脳腫瘍の夫と共に

2010年4月グリオーマと診断された夫との手探りの日々…

贈り物

2020-06-24 19:23:21 | 日記 2
動物病院の先生から
小さな絵本が届いた
手のひらにのるほどの
小さな絵本

とびらには
先生からの
あたたかな直筆のメッセージが記されていた

その絵本の
最後のぺーじにあったことばに
なみだがあふれた

「心にあいた穴をなにでうめよう
 涙ではうめられない
 流れていってしまうから
 きみとの楽しかった思い出でうめればいいんだ
 そしたらずっと
 きみといっしょにいられる
 きみは心の中で生きている」

奇しくも
わたしが
娘に言い続けてきた言葉と
あまりにそっくりだったので

「おとうさんとの
 楽しかったことを
 たくさん思い出してね。
 そしたら
 おとうさんは
 いつも
 萌ちゃんといっしょにいるよ」

それは
わたしがいなくなった時にも
おもいだしてほしいことばだったから

老猫のんとの思い出は
そのまま
我が家の22年間の家族の思い出

心のこもった
動物病院の先生からの
メッセージにも
こころから感謝。

消化管神経内分泌腫瘍

2020-06-22 18:56:08 | 日記 2
3月に検診の胃カメラで
確認のための二重チェックを行ってくださった
ドクターが見つけてくださった腫瘍。

6月に再度胃カメラで組織検査。
通常の病理ではわからず
免疫染色を追加したので
料金が追加になった、と病院からの連絡があり。

それから1週間後
主治医からの呼び出しで
「消化管神経内分泌腫瘍」と告げられた。

初めて聞く病名。
憶えられず
書いてもらった。

一番近くの
消化器内科がある病院へ、ということで
夫が脳腫瘍の手術を受けた病院、
去年次男が潰瘍性大腸炎で2か月入院した病院を
紹介された。

ネットで調べると
「希少がん」という文字が並ぶ。

でも、いろいろなタイプがあり
わたしのはどの分類なのか
さっぱりわからない。

もとより
夫のところに行けることは
少しも怖くない。
ただ、娘をのこしてゆかねばならないことや
病気がまだ回復しない次男、
うまく世間になじめない長男など
心配なことがありすぎて・・・
それでも
死ぬときはみな死なねばならぬのだと
ある程度の覚悟も思ったりして・・・

今日は紹介状を持って初めての受診。
いろいろな検査があるのかと思っていたが
すべてはもう一度
胃カメラを行って確認してから・・・とのことで
今日は問診と検査予約のみ。
でも
先日の生検の結果では
グレード1、と言われて
すこしほっとしたのも事実。

夫は
病名すらしっかり理解できないまま
自分の想いを伝えるすべを奪われた。
どんなに
伝えたい想いがたくさんあったことだろう。
あのころ
夫が伝えたかったであろうことを
ひとつひとつ確かめながら
毎日を生きている。
夫の想いを体現してくことが
わたしにできる
たったひとつのこと。

娘や息子たちに
すこしでも
夫の想いを伝えていくこと。

そのためだけに
今の私は生きている。

これからも
わたしのいのちがあるかぎり
それは変わらないと思う。








不思議な猫

2020-06-13 08:17:52 | 日記 2
昨夜
のんがいなくなって初めての週末
平日はグループホームで過ごしている娘が帰宅

夜、娘がベッドに入ると
ないんが突然娘のそばにきて
添い寝をはじめた!

のんは夫がなくなってしばらくしたころから
突然添い寝をするようになり
昨秋ベッドへの上がり降りができなくなるまで続いていた

のんが添い寝をしなくなっても
ないんは娘の近くでは寝ていても
のんのように添い寝をすることはなかったのに

突然、娘の腕を枕にして眠ってしまった

添い寝というよりは
自分が寝ているんだけれど

なんとも不思議な猫たちの行動



愛しい猫たち

2020-06-11 18:43:25 | 日記 2
老猫「のん」が旅立ったとき
あとからきた猫(8歳)の「ないん」は
そおっとのんをやさしくなめました。
のんが旅立ったことがわかっているかのような行為でした。

ないんが家に来たとき
捨てられたらしく
おなかをすかせて
「みいみい」と鳴いて
必死で息子の後を追い
家の中に入ってきました。

のんには
一生懸命じゃれついていましたが
もうのんはかなりの高齢になっていて
相手をすることはありませんでした。
のんは
じゃれつかれても
怒りもしないで
知らん顔をしていました

ないんは
しっかり親離れしてから捨てられたせいか
わたしたちにも
決して爪を立てたり
かみついたりすることはなく
のんにたいしても
適度な距離を保っていました。

のんが弱ってからは
あまり近よらないようにしてくれていました。
でも
のんが旅立った時だけは
寄ってきて
のんの顔をやさしくなめたのです。

猫たちは
ほんとうに
いろんなことをわかっているのではないかと思います。

昨夜は
ないんは
ずっとわたしのそばにいて
ふだんよりずっとわたしに甘えてくれました。
ここ数日
わたしがのんにつきっきりだったからさみしかったのか
わたしがさみしがっているから慰めてくれているのか
どちらかはわかりませんが
わたしには
いっしょうけんめい
わたしを慰めてくれているような気がしました。

猫たちは
きっと人間の気持ちを
たくさんかんじとっているのでしょうね。

老猫

2020-06-10 19:03:06 | 日記 2
今朝4時半、22歳の老猫が旅立ちました。
娘が小学校6年生のときに我が家にきました。
獣医さんに保護されて、まだ離乳食を食べていました。
わたしたちには気に入らないとひっかいたりかみついたり・・
小さいうちに親兄弟から離れたせいか
手加減ができない子でしたが
不思議なことに
娘にだけは
どんなに手荒に扱われても
逆らうことをしませんでした。
娘が寝るとき、無理やり布団に連れ込むと
すぐ逃げ出していたのに
夫が亡くなった途端
娘に添い寝をしてくれるようになったのも
ほんとうに不思議なことでした。

8年前、捨てられた子猫が我が家に来たのですが
じゃれつかれても怒ることもなく
自分のペースを守っていました。

ここ数年は眠っていることが多くなり
時々トイレの失敗もありましたが
腎臓病用のフードを食べ
それなりに元気にしていました。
今年に入って
餌を食べる量が減り
5月の末からは
スープしか飲まなくなっていました。
4日前からは歩くこともできなくなり
それでも這ってでもトイレに行こうとしていました。
自力で体を起こせなくなり
口元にスープのお皿を置いて体を支えてやると
ほんの少し飲んでいましたが
それも2日前からは飲まなくなっていました。
自然にまかせて、苦しまないようにと祈っていました。
昨日は仕事に行っているあいだに逝ってしまうのではないかと
とても心配でしたが
がんばって待っていてくれました。
「ただいま。待っててくれてありがとうね」と声をかけると
涙がひとつぶ流れました。
猫にそんな感情表現ができるなんて、とても不思議なことかもしれませんが
22年もともに過ごしてきた子ですから
きっと待っていてくれたのだと思います。
昨夜は添い寝をしました。
苦しむことはなく
本当に静かに呼吸が止まりました。

娘の東京入院と夫の発病が重なった時、
夫の二度目の入院の時、
最後の入院の時、
いつもたった一人で留守番をしていてくれました。
どんなにさびしくて不安だったことだろうと思います。
ほんとうにありがとう。
そしてよくがんばったね。

この子がいなくなって
これから
どんな心理状態になるのか
自分でもとても不安です。
今日は
わたしの胃カメラの組織検査が
追加で免疫染色にまわされたと連絡がありました。
もし、入院や手術が必要な状況になったらと思うと
その前に十分面倒をみてやれてよかったと思っています。
もうあんなさみしい思いをさせたくはありませんでしたから。

ほんとうに
ほんとうに
ありがとう。
えらかったよ。
よくがんばったね。