脳腫瘍の夫と共に

2010年4月グリオーマと診断された夫との手探りの日々…

コロナ禍で

2021-08-24 19:18:20 | 日記 2
当地でも拡大をしているコロナ感染症

幸い、田舎なので
自宅から車で出かければ
ほとんど人と接触しないで職場まで往復できる

公共交通機関を使わなければ
通勤も買い物もできない人たちの
不安を思う


免疫抑制剤を定期的に点滴している次男も
病弱な娘も
持病を抱える長男も
2回目のワクチン接種を無事に終えることができた
私は副反応で発熱したが
病弱なこどもたちの方が
副反応が少なくてほっとした


コロナ以外の病気で入院しても
面会すらできない今の状況を想えば
あのころ
ずっと付き添っていられたことを
それだけでも
よかったと思わなければいけないのだろう


なにが幸せなのか
その基準は
本当にはかなくてもろいもので
回りの状況によって
こんなにも
おおきく変わるものなのだ、と
思い知らされるコロナ禍

すべてに
「あたりまえ」などなくて
すべてが
「与えられた」ものなのだと

そう思うのだけれど
やっぱり
かなしい





10年

2021-08-05 19:35:10 | 日記 2
もうすぐ夫の命日を迎える。
10年。

10年もの月日が過ぎたなんて信じられない。
私の感覚では
ほんの昨日のことのようだ

いまでも
はっきりと思いだすことができる
夫のあの混乱した眼差し
苦しい呼吸
「ありがとう」という
看護師さんへの最後の言葉
そして
お見舞いの人が来るたび
流していた涙

あの
最後の日々
全身が麻痺して
もう指先すら動かせなくなっていた夫は
意識だけは清明で
全てを分っているような反応をしていた
近所の人たちや
親戚の人たち
無線の仲間などが
面会に来てくれるたび
夫は
涙を流していた

あのとき
もし言葉が話せたら
夫は
何を伝えたかったのだろう

夫が伝えたかったこと
夫が望んでいたこと
夫がしたかったこと

それらを
一生懸命考えて
考えて
考えて
今日まで
がんばってきました

ねえ、
私は
あなたの思いを
少しでも
実現できたかなあ・・・?