ぼちぼちやりま!

悪い時が過ぎれば、よい時は必ず来る。
事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。
焦らず慌てず、静かに時の来るのを待つ。

断酒幸福

2011-06-08 23:02:20 | 文化
実家の10畳間に、片山哲(第46代総理大臣 ‘47~’48)の書が掛っている。
「断酒幸福」という、漫然としていつの時代にも通用するような題目である。

父はそれを背にして、よく酒を飲んでいた。
大正人間で、天皇陛下に青春を捧げた生粋の関東軍軍人の彼が、
なぜ、社会党党首の書を手に入れたのかいきさつはとんと不案内だが、
人が来るたびにさりげなく自慢していたように思う。

ボクは、これを幼少の折からず~とその字体を追ってきて、
それでいて親父とおんなじように酒を愛でながら、この年齢に達した。
我が家においては、空気の如きオブジェと化したこの書は、
ほとんど書としてのアフォリズムの役目を果たしてこなかった。

60を越した今、つくづく眺めるに、
50年以上家族からはほとんど無視されながら居座ってきたその書の、
目立ってきたシミに対しても、幾分の慈愛を覚えるようになってきていた。
これも年齢というものだろうか。