脳腫瘍の夫と共に

2010年4月グリオーマと診断された夫との手探りの日々…

難聴

2020-09-01 20:51:55 | 日記 2
先週、退院してきてしばらくして
両耳の閉塞感に気づいた。
耳鳴りもいつもに増して激しい。
でも、もともと悪くなっていた聞こえは
そんなに変わらない感じがした。
一瞬、突発性難聴を疑ったが
閉塞感は両耳なので、ちがうかな、とも思った。
退院後の体調もあり
ようやく昨日受診した。

耳鳴りは、夫の最後の入院のころから始まっていた。
自宅付近では、日没が過ぎると蝉は鳴きやんでいた。
夫に付き添って、ほとんど眠れぬ夜を過ごしていた時
一晩中、セミが鳴き続けていた。
町は街頭が明るいので、セミも鳴きやまないのか、と
ぼんやりと考えていた。
自分の体調の異変に気付く余裕はなかった。
その後、夫がいなくなり、
晩秋になっても鳴きやまない蝉の声に
はじめて、セミではなく、これは耳鳴りなのだと気づいた。
それでも
受診する気にはならなかった。

その後、味覚異常に気づき
さらに、匂いもわからなくなっていることに気づいて
はじめて耳鼻科を受診したが
発症から時間がたちすぎていて
治療の効果はなかった。
原因はわからないが
ストレスが大きいのでは、と言われた。
そのころ
聴力が落ちていることも指摘された。

今回
聴力はさらに落ちていた。
ドクターは
私が日常生活に支障があると感じれば
補聴器を使えばいいし
支障があると感じなければ
このままでもいいのではないか、と言われた。
この聴力で不自由かどうかは
わたしの感じ方次第だと。

昨年1年間、日曜ごとに講習にかよい
猛勉強して、今春、要約筆記者の試験に合格した。
これから、実体験を積んで実力をつけようという時に
コロナが流行し、活動が全くできなくなった。
そして、これ以上難聴がすすめば
わたしは
要約筆記で、難聴の方に通訳をするどころか
自分自身が、
そうした支援を必要とする側になるかもしれないのだ。

今も
いちだんと激しくなった耳鳴りがつづいている。
耳の閉塞感は
難聴が進むと
そうした症状を訴える人もいるとのこと。
結局、治療方法はない。

味覚も嗅覚も聴力も衰えた。
たいせつな
たいせつなひとももういない。
でも、
まだ私のいのちは時間を与えられている。
乳癌も、今回の希少がんと言われる腫瘍も
初期の段階で摘出できた。
わたしには
まだ
夫からの宿題が残されているのだろう。


ねえ、
いつになったら
あなたから
合格がもらえるのかなあ・・・