2015年10月19日
秋らしい真っ青な空だね。雲ひとつないよ。爆音轟かせてヘリコプターが北西から南西の空に向って飛んでいく。自衛隊機だね?
UH-1H、米軍機がベトナムの空を飛び狂ってたのと同タイプのヘリコプターだよ。喧しい音だねって空を仰いで見送ってる。
機銃掃射がある訳でもないしロケット砲が飛び来る訳でもない。喧しい音をばら撒いて真っ青な空を独り占めして飛んでいくだけだね。
平和で爽やかな秋の空に感謝だね。視界の端で揺らいでる落葉樹の葉っぱが赤茶に枯れだしてるね。
足元に目をやると茶色に変色した早死にの枯葉が沢山落ちてる。
誰も見向きもしない。乾燥して踏まれて粉々に潰れて土くれになる。戦場で転がる死体も似たようなもんなんだろうね。
平和の中で見るから惨たらしい、惨たらしいばかりの中では、見むきさえしなくなる。当たり前の光景なんだろうね。
優雅な生活に在る者が、下々の世知辛い生活に心致さないのは、其の人たちが冷たいんではなくて環境がそうさせる向きがあるんだろうね。
上見て文句ばかり云う時は、そんな作用のありようを差し引いて考えるべきかも知れん。
この真っ青な空も、南国の青い空と比べたら月とスッポンほどに違うらしい。それぞれの空の下、何ごとも捉え方の尺度が異なるんだろうね。
自分の在りようの中で自分を見ているぶんには、これでいいと思ってるんだろうね。そういう自分の在りようを疑わなければそのままだね。
果たしてこれでいいのか、なんて考えると納得し難いところが顔を出す。
こう在るべきと道筋に忠実決め込んで此処まで来た。こう在るべきために我(が)を殺して生きて来た。
我のないオレが居るわけだね。オレは、何処へ行ったのかね? 「其処に居るやないか」 嘘っぱちのオレではないか?
ホントのオレは、昔ながらに認めてもらえない夢を追ってばかりいる。夢絵空の中で熱を噴いて現(うつつ)のオレに勢いを与えて支えてる。
現のオレは、自分を支えてくれる絵空のオレを殺してる。なんという奴だ。絵空のオレが可哀想。 「気付いたか?」と絵空のオレの声。
それでも絵空のオレは萎えることなく頑張って懲りずに支えてる。オレは、殺してはいけない奴を殺して生きてきたのかも知れないね。
とてつもないエネルギーの絵空のオレを殺し続けて来た現(うつつ)のオレもオソロシイ。「どういうこっちゃ?」 忠実一筋男だよ。
しかし、現のオレは、最近、疲れてきたようだ。なのに、絵空のオレは疲れ知らずで留まり知らず、現のオレを押しのける勢いで歳知らず。「ふむふむ」
そのうち、現のオレを殺して絵空で生きるオレが出張るのと違うか? なんてことを真面目に考えてるパソコンの前のおっさん。
「そうや、〇〇〇〇さんが若くて勢いがあるのは、夢を諦めずに追い続けるその姿勢やで、わたしは、そんなん好きやわあ」
「こじんまりと収まってる夫婦なんか見ると、それはそれでええねんけど、なんかしょぼいねん」 実際は、そんなのが幸せでっせ。
「せやけど、それで終わりやんか」 早目に終わりで気楽でんがあ。「よおう見てみい、墓場やでえ」 価値観の違いやろね。
「〇〇〇〇さん、見てたら、まだまだちゅう感じやろ、それがええねん」 ゴールが見えない過酷な人生、当人は、疲れ切ってますけど。
「〇〇〇〇さん見てたら元気が出るんよ。わたしも負けてられへんって」 そんなもんですかねえ?
でも、そう云って貰えると、こちらも勢い出ますよ、成るならぬは時の運、諦めずに夢を追いかけて道を拓こうか。「そやん、その活きやで」
引越しを考えていることを話すと「なんでやのんっ?」 社宅もそろそろ期限が来るし辞めた時点で嵩高い引越も鬱陶しいので
先発隊で奥さんと息子を先に行かそうと思ってんですよ。そのほうがオレも気が楽になる。「なるほどなあ、けど、〇〇〇〇さん居てないと寂しいなあ~」
まあ、期限が来るまで、気が続く限りは残って頑張りますわ。「わたし応援するわ」 奥さんは、ご主人を応援してあげなさい。「あんなん放っといたらええねん」
女の人も勝気な人は勢いがあんねえ。「おまえ、引越の話しをしたの?」 つい云っちゃった。内緒にしてても、実際になったら解ることだよ。
それも、スムーズに行ってくれたらの話しだからね。奥さんは、「そういう時期やけどな」って妥協ぎみの姿勢ではあるよ。
「別居かいな?」 望むとこやろ。「ああ、清々するわ、せやけど、こっちへも来るわ」 来んでもええ。「なんでやねんな?」 独りがいい。
生きる為の無我夢中も一区切り、独りになって自分を考えてみたい。人生一回こっきり、妥協で許せるか許せぬか、そこんところを考えてみたい。
誇り高き男が恥かきまくって生きて来た。誇り高き男が立つ瀬のない川を流されてきた。
もう一度、恥かきまくって道を拓く覚悟があるか、それを考えてみたいんだよ。しんどいねえ~。「考える前から答えが出ておるではないか?」
オレは、いつでもこれさ。背中が熱で湯気上げそうな思いに落ちても冗談飛ばして笑ってんだよ。心は羞恥の熱で湯でダコさ。