脳腫瘍の夫と共に

2010年4月グリオーマと診断された夫との手探りの日々…

変化

2022-01-28 19:50:14 | 日記 2
退職して自分の中に大きな変化があったと感じている。

1つは眠れるようになったこと。
夫が発病してからほとんど眠れない日が続いた。
3時間眠ればいい方で
ほとんど一睡もできない日も多かった。
それでも
翌日は仕事に行かねばならず
「人間ってこんなに眠らなくても生きていられるんだ」と
自分でも不思議だったりあきれたり・・・・
それが、退職してから
この12年間分を眠るのかと思うほど良く眠る
明け方目が覚めても
布団に入るとまた眠り
目が覚めるのは
7時の広報無線のチャイム。
今は合計8時間~9時間眠っている。
仕事中はそれだけ気持ちが張り詰めていたということなのか?
でも
こんな調子では
2月後半からの勤務が不安になる。
車で1時間半近くかかるので
朝7時半には家を出なくてはならない。
それにはお弁当作り、猫と犬の世話などを考えると
朝5時半には起きないと間に合わないと思うのに
大丈夫だろうか?
夫が元気だったころは
毎朝5時おきでお弁当を作っていたけれど
そのころのリズムをとりもどすことはできるのだろうか?
心配しても仕方ないので
体のリズムにまかせている。

2つめの変化。
やっと長編小説を読了できた。
夫が元気だったころ
夜、寝つきの悪い私は
布団の中でいつまでも本を読んでいた。
隣りで眠る夫を起こさないように
電気スタンドの光が夫の目に入らないように調節して
時には一晩で一冊読了することも珍しくなかった
夫が発病して
忙しい日々が続き
活字を見ても
少しも頭に入らない日々が続いた
夫がいなくなって
何度か本を借りてはみたが
活字の意味を理解することができず
もう自分には
本を読む楽しみは味わえないのだ、と思っていた。
先日、久しぶりに図書館に行き
以前好きだった作者の小説を借りて来た
乳がんで入院したときには
この作者の小説を紙袋いっぱい持って入院し
あっという間に読了したものだった
(当時は電子書籍はなかった)
たぶん読めないだろうと思っていたが
予想外に集中して
2日間で読了できた。
これも嬉しい変化だ。

今年の夏がくると
夫がいなくなって11年になる。
今年の春は
夫が発病して12年目になる。
こんなに長い時間を私一人で生きて来たなんて
とても信じられない。
それほど
この年月は
無我夢中の日々だった。
自分とは関係ないところで
年月だけが過ぎ去ったような感覚。
自分は
何もしていない、という感覚。
それでも
夫の思いを体現したくて
夫の思いを引きついでいきたくて
必死でがんばってきた日々

また新しい仕事にきっと私は全力投球してしまうだろう
そんな私を見たら
夫はどんな言葉をかけてくれるのだろう?

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