ぼちぼちやりま!

悪い時が過ぎれば、よい時は必ず来る。
事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。
焦らず慌てず、静かに時の来るのを待つ。

考古学崩壊

2015-03-14 20:54:55 | 建築ランダム
「考古学崩壊」;竹岡俊樹著 勉誠出版 2014.9.15発刊 3200円

「神の手」を持つという藤村新一の旧石器捏造事件を詳細に追及し、何が問題の根本にあるのかを曝け出した作品。考古学会の多くの重鎮達が、素人発掘者藤村新一の極めて簡単なトリックに騙され、踊らされた経緯を暴いていく。背景には学会特有の大きな膿、所謂、学閥・派閥・人脈の世界が横たわっている。ノンフィクションとしては秀逸、というよりも作者自身が当事者でもあるので、告発本にもなっている。毎日新聞の大スクープでこの事実が白日の下に晒されたわけだが、もしこのスクープがなかったなら、この国の縄文以前の考古学は、その後どうなっていただろう。

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はたまた、彼が旧石器土器を発見した、という時の気持ちは如何ばかりか。人は人のためにコトをするものだとしたら、自分自身の名誉欲だけでなく、それを受容した環境のことを忘れていいのだろうか。

この本を読んでいて脳裏に浮かぶのは、当然ながらスタップ細胞のこと。さらには繰り返し世間を騒がせてきた数々の偽装問題。耐震偽装を筆頭に、食品業界や、医学、薬学、文学、音楽・・・etc。これらを一括りにするのは本質を見誤ることになるかもしれないが、少なくとも僕たちは、それぞれのコトの時代背景を見失なってはいけないように思う。

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今日は、3.14、無理数の日である。
そしてまた、新たな偽装問題が出てきてしまった。

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