夫がいた頃、
わたしには未来があった。
名古屋の病院を退院するとき、
ドクターから
夫の余命は三ヶ月から半年、と言われた。
冬は決して越せない、と。
それでも、
夫と共に過ごしていた日々、
それは未来のことだった。
その
未来に怯えながらも
現実に
今という瞬間があり、
未来はその先にある時間だった。
今、
わたしには
未来という時間はない。
想像することができない。
期待することもない。
今という時間さえ
わたしとは無関係なところを
流れている
絶望も希望も
過去も未来も
それらは
人生を味わうことができるひとたちのものだ
なにも、ない。
わたしには未来があった。
名古屋の病院を退院するとき、
ドクターから
夫の余命は三ヶ月から半年、と言われた。
冬は決して越せない、と。
それでも、
夫と共に過ごしていた日々、
それは未来のことだった。
その
未来に怯えながらも
現実に
今という瞬間があり、
未来はその先にある時間だった。
今、
わたしには
未来という時間はない。
想像することができない。
期待することもない。
今という時間さえ
わたしとは無関係なところを
流れている
絶望も希望も
過去も未来も
それらは
人生を味わうことができるひとたちのものだ
なにも、ない。