LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

山田屋金物店さんのこと

2009-07-13 12:13:26 | Weblog
4月に“山田屋金物店”さんが閉店して、
かれこれ3か月経ちました。

お店のシャッターは下ろされたまま、
夕方の買い物客の多い時間帯には
店の前に自転車が止められて、
自転車置き場のようになっています。



この後、お店はどうなるのかな、
おじさんとおばさんはお元気でいらっしゃるのかな、と
ずっと気になっていました。

つい先日、商店街で娘さんを見かけました。
(よくお店のお手伝いをしていらっしゃったので、存じ上げていたのです。)
チラッと見かけた娘さんが、喪服を召してらっしゃったので、
どなたかのお葬式だったのかな(もしかして・・・。)、と思いながら
声をかけそびれました。

同じ日の夕方、商店街で偶然また普段着の娘さんに出くわしたので
今度は呼び止めました。
「おひさしぶりでしたね。お元気でしたか。」とご挨拶し、
「きょうはどなたかのお葬式だったんですか。」尋ねると
なんでも、伯父さまが亡くなったのだとか。
心の中で、亡くなったのがおじさんではないことにフッと安心しながら、
娘さんに尋ねました。
「ところで、おじさんとおばさんはお元気ですか。」
すると、「じつは、父は4月に亡くなったんです。」とおっしゃいます。

ついこの間まで、お店に立っていらっしゃったように思ったので
信じられない気持でお聞きすると、
おじさんは、前から病気にかかっていらっしゃったのだといいます
家族以外、近い身内にも病気のことを隠して
最後の最後まで、無理を押してお店に立っていらっしゃったんだそうです。

おじさんには、本当に良くしていただきました。
ボンドのふたが割れて売り物にならなくなったのを
「中身は大丈夫だから、使って。」といって代金を取ろうとなさらず
タダで頂いたのは、たしか今年の1月のことでした。
あれが、おじさんとお話をした最後になってしまいました。

「おじさん、いつも親切にしていただきありがとうございました。
 長いこと、本当にお疲れ様でした。
 どうか、天国でゆっくり休んで下さい。」

60年間商店街で頑張っていらっしゃった
山田屋金物店のおじさんのご冥福をお祈りして、
お別れの言葉を送りたいと思う私です。