2秒のＣＭ

大リーグのデーゲーム、満員の観客の95％は地元ファン。同点で迎えた９回の裏、２アウト、ランナーは２塁。２－３からの打球はライト前にポトンと落ちた。セカンドランナーは３塁を廻った、返球はレーザービームだ！滑り込んだあとには濛々の砂埃。
判定は・・・主審の右手は大きく斜めに振り下ろされた・・・「アウト！」

ランナーは猛烈に主審にアッピール、帽子を投げつけベースプレートを叩きつける、ベンチから飛びだす監督は髪を振り乱し胸を張って敢然と抗議する、観客は総立ちになりブーイングの嵐だ。。。球場全体が興奮のるつぼと化す。

抗議の嵐で揺れるスタンドに、初老の婦人がじっと歯をくいしばり耐えている。そして、目に涙を浮かべながらこんな文字を掲げた。「主審を責めないで、、、だって彼は愛すべき主人なんです！」・・・彼女の周りの観衆から次第に静寂が戻ってくる。

場面は変わって夜のレストラン。その婦人と主審が食事をしている。そこにウエイターがビールを持ってきた。「あの席のお客様からです」。振り向くと昼間の監督がニィーと白い歯を出している。頬笑みかえした夫人は、再びテーブルのバドワイザーに目を向ける。

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全編、1分30秒のうち、商品名はたった２秒のＣＭが全米で流行ってるそうです。今日、桑原征平さんの講演会で聞いた話です。