脳腫瘍の夫と共に

2010年4月グリオーマと診断された夫との手探りの日々…

できるようになったこと、今でも思い出せないこと

2019-11-20 21:33:45 | 日記 2
夫がいなくなって8年と3か月半。
わたしにとってはあっという間だった。
8年もの月日が流れたことさえ信じられない

この8年でできるようになったことは
調理らしきこと。
とはいえ、夫がいた頃とは程遠い。
夫がいた頃は
安い材料で
いろいろ工夫することが得意だった
夫がいなくなって
食材を買うことすらできなかった時期があった
スーパーで30分以上うろうろしても
何ひとつ買えない時期があった。
夫の好きなもの、夫が好きだった料理、
夫がほめてくれた調理法など、さまざまな思い出があり
何一つ買うことができなかった

その後
味覚、嗅覚、聴覚がだめになり
食事ができない時期が続いた
週末に帰ってくる娘に作ってやれるのは
味付けのいらないシチューとかカレーとか
できあいのお寿司とか、フライとかだけの時期が続いた

今はすこし
煮物や炒め物ができるようになった
とはいえ、あじはわからないままので
勘だけど・・・
夫がいたころとは程遠い料理だ

夫が元気だったころ
夫の闘病中
何を作っていたのかは
思い出せないまま

心療内科のドクターは
「思い出せないのは
 苦しすぎることに心がふたをしているから」
と言われたけれど・・・。

人ごみに出かけることはできない。
夜の会議に出ると
その夜はもう眠れない。

いろいろなことができなくなったけれど
それでも
夫の想いをひきついで生きている。

夫に教えられたさまざまなお付き合いは
つたないなりにもできるようなった・・・かな?