「失敗の心理」を科学する
しまった!
ジョセフ・T・ハリナン
栗原百代 訳
講談社を
この本に書いてあったことで、反省させられる
ことがあった。
以下、本の話である。
人生の資産
「人を幸せにするものは何か」を年10年以上研究してきて、
同僚とともにひとつの結論に遠した、とデイヴィッド・シュ
ケイドは語った。
人生の資産はお金ではなく時間である。
新天地へ移るとか退職するといった大きな人生の転機に起こる
大きなまちがいに「時間の過ごしかたを変えない」ことがある。
シュケイドがテキサス州に往んでいたとき、この考えをぴたりと
言い当てたバンパーステッカーを目にした。
「そんなにニューヨークが好きなら、州間高遠道30号線を東へ
どうぞ(ニューヨークヘ行けば?)」
つまり、テキサスに移り往んだなら、テキサスの風物を楽しむこと
を学ぶベきなのだ。
NYのようにおいしいベーグルが食べられるとか、LAのように
美しい海岸が楽しめると思ってはいけない。
ロデオやNFLのダラス・カウボーイズに熱中したり、西テキサス
の広大な空間を愛でたりすることだ。
さもなければ、みじめな気持ちになるだろう。
本書に記してきた多くの発見と同様に、これも当たり前のことに
思えるかもしねない。
私にとってはそうだった。シュケイドにそのことを言った。
「たしかに常識です」とシュケイドはうなずいた。
「でも人は常識どおりには動きませんからね」
人生を精巧につくり直すためには、決意と自制が求められる。
退職者の多くが仕事に逆戻りしてしまうのはそのためだ。
彼らが犯す過ちは、やろうと考えていた新しいことではなく、
これまでと同じことをするのに時間を費やしてしまうことだ。
シュケイド自身の経験では、数年前にテキサスからカリフォ
ルニアに移り往んでからは南カリフォルニアの暮らしがもたら
す恩恵をたっぷり味わおうと決めていた。
たとえば、以前よりゴルフをよくやっている。
家にテラスをしつらえ、海に沈む夕日を眺めている。
日曜の朝には妻と浜辺を散歩する。
シュケイドはやがて気づいたという。
結局のところ、人の幸せは、どこに往むかで決まるのではない。
時間をどのように使うかだと。
そのことを忘れていることが、人生で最大の「まちがい」では
なかろうか。
以上、本の話である。
この話、定年病気味の者として、耳に痛い話である。
人生の資産はお金ではなく時間である。
新天地へ移るとか退職するといった大きな人生の転機に起こる
大きなまちがいに「時間の過ごしかたを変えない」ことがある。
つまり、テキサスに移り往んだなら、テキサスの風物を楽しむこと
を学ぶベきなのだ。
さもなければ、みじめな気持ちになるだろう。
人生を精巧につくり直すためには、決意と自制が求められる。
退職者の多くが仕事に逆戻りしてしまうのはそのためだ。
彼らが犯す過ちは、やろうと考えていた新しいことではなく、
これまでと同じことをするのに時間を費やしてしまうことだ。
結局のところ、人の幸せは、どこに往むかで決まるのではない。
時間をどのように使うかだと。
そのことを忘れていることが、人生で最大の「まちがい」では
なかろうか。
という風に簡潔に抜粋したが、多いに反省させられる。
「テキサスに移り往んだなら、テキサスの風物を楽しむことを学ぶ
ベきなのだ。」が、どうしたらいいのか分からないのが、これまた、
最大の問題なのだ。
退職生活は下手すると、どこを見ても、死ぬまでの暇つぶし以上の
ことがないのが、最大の問題だ。
しまった!
ジョセフ・T・ハリナン
栗原百代 訳
講談社を
この本に書いてあったことで、反省させられる
ことがあった。
以下、本の話である。
人生の資産
「人を幸せにするものは何か」を年10年以上研究してきて、
同僚とともにひとつの結論に遠した、とデイヴィッド・シュ
ケイドは語った。
人生の資産はお金ではなく時間である。
新天地へ移るとか退職するといった大きな人生の転機に起こる
大きなまちがいに「時間の過ごしかたを変えない」ことがある。
シュケイドがテキサス州に往んでいたとき、この考えをぴたりと
言い当てたバンパーステッカーを目にした。
「そんなにニューヨークが好きなら、州間高遠道30号線を東へ
どうぞ(ニューヨークヘ行けば?)」
つまり、テキサスに移り往んだなら、テキサスの風物を楽しむこと
を学ぶベきなのだ。
NYのようにおいしいベーグルが食べられるとか、LAのように
美しい海岸が楽しめると思ってはいけない。
ロデオやNFLのダラス・カウボーイズに熱中したり、西テキサス
の広大な空間を愛でたりすることだ。
さもなければ、みじめな気持ちになるだろう。
本書に記してきた多くの発見と同様に、これも当たり前のことに
思えるかもしねない。
私にとってはそうだった。シュケイドにそのことを言った。
「たしかに常識です」とシュケイドはうなずいた。
「でも人は常識どおりには動きませんからね」
人生を精巧につくり直すためには、決意と自制が求められる。
退職者の多くが仕事に逆戻りしてしまうのはそのためだ。
彼らが犯す過ちは、やろうと考えていた新しいことではなく、
これまでと同じことをするのに時間を費やしてしまうことだ。
シュケイド自身の経験では、数年前にテキサスからカリフォ
ルニアに移り往んでからは南カリフォルニアの暮らしがもたら
す恩恵をたっぷり味わおうと決めていた。
たとえば、以前よりゴルフをよくやっている。
家にテラスをしつらえ、海に沈む夕日を眺めている。
日曜の朝には妻と浜辺を散歩する。
シュケイドはやがて気づいたという。
結局のところ、人の幸せは、どこに往むかで決まるのではない。
時間をどのように使うかだと。
そのことを忘れていることが、人生で最大の「まちがい」では
なかろうか。
以上、本の話である。
この話、定年病気味の者として、耳に痛い話である。
人生の資産はお金ではなく時間である。
新天地へ移るとか退職するといった大きな人生の転機に起こる
大きなまちがいに「時間の過ごしかたを変えない」ことがある。
つまり、テキサスに移り往んだなら、テキサスの風物を楽しむこと
を学ぶベきなのだ。
さもなければ、みじめな気持ちになるだろう。
人生を精巧につくり直すためには、決意と自制が求められる。
退職者の多くが仕事に逆戻りしてしまうのはそのためだ。
彼らが犯す過ちは、やろうと考えていた新しいことではなく、
これまでと同じことをするのに時間を費やしてしまうことだ。
結局のところ、人の幸せは、どこに往むかで決まるのではない。
時間をどのように使うかだと。
そのことを忘れていることが、人生で最大の「まちがい」では
なかろうか。
という風に簡潔に抜粋したが、多いに反省させられる。
「テキサスに移り往んだなら、テキサスの風物を楽しむことを学ぶ
ベきなのだ。」が、どうしたらいいのか分からないのが、これまた、
最大の問題なのだ。
退職生活は下手すると、どこを見ても、死ぬまでの暇つぶし以上の
ことがないのが、最大の問題だ。