とうとう
大晦日を迎えた
夫がいなくなって
4回目の大晦日
夫がいたころとはなにひとつ同じにできない
いつも夫がしてくれていた
仏壇の掃除は私がした。
いつも夫がしてくれていた
年末洗車は
車内も掃除機をかけ、拭き掃除をし
ワックスもかけてぴかぴかにしてくれたのだけれど
洗車すらできなかった。
洗車に使う山水も先日の大雪で止まったままだ。
いつも
この日には午前中に一緒に買い物に出かけていた。
今日は娘と二人で
町のスーパーに出かけた。
車を止めるところさえなかなか見つからないほどの混雑。
どこも家族連れで、
買い物かごいっぱいのごちそうを買い求める中で
わずかな品物と、
娘のためにお寿司を買った。
それも少人数用のものはほとんどなくて・・・
ほとんどが5人前だった。
おひとりさま用は皆無。
かろうじてあったのが
高級品の二人前。
二人前で五人前の安いものと大差はない値段。
仕方なく、隣のおばあさんと息子の分も含め5人前を購入。
その留守中に
夫の従弟がお参りに来てくれていた。
発病の前年、
夫よりはるかに若いその従弟の奥様が亡くなられた。
夫は二日間家に帰らないで
その葬儀の手伝いをした。
ちょうど連休で
我が家にはたくさんのお客様と
最期を迎えた老犬がいた。
もうお水すら自力で飲めない老犬に
口の横から注射器で水を流し込み
体をさすっていた。
本当はずっとそばにいたかったのだけれど
たくさんのお客様とともに
お通夜とお葬式にお参りし
たくさんのお客様の食事の支度もしなければならなかった。
お葬式を済ませ
お客様の夕食の支度をし
一通りお酌をした後
わたしだけ庭に出て犬の様子を見に行った。
それを待っていたかのように、
老犬は私に体をなでられたあと、息を引き取った。
せめて、その最後の瞬間にそばにいてやれてよかったと思った。
夫の姉は、
夫がいないなかで愛犬を見送らねばならなかった私を気遣い
犬の火葬にも付き合ってくださった。
まさか
その翌年、夫が発病するなど
だれも予感できなかったことだった。
従弟には一度もそのことは話したことはない。
夫はあのとき
従弟のために
自分にできることを力を尽くしてしようとしたのだ。
その気持ちがわかっているから
わたしはわたしの仕事を全うしようとしたにすぎない。
あのとき
本当は16年ともに過ごした犬のそばにいてやりたかった。
それでも
夫は従弟のそばにいたかったのだ、とわかっているから。
その翌年の連休は
夫は発病し、手術を受けて
一人で病院にいた。
その翌年の連休は
再発し、名古屋の病院にいた。
夫が元気だった最後の連休の思い出。
今は
夫が命をかけて守ってくれた娘を
わたしが守らなければならない、とそれだけを思っている。
そして
今も私を気遣ってくださるたくさんの方に感謝している。
大晦日を迎えた
夫がいなくなって
4回目の大晦日
夫がいたころとはなにひとつ同じにできない
いつも夫がしてくれていた
仏壇の掃除は私がした。
いつも夫がしてくれていた
年末洗車は
車内も掃除機をかけ、拭き掃除をし
ワックスもかけてぴかぴかにしてくれたのだけれど
洗車すらできなかった。
洗車に使う山水も先日の大雪で止まったままだ。
いつも
この日には午前中に一緒に買い物に出かけていた。
今日は娘と二人で
町のスーパーに出かけた。
車を止めるところさえなかなか見つからないほどの混雑。
どこも家族連れで、
買い物かごいっぱいのごちそうを買い求める中で
わずかな品物と、
娘のためにお寿司を買った。
それも少人数用のものはほとんどなくて・・・
ほとんどが5人前だった。
おひとりさま用は皆無。
かろうじてあったのが
高級品の二人前。
二人前で五人前の安いものと大差はない値段。
仕方なく、隣のおばあさんと息子の分も含め5人前を購入。
その留守中に
夫の従弟がお参りに来てくれていた。
発病の前年、
夫よりはるかに若いその従弟の奥様が亡くなられた。
夫は二日間家に帰らないで
その葬儀の手伝いをした。
ちょうど連休で
我が家にはたくさんのお客様と
最期を迎えた老犬がいた。
もうお水すら自力で飲めない老犬に
口の横から注射器で水を流し込み
体をさすっていた。
本当はずっとそばにいたかったのだけれど
たくさんのお客様とともに
お通夜とお葬式にお参りし
たくさんのお客様の食事の支度もしなければならなかった。
お葬式を済ませ
お客様の夕食の支度をし
一通りお酌をした後
わたしだけ庭に出て犬の様子を見に行った。
それを待っていたかのように、
老犬は私に体をなでられたあと、息を引き取った。
せめて、その最後の瞬間にそばにいてやれてよかったと思った。
夫の姉は、
夫がいないなかで愛犬を見送らねばならなかった私を気遣い
犬の火葬にも付き合ってくださった。
まさか
その翌年、夫が発病するなど
だれも予感できなかったことだった。
従弟には一度もそのことは話したことはない。
夫はあのとき
従弟のために
自分にできることを力を尽くしてしようとしたのだ。
その気持ちがわかっているから
わたしはわたしの仕事を全うしようとしたにすぎない。
あのとき
本当は16年ともに過ごした犬のそばにいてやりたかった。
それでも
夫は従弟のそばにいたかったのだ、とわかっているから。
その翌年の連休は
夫は発病し、手術を受けて
一人で病院にいた。
その翌年の連休は
再発し、名古屋の病院にいた。
夫が元気だった最後の連休の思い出。
今は
夫が命をかけて守ってくれた娘を
わたしが守らなければならない、とそれだけを思っている。
そして
今も私を気遣ってくださるたくさんの方に感謝している。