脳腫瘍の夫と共に

2010年4月グリオーマと診断された夫との手探りの日々…

あきらめなければならないこと

2016-10-22 21:16:52 | 日記 2
昨日、小児科ドクターからの紹介で
遺伝子外来を受診した。

わたしとしては
夫の家系(夫の父親が肝臓癌、母親が子宮癌、夫は神経膠腫、叔父・叔母に大腸癌)が心配だったのだが
ドクターは、
44歳で乳がんを発症した私のほうが遺伝性ではないかと心配してくださった。

遺伝子検査で分かること、わからないことを丁寧に説明されたあと
もしも、遺伝子検査で異常がみつかったらどうするか、というお話を聞いた。
遺伝子検査の目的と言ってもいいかもしれない。
可能性のある癌の早期発見に努める。
確率が高い場合、予防的切除をする。
それらの方法が、癌の発症を防ぐのに役立つのは
いまのところ、乳がんと卵巣がんだけだと言われた。

では、もしも娘に遺伝性が認められたらどうするのか。
娘は、マンモグラフィーなど、痛みを伴う検査はできない。
大腸がんのリスクがわかっても
大腸ファイバーなどは受けることができないだろう。
そう考えたら、
遺伝性の癌の可能性がわかったところで
なにもできないということなのだ、と思い知らされた。
障がいをもつ人は、痛みや恐怖を伴う検査や治療はできない。
だから、がんの早期発見はあきらめるしかないのだ。
娘が受けることのできる唯一の検査はMRIだが
多動な方は、それさえ受けることができないかもしれない。

自分で体調の変化を訴えることのできない娘の
体調の変化を少しでも早くキャッチしたいと願ったけれど
あきらめなればならないのだという現実を突き付けられた思いがした。

ドクターは、遺伝子検査を受けるかどうか、について
「どなたか相談できる方はみえますか?」と心配してくださったが
受けてからのことを考えれば
「受けない」という結論しかなかった。

それでも、「あきらめなければならない」という現実を
まだ、受け止めきれないでいる。