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リタイアーのよもやま話

東大流よみなおし日本史講義を読んで⑴

2017-03-03 23:22:22 | 読書

東大流よみなおし日本史講義

山本博文 東京大学教授

PHP

 

読み終わった。

大変面白く読んでいる。

その中で、若干ショックを感
じた箇所があった。

それは、古代の天皇の地位を
めぐっての権力闘争である。

最近、金正男氏が殺害された
事件があって、北朝鮮につい
て、テレビで放映されている
が、近親者同志の暗殺が3代
にわたって、頻繁にあったこ
とが取り上げられて、おぞま
しい気分になっている。実は、
日本の古代の天皇制にあって
も、そのような凄まじい骨肉
の争いがあったようだ。

自分の親兄弟を信じられない
という恐ろしい時代があった
ようだ。

もっとも、権力者たちの世界
のことであるが。

ただ、この天皇制が、その後
武士を生み出し、幕藩体制を
生み出したことが、日本の近
代化の礎を作ったことになる
から、ことは複雑だ。

この本によれば、幕藩体制と
いう強固な仕組みが、アジア
のどの国にもなかったことが、
日本とアジア諸国が違う歴史
を歩むことになったようであ
る。

えてして、天皇制に過敏に反
応するような空気になってい
るが、歴史は歴史として、よ
り客観的な姿勢を持つ努力が
必要かもしれない。


世界のたね

2017-02-12 23:59:41 | 読書

世界のたね(上・下)
真理を探求する
科学の物語

アイリック・ニュート
猪苗代英徳 訳
角川文庫

を読み終えた。

言い方を変えれば、
「科学史」とも言えるので
はと、思っている。

エッセイ風に、気軽な文章で
語られて、飽きさせない軽妙
な文章は、読む者に優しい。

教養書として、十分に期待で
きると思っている。

このような本で、科学史のお
さらいをするのもいい頭の整
理になると思われ、いい本を
出版してくれたと感謝したい。

中でも、インドの算用数字
の発明については、改めて
驚いた。

もし、この数字が作られて
いなかったら、ちょっと暴
論だが、資本主義も近代科
学も誕生しなかったのでは

と、独断と偏見ながら思わ
ざるを得ないものがある。

中学・高校の必修副読本に
したいものだ。

勿論、大学生には、卒業ま
でに、一度は読んでもらい
たいものだ。という感想を
もっている。

ところで、本人、本の中で
語っているが、科学者とし
ての「落ちこぼれ」である
そうだ。

しかし、無理やり売れない
科学者になるより、このよ
うな本を書いてくれた方が
世のためではなかろうか。

IPS細胞の山中教授は、指先
が不器用で、外科医の夢を諦
めた。しかし、おかげで、医学
界に貢献できるという栄光を手
に入れている。

何が、幸いするか分からない
ものだ。


フランス革命の原因は?

2017-02-11 23:47:11 | 読書

フランス革命の原因は?

フランス革命が起こる過程で
理解できないことがあったのだ
が、その理由を今回解きあかす
ことができた。

今回の「サピエンス全史(下)」
を読んで、納得することができ
た。

より詳しく知りたい方は、下巻
149ページの半ばあたりから、
読んで頂ければと思っている。

下は、その箇所から、一部を
介してみたい。

 ミシシッピ・バブルは歴史上
屈指の派手な金融破綻だった。

王政フランスの国家金融制度は
打撃から完全に回復することは
ついになかった、ミシシッピ会
社が株価を操作して熱狂的な購
人意欲を煽るために、政治的影
響力を利用したせいで、世間の
人々はフランスの金融制度とフ
ランス王の財政的見識に対する
信頼を失った。ルイ15世は、
資金を調達するのがますます難
しくなっていった。それが一つ
の大きな原因となって、海外の
フランス領はイギリスの手に落
ちた。イギリスは簡単に、しか
も低金利でお金を借りることが
できるのに、フランスは融資を
取りつけるのが難しく、しかも
高い金利を支払わなければなら
なかった、増大していく負債を
返済するために、フランス王は
さらに多くのお金を、さらに高
い金利で借りた。

その結果、1780年代には、
祖父の死によって王位に就いて
いたルイ16世は、王室の年問
予算の半分が借金の利息の支払
いに充てられ、自分が破産に向
かって進んでいることを知った

1789年、ルイ16世は不本
意ながら、フランスの議会にあ
たる三部会を一世半ぶりに招集
し、この危機の解決策を見つけ
ようとした。これを機にフラン
ス革命が始まった。

以上。


フランスは使い物にならない土地
で、一儲けするために、バブルを
引き起こしたようだ。

その崩壊が、国家の崩壊につなが
ったようだ。

もし、このようなことがなかった
ら、フランス革命はなかったかも
しれぬ。と、驚愕してしまった。

あのマルクスもフランス革命で、
有頂天になったのだが、そのマル
クスに踊ったかつての自分を笑止
せざるを得ない日がやってくると
は┄┄。

五十にして四十九年の
非を知る(?)である。


サピエンス全史

2017-02-10 23:06:30 | 読書

サピエンス上 

ユヴァル・ノア・ハラリ

柴田裕之・訳

河出書房新書

だいぶ前だが、読み終えた。

そのとんでもない独創的過ぎ
る考え方に、愕然とする。

その本の上巻の表紙の裏に
は、次のような文章があっ
た。

アフリカでほそぼそと暮ら
していたホモ・サピエンス
が、食物連鎖の頂点に立ち、
文明を築いたのはなぜか。

その答えを解く鍵は「虚構」
にある。

我々が当たり前のように信
じている国家や国民、企業
や法律、さらには人権や平
等といった考えまでもが虚
構であり、虚構こそが見知
らぬ人同士が協力すること
を可能にしたのだ。

やがて人類は農耕を始めた
が、農業革命は狩猟採集社
会よりも苛酷な生活を人類
に強いた、史上最大の詐欺
だった。

そして歴史は統一へと向か
う。その原動力の一つが究
極の虚構であり最も効率的
な相互信頼の制度である貨
幣だった。

なぜ我々はこのような世界
に生きているのかを読み解
く、記念碑的名著!

次は、上巻の目次である。

第1部認知革命

第1章 唯一生き延びた人類種

    不面目な秘密/思考力
の代償/調理をする動

物/兄弟たちはどう
なったか?

第2章 虚構が協力を可能にし
たプジョー伝説/ゲノ
ムを迂回する/歴史と
生物学


第3章 狩猟採集民の豊かな暮
らし

原初の豊かな社会/口
を利く死者の霊/平和
か戦争か?/沈黙の帳

第4章 史上最も危険な種

   告発のとおり有罪/オ
    オナマヶモノの最期/
     ノアの方舟

第2部 農業吊命

第5章 農耕がもたらした繁栄と
悲劇

    贅沢の罠/聖なる介入/
     革命の犠牲者たち

第6章 神話による社会の拡大

    未来に関する懸念/想像
    上の秩序/真の信奉者たち
      /脱出不能の監獄

第7章 書記体系の発明

   「クシム」という署名/官
     僚制の驚異/数の言語

第8章 想像上のヒエラルキーと
差別

    悪循環/アメリカ大陸にお
ける清浄/男女間の格差
生物学的な性別と社会的・
文化的性別/男性のどこ
がそれほど優れているの
か?/筋力/攻撃性/家
父長制の遺伝子

 

第3部人類の統一

第9章 統一へ向かう世界

   歴史は統.に向かって
    進み続ける/グローバ
     ルなビジョン


第10章 最強の征服者、貨幣

   物々交換の限界/貝殻
       とタバコ/貨幣はどの
      ように機能するのか?
     /金の福音/貨幣の代
       償

 

第11章 グローバル化を進める
            帝国のビジョン 

   帝国とは何か?ノ悪の
      帝国?/これはお前た
      ちのためなのだ/「彼
     ら」が「私たち」にな
    るとき/歴史の中の善
    人と悪人/新しいグロ
    ーバル帝国

 

さて、次の文章は、下巻の
表紙の裏の文章である。

近代に至って、なぜ文明は爆
発的攻進歩を遂げ、ヨーロッ
パは世界の覇権を握ったのか?


その答えは「帝国、科学、資
本」のフィードバック・ルー
プにあった。

帝国に支援された科学技術の
発展にともなって、「未来は現
在より豊かになる」という、
将来への信頼が生まれ、起業
や投資を加速させる「拡大す
るパイ」という、資本主義の
魔法がもたらされたのだ。

そして今、ホモ・サピエンス
は何を望み、テクノロジーは
あなたをどのような世界に連
れて行くのだろうか?

人類史全体をたどることで、

我々はどのような存在なのか
を明らかにする、かつてない
スケールの大著!

以上。

 

次ぎに下巻の目次の紹介であ
る。

第12章 宗教という超人間的秩序

    神々の台頭と人類の地位
      /偶像崇拝の恩恵/神は
      一つ/善と悪の戦い/自
        然の法則/人間の崇拝

第13章 歴史の必然と謎めいた選択

    1後知恵の誤謬/2 盲
     目のクレイオ

第4部 科学革命

第14章 無知の発見と近代科
            学の成立

        無知な人/科学界の教義
       /知は力/進歩の理想/
         ギルガメシュ・プロジェ
        クト/科学を気前良く援
         助する人々

15章 科学と帝国の融合
        なぜヨーロッパなのか?
        /征服の精神構造/空白
        のある地図/宇宙からの
        侵略/帝国が支援した近
          代科学

第16章 拡大するパイという
             資本主義のマジック

      拡大するパイ/コロンブス、
      投資家を探す/資本の名の
       下に/自由市場というカル
       ト/資本主義の地獄

17章 産業の推進力

   熱を運動に変換する/エネ
     ルギーの大洋/ベルトコン
     ベヤー上の命/ショッピン
     グの時代

第18章 国家と市場経済がもた
           らした世界平和心

   近代の時間/家族とコ
      ミュニティの崩壊/想
     像上のコミュニティ/変
      化し続ける近代社会/現
     代の平和/帝国の撤退/
      原子の平和



第19章 文明は人問を幸福にした
             のか 

    幸福度を測る/化学から
         見た幸福/人生の意義
        /汝自身を知れ

第20章 超ホモ・サピエンス
          の時代ヘ 

    マウスとヒトの合成/ネア
       ンデルタール人の復活/バ
       イオニック生命体/別の
         生命/特異点/フランケ
         ンシュタインの予言

あとがき-神になった動物 

 

以上である。

この本の感想を述べたいのだが、

「役者あとがき」の文章をまず
紹介してみたい。

訳者あとがき

 読書の醍醐味の一つは、自分の
先人観や固定観念、常識を覆され、
視野が拡がり、新しい目で物事を
眺められるようになること、いわ
ゆる「目から鱗が落ちる」体験を
することだろう。読んでいる本が、
難しい言葉で書かれた抽象論だら
けではなく、一般人でも隔たりを
感じずにすっと入っていける内容
が、わかりやすい言葉で綴られて
いるものだと、なおありがたい
「まさにそのような醍醐味を満喫
させてくれるのが本書『サピエン
ス全史」だ。

以上。

この文章が、まさに、この本の
読後感を語っていて、嬉しく感
じられてやまない。

かなり、昔のことだが、共同幻
想論、唯幻論等の言葉にふれた

ことがあった。

この『サピエンス全史』を読ん
でこの言葉を思い出した。

その拡大版みたいな気もする。

そして、非常に乱暴な話だが、
「赤信号みんなで 渡れば怖く
ない」という文章を思い出して
しまった。

もしかすると、人類は、赤信
号を強引に渡ってきたかもし
れぬ。

また、「嘘も100回言えば真実
になる」というのもあったが、
この本を読むと、人類の存在
そのものが、結果的に、壮大
な虚構、妄想のもとに、成り
立っているのではと、感想を
持った。怖いことに、説得力
があるのだ。

この本を、ぜひとも多くの方
に読んでもらいたいと思った。

あまり、感受性がありすぎる
と、精神的なダメージを与
えるかもしれぬ。

自分の精神が自由になると
いうふうに考えれば、幸い
なのだが。

個人的な受け止め方として、
結局、自分の都合のいい妄想
を楽しく生きる生き方も
「在り」だという受け止め方
もできるのではと思った。

いつの間にか、誰かの都合の
いい妄想で踊るより、自分の
心地よい妄想を生きた方が幸
せかもしれぬ。である。

勿論、身の程をわきまえたも
のでなれば、ということであ
る。

トランプ氏柄にもなく、大統
領のまねごとをしたかったよ
うだが、それが、吉にでるか
狂にでるか、見守っていたい
ものだ。

 


自滅=オウンゴール

2017-01-31 23:14:03 | 読書

エル・シオンという小説を
読み終えた。

内容的には、子どもむけのアニ
メにしてはと、思うものだった。

その中で、気になっていた文章が
あった。

ちゃんとした記憶でなかったので、
何度も何度も、読み返したら、
やっと見つかった。

それは、次の文章であった。

大きすぎる夢は人生をくるわせち
まう。

いや、人生どころか社会や、世界
まで┄。

これである。


この文章を読んで、今、世間を騒
がせているトランプ氏を思いおこ
してしまった。

ところで、野心という言葉には、
こういう成句がある。

 

〇野心ー身分不相応とみなされる
希望

〇野心は、よほどその人の器が大
きくないと、野心によってその人
は、食いつぶされる。

これは、野心の否定的な成句であ
る。
しかし、今、トランプ氏の行状を
言い当てるものではと、密かに
確信している。

ところで、国を治める要諦として、
次のようなのがあった。

 

これは、ネットから借用してきた。

老子 第六十章 大国を治むるは、
小鮮を烹るが若し

現代語訳
大きな国を治める時には、小魚を
煮る時の様に無闇にかき回さずじ
っとしてると良い。この様に「道」
にしたがって世の中を治めるなら
ば、鬼神が人に祟(たた)りを為す
事が無い。鬼神が人に祟りを為さ
ないだけで無く、祟りそのものが
人に害を為す事も無いのだ。祟り
が人に害を為す事が無いだけで無
く、「道」を知った聖人の政治も人
に害を為す事も無い。こうして鬼
神も人も害を為す事が無いので、
その恩恵が人々の身に降り注ぐの
である。

以上。

昔、中国で、性急な国政改革をし
て、失脚した政治家について、本
で読んだのだが、その本がどこに
いったか、探せないが。

心すべきである。

トランプ氏、あの品のなさは、「夜郎
自大の徒」では、勘繰っていたのだが
入国禁止令を巡るドタバタで、いよ
いよもって、夜郎自大の化けの皮が、
剥がれてきたようだ。

政治も経済も分からないただの成り
上がりの商売人が、大統領を気取っ
て墓穴を掘るのではと、思ったり
しているのだが。

かつて、イタリアのサヴォナローラ
は、神権政治を強いて、処刑された
が、はたして、トランプ氏は、強大
なアメリカを作ることができるだろ
うか。

今のところは、ロシアのプーチンが
トランプ大統領の元、現代のローマ
帝国アメリカが、終わりの始まりに
向かっていると、喜んでいるだろう。

東西冷戦で、疲弊したロシアを復権
するには、アメリカの自滅=オウン
ゴールを待つしかないと。

もしかすると、自滅=オウンゴール
は、中国も待ちかねているかもしれ
ない。

ウィキペディアより 

弦楽器による親しみやすい短い前奏で始まる。
これは昔話の「むかしむかし……」を表すテーマ
である。続いてホルンによるティル・オイレンシュ
ピーゲルの第1のテーマが出る。続いてクラリネ
ット
でティルの笑いを表すテーマが示される。ま
市場に現れたティルは牛馬を解き放し、市場
は大騒ぎになる。ティルは空を飛ぶ靴で遁走す
る。続いてティルは僧侶に変装し、でたらめな
お説教で人々を煙に巻く。独奏ヴァイオリン
退屈したティルのあくびを表現するが、ふと彼
の心に破滅への予感がよぎる(金管群による
信号)。続いてティルは騎士に変装し、美しい
淑女を口説くが彼女にあっさりと袖にされる。
怒ったティルは全人類への復讐を誓う(金管の
鋭い上昇音型)。最初の標的を俗物学者(ファ
ゴット
によるユーモラスな音型)に定めたティル
は、彼らに論争をふっかける。しかし次第に旗
色が悪くなり、論破されたティルは悔しまぎれ
に小唄を歌う。再びホルンによるティルのテー
マが現れ、次第に勢いを増していく。好き放題
にいたずらを繰り返すティルの活躍が描かれる
が、突如小太鼓が鳴り響き、ティルは逮捕され
る。金管によるいかめしい裁判のテーマが奏さ
れる。ティルは裁判を嘲笑しているが、やがて
彼は死の予感におびえて金切り声を上げる。
ついに死刑の判決が下り、ティルは絞首台に
昇らされ敢えない最期を遂げる。冒頭の「むか
しむかし……」のテーマが回帰し、ティルは死
んでも彼の残した愉快ないたずらは不滅であ
ることを示すティルの笑いの動機で曲が締め
くくられる。