の率いたブルフロッグ(Bullfrog)社。


 悪の側に立ってダンジョンの設営を行ない勇者を罠にはめるというのは、今ではわりとありふれた発想のものとなりましたが、これが出た当時は他に類を見ない斬新なものでした。現在あるタワーディフェンス系のシミュレーションゲームの源流といってよいかと思います。ピーター・モリニュー氏のポピュラス、テーマパークシリーズは、コンシューマに移植されていましたが、これはWindowsパソコンのみと、その意味でも異色の作品でした。


 内容物。説明書、モンスターマニュアル、物語が書かれた冊子、セッティングマニュアルなど、昔のPCソフトはごてごてと入っていて無駄に豪華。


 ダンジョンキーパーのCDROM。Windows95専用とか書かれています。


 表紙が全て一緒なので紛らわしいですが、プレイヤーズマニュアル。ちなみにこのパッケージに書かれているのは、プレイヤーが召喚できる魔物中最強を誇るホーンドリーパー。このゲームの象徴的なキャラで、愛称はホーニー。このダークサイドテーマパークの○ッキー。


 マニュアル。ネットの攻略サイトを見ながらやりましたので、読んだ記憶は無い。


 クリーチャー調査報告書。プレイヤーが召喚できる十数種のモンスターと、同数のヒーロー側のクリーチャーが書かれたモンスターマニュアル。


 EVIL IS GOOD。ダンジョンキーパーの物語。


 ゲームの舞台背景など物語が書かれた冊子。読んだことはありません。


 エレクトロニック・アーツ株式会社(この頃は、エレクトロニック・アーツ・ビクター)の97~98年のPCゲームのラインナップ広告。表紙がダンジョンキーパーになっていることから、この時期の一押しだったのでしょう。


 ゲームは、見下ろし型。神の視点より、ダンジョン内の設備、宝物庫、モンスターの寝床、鶏小屋、訓練室、工房、図書館、牢獄、拷問室、洗脳室、神殿などを設置し、モンスターを呼び込んで鍛えます。罠をモンスターに開発させてダンジョン内に仕掛け、ダンジョンに侵入してきた勇者を血祭りに上げてゆくのが基本的な流れ。


 魔王の塔より、支配地を眺める。攻略済みのマップは、荒廃して荒れ果ててゆく。


 ダンジョン内には、ダンジョンハートという核があり、これを勇者に破壊されるとゲームオーバー。また地下世界には勇者だけではなく、ライバルとなる他のキーパーも存在する。


 ホーニーに首をはねられた勇者側のナイト。モンスターはそれぞれが意思を持ち勝手に動いているので、キーパーが操作することはできない。


 ダンジョンキーパープレミアムは、日本のみで発売された拡張セット。より難易度の高い「ディーパーダンジョン」などが収められている。


 特に海外ではヒットしたため、拡張キットや追加シナリオなどがたくさん出ていた。


 続編であるダンジョンキーパー2。発売元や開発元は同じだが、残念ながらピーター・モリニュー氏は関わっていない。ダンジョン内やキャラクターがフルポリゴン化され、リニューアルされている。


 ホーニーと拷問好き(するのもされるのも好き)という複雑なキャラのミストレス(ダークミストレス)。


 よりキャラが生き生きと動くようにはなったが、こちらにはあまり拡張マップや追加シナリオ等は無かった模様。ゲームとしての奥深さは1が勝るか。


 カクカクのポリゴンにテクスチャーという構成ですが、現在のゲームにかなり近くなっている。ダンジョンキーパー3も開発予定だったようだが、今のところは出ていない。


 このような設定のゲームは、ダンジョンキーパー以降はある種の定番となったように思います。悪の秘密基地を運営するのが目的の設定的にかなり近いAZITO。


 プレイヤーがモンスター側を担当する逆転の発想としては、元祖とも言えるウィザードリィ4。


 ゲームブックにもありました。プレイヤーがモンスターとなって勇者と相対するモンスター誕生。


 プレイヤーが罠を仕掛ける側となって勇者を誘い込む、発想的には近い1996年にテクモより発売された刻命館。


 遊んだ感じとしては、ピーター・モリニュー氏の一連の作品、テーマパークシリーズなどに近い。コンシューマに移植されていないので、それらよりはもう少しダークな印象。最近の動向としては、2014年にスマートフォン用アプリ“ダンジョンキーパー”となって甦っているようです。結構根強い人気もあるようで、日本語版はアマゾンなどでは10,000円近いプレミアソフトとなっていたりもします。ダンジョンズ&ドラゴンズ、ダンジョンマスター、ディープダンジョンと、ダンジョン好きにはお勧め。


 ということで、ダークサイドテーマパーク、ダンジョンキーパー(Dungeon Keeper) プレミアムでした。


参考:Wiki ダンジョンキーパー、ピーター・モリニュー、エレクトロニック・アーツの項