樹木希林の最後の主演映画がTVでやっていた。
名優、怪優である。その語録が面白くてネットからメモしてみた。
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あのね、年をとるっていうのは本当におもしろいもの。年をとるっていうのは絶対におもしろい現象がいっぱいあるのよ。若い時には当たり前にできていたものが、できなくなる、そんなことを、ひとつずつをおもしろがってほしいのよ。楽しむのではなくて、面白がることよ。
おごらず、人と比べず、面白がって平気に生きればいい。病というものを駄目として、健康であることをいいとするだけなら、こんなつまらない人生はないわよ。
仕事する為に人間やってるわけじゃない。
ちゃんと生きるっていう事は、何でもない事をやるしかない。
やったことはほんのわずかだもの。やり残したことばっかりでしょう、きっと。一人の人間が生まれてから死ぬまでの間、本当にたわいもない人生だから、大仰には考えないわ。
がんはありがたい病気。周囲の相手が自分と真剣に向き合ってくれますから。ひょっとしたら、この人は来年はいないかもしれないと思ったら、その人との時間は大事でしょう? そういう意味で、がんは面白いのよ。病を悪、健康を善とするだけなら、こんなつまらない人生はないわよ。
今日、用事があること(きょうよう)を『今日用』と言っているんだけど、神さまがお与えくださった『今日用』に向き合うことが毎日の幸せなのよね。『今日用』をこなす事が、人生を使い切ったという安堵につながるんじゃない。
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死に向かって、この身をどう使っていくのか、その「生き方」について彼女はこんな提言も行っている。
【1:自分の人生を人任せにしないという思考で生きる】
【2:「お天道様が見ている」という思考で生きる】
【3:「おかげ様」思考で生きる】
【4:「これもまた善し」という思考で生きる】
【5:今よりもブラッシュアップするために生きる】