こころをとざして
まいにち
耳鳴りだけを聴いていると
夫が
現実にここにいないことと
かつて
たしかに存在したこととの
境界がなくなって
曖昧な霧のなかで
となりにいるような気がしてくる
そして
ふと
現実に引き戻されると
いつのまにか
冬から
初夏へ
季節が変わっていた。
主なき庭にも初夏はめぐりきて
芝青々と覆いつくせり
まいにち
耳鳴りだけを聴いていると
夫が
現実にここにいないことと
かつて
たしかに存在したこととの
境界がなくなって
曖昧な霧のなかで
となりにいるような気がしてくる
そして
ふと
現実に引き戻されると
いつのまにか
冬から
初夏へ
季節が変わっていた。
主なき庭にも初夏はめぐりきて
芝青々と覆いつくせり