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リタイアーのよもやま話

父が言っていた。人というのは哀しいもので、なにをやっても、どこかに悔いが残るもんだと

2017-08-14 23:44:10 | 読書



AGNUS DEI - Sacred Choral Music - The Choir
of New College, Oxford. E.HIGGINBOTTOM
[Full Album]

 

上橋菜穂子の「鹿の王」を、だいぶ
前に読み終えた。

その4巻に、気を引いた文章があった。

ヴァンは、ぼんやりと天幕の筋交い
を見ながら、ふっと頭に浮かんでき
たことを口にした。

 「父が言っていた。人というのは
哀しいもので、なにをやっても、ど
こかに悔いが残るもんだと」

 「……」

 「人に比べれば獣はあっさりとし
たもので、迷いなんぞないように見
えるが、それも、おれたちが勝手に
そう思っているだけで、獣には獣な
りの悩みがあるのかもしれん。

この世に生まれたものは、みな、ど
うもがいても結局、悔いを背負って

生きるのかもしれん、と」

そう言っていた父の顔を思いだし、
ヴァンは苦笑を浮かべた。

である。

実は、「死ぬ前に後悔すること」なん
て本があって、何冊か読んだ記憶が
ある。

いろんな患者の言葉を紹介している。
読んで、どれもこれも思いあたるもの
があって、やるせないものがあったが、
自分が、違う人生を選択できたかとい
うと、それも否であったので、複雑な
気分になった。

先にあげた「鹿の王」の文章に出会っ
て、「死ぬ前に後悔すること」の本を
思いだして、ふと気づいたことがある。

何らの人生を選択することは、他の
人生を放棄することである。という
事実である。

さて、

「死ぬ前に後悔すること」という本
に関心がわくじたい、もう人生が出
来上がっている人が大多数であるは
ずだから、読んだからって、大方の
人は、手遅れではないかと思うのだ
が、どうだろう。

ところで、
仮に、大学を卒業したばかりの人が
この本を選んで、後悔しない人生を
目指すことで、後悔しない人生が可
能かというのも、おおいに疑問符が
つくのではなかろうか。

つまり、何かを選択しないといけな
いからだ。

もしかして、
後悔しないことに拘泥した人生を後
悔することになるかも知れぬ。

等、いろいろと考えてしまったので
ある。

ところで、このブログを書いている
うちに、ネットでとんでもない記事
を見つけた。

 

これである。

【幸せの定義 ケース−7】 人生の勝
ち組として歩んできた男が定年後に悩
み、苦しんだ事は何なのか?年代を問
わず皆さんに読んで頂きたい話。

 今回は、世間一般で言う”成功”
を収め、順風満帆に生きてきた60
過ぎの男が、定年退職を機に、観念
的に”死への恐怖”や社会から離れ
ていく寂しや哀しさなどの虚無感
や焦燥感を抱き、悩み苦しんでしま
ったケースです。

誰もが羨むような人生の勝ち組で
ある男

岡田さん(仮名)は団塊世代の生ま
れで、受験戦争や出世争い、伴侶
の争奪、その全てに勝利してこの
3月に無事定年退職します。

勤め先は一流電機メーカーなので、
退職金も半端ではなく、老後の年
金生活にも不安はありません。

二人の娘は有名女子大を卒業させ、
安心できる家へ嫁がせています。

彼は『自分は人生の成功者だ』と
つい最近まで信じて疑いませんで
した。

過去を振り返ってみても、中学で
はスポーツ万能で成績も優秀。

学年で500人中トップ3から下
がった事はなく、高校も都内有数
の超一流進学校へ進み、硬式野球
に打ち込みながらも現役でこれ
また誰でも知っている国内最高峰
の超有名大学へ入学。

卒業後は難なく一流電機メーカー
へ就職し、言うまでもなく仕事が
出来るので、すぐに出世コースへ。

仕事は云うまでもなく出来てすぐ
に出世コースにのる。

美人な嫁さんも押しの強さでもの
にし、仕事と家庭を見事に両立し
今まで来たそうです。

こんな人間が実際にいるのか、と
私も少し驚きました。

以上。記事の一部を抜粋してみました。

 

この記事を最後まで読んでみて驚いて
いる。

団塊世代、我々の世代で、あの学生
運動の時代に、このような生き方を
している人がいたのだ。

結局、こうなると、どのような生き方
をしても、どこかに悔いは残るものだ
ということかも知れぬ。

「棒ほど願って針ほど叶う」

という言葉があったが、
針ほどでも願いが叶ったら良しと、
納得するしかないかも知れぬ。


日本の中枢の狂暴

2017-08-02 23:17:55 | 読書

日本の中枢の狂暴

古賀茂明

講談社

を少し前に、読み終わった。

彼の本は、これで、2冊目になる。

その目次を紹介したい。

 

第一章           総理大臣の陰謀

第二章           「報道ステーション」の闇

第三章           新聞テレビから漂う腐臭

第四章           日本人だから殺される時代

第五章           日本沈没の戦犯たち

第六章           蘇った原発マフィア

終 章 東京都知事選と民進党の
    全内幕

 

等になっている。

一言で言って、国家・国民を食い散
らかす輩とその手口をあからさまに
している。(かなり、個人的な解釈
だが)

「もり」「かけ」問題、稲田防衛大臣
の問題で、マスコミを賑わしているが、
謀略の限りを尽くし、国民・国家を搾
取しようとしている輩をあからさまに
しなくてはならない。

残念ながら、マスコミは、権力にすり
寄り、甘い汁を吸うことに執心してい
る。

マスコミは、国民の味方ではなく、権
力の手先となっている。

そういう意味で、私達の日本が一体
どういう状況になっているかを知るに、
この本が最良の本だという感想をも
った。

ぜひ、1億?の国民に、読まれて欲しい
と願っている。

今までも、ブログで本を薦めてきたが、
この本を、真っ先に薦めたい。

 


幸福三説

2017-07-30 23:08:16 | 読書

人生の手引き書
~壁を乗り越える思考法~

渡部昇一

扶桑社新書

の中に、

幸田露伴が説いた「幸福三説」
とは?

という箇所がある。

一つ目は、「惜福」
二つ目は、「分福」
三つ目は、「植福」

 である。

 この中で、「惜福」という言葉には、
懐かしいものを感じた。

この言葉は、

遠い昔に読んだ
草柳大蔵の

あなたの「死にがい」は何ですか?
という本の中で、知った。

と思ったが、調べてみたらその箇所
が探せない。

何度も調べたが、だめだった。

 ショックである。

どの本だったのだろう。

内容は、大筋覚えている。

あらためて、この言葉を読むと、
気づくことがあった。

テレビで、「しくじり先生俺みたい
になるな!!」という
番組があるが、しくじった先生は、
まさに、この「幸福三説」とは、
縁遠い振る舞いをしていることに
気づいた。

「好事魔多し」
「禍福は糾える縄の如し」
「人間万事塞翁が馬」

等々の諺を熟知していれば、しくじ
り先生になるようなことは、ないは
ずだとも思うが、折角の幸運で、身を
滅ぼしてしまう人が多いようだ。

ところで、今回読み返した本は、文
庫本で、買い直したのは1985年
の出版である。

この中で、
呂不韋の「八観六験」を紹介して
いる。

六験

第一 
これを喜ばしめて、もって、その
守りを験す。

第二
これを楽しましめて、その僻を験す。

第三
これを怒らしめて、その節を験す。

第四
これを苦しませて、その志を験す。

第五
これを恐れしめて、その独を験す。

第六
これを悲しませて、その人を験す。

 

八観

第一
通ずれば、その礼するところを観る。

第二
貴ければ、そのすすむるところを見る。

第三
富めばその養うところを見る。

第四
聞けばその行うところを見る。

第五
止(いた)れば、その好むところを
見る

第六
習えば、その言うところを見る。

第七
貧すれば、その受けざるところを
見る。

第八
賤しければ、その為さざるところ
を見る。

以上。呂不韋の「八観六験」を紹介で
ある。

この内容は、今でも、自分を律する
ものとして、気に留めているもので
ある。

読んだのは、おそらく30代前半だろう?

であるが、本当のところ、
政治家に心して欲しい内容である。

確か、第一次安倍内閣の時に、閣僚の
不祥事が続き、「身体検査」をしてから
閣僚にすべきだなんて、テレビで話題
になったが、呂不韋の「八観六験」に
照らし合わせて、大臣にすべきかもし
れない。

いや、我々国民が、国会議員の選挙
のおり、呂不韋の「八観六験」に照ら
して、人物評価ができたらと、思わざ
るを得ない。

ひとの上にたたんと、志すものも、や
はり、己を律するために、心すべき
内容であろう。

稲田朋美防衛相は、

「昔のように自由な発言もできない
し、好きな服も着られない。とても苦
しい」

とのたまったようだが、これには、愕然
とする。


私達が高校生の頃は、一番頭がいいのが、
弁護士、そして医者になるものだと理解
していた。

とりわけ、弁護士は、形而下の世界、博覧
強記の頭脳がなくてはと、畏敬の念をもっ
たものだ。

「針のむしろに座る」という言葉がある。
上に立つ者の辛い心境を示す言葉である。

国民を率先垂範すべきたる者の自覚の
ないこの幼い人格。

いったい、どうしたら、このような
人格ができるのであろう。

「神輿(ミコシ) に乗る人担ぐ人、そのまた
草鞋(わらじ)を作る人」

という諺があったが、
残念ながら、この幼さでは、草鞋(わらじ)を
作る人にもなり得ないだろう。

現場の士気が下がる。

 


人生の手引き書

2017-07-21 23:23:40 | 読書

人生の手引き書
~壁を乗り越える思考法~

渡部昇一

扶桑社新書

この本をだいぶ前に読み終えた。

最近、彼が亡くなったということを知った。

2017年4月17日、年齢は86歳だった
ようだ。 

ちょっと、早いのではないか。

若いころ、彼の「知的生活の方法」に
は、大きな影響を受けた。

まだ、ワープロもない手書きの時代の
話だ。

その後、保守であることを知り、売れす
ぎて、若干の反発を感じてきたが、彼
の言説には、一目おく内容を時折知
ることになり、評価が微妙になった。

ところで、この本の最後の文章に、
一撃を食わされた。

朝から晩までテレビやインターネット
で情報に接していても、それだけで、
学者になることも、発明家になることも
思想家になることもないし、著述家に
なることもない。

以上。

苫米地氏が、やはり、インターネットに
溺れることに警鐘を鳴らしていたが、渡
部氏のこの言葉には、返す言葉がない。

多いに、反省しなければ。



この曲を聴いて、一日を優しい気分で、
終えよう。

明日に、何か、良きことがありますように。


僕らが毎日やっている最強の読み方

2017-06-13 00:05:48 | 読書

僕らが毎日やっている最強の読み方

池上彰・佐藤優

東洋経済

を読み終えた。

最近、

佐藤優の「世界史の極意」や
池上彰・佐藤優の「大世界史」を
読んだこともあって、彼等に興味
がわいたからだ。

昔、立花隆に勢いのあった時代が
あったが、今は、彼等のようだ。

年取った素人が、参考にするもの
はないと思うが、少なくとも、彼等
のその成果としての著作物を通し
て、彼等の知性にあやかりたいも
のだ。

佐藤氏が、とんでもない難しい
言葉を使っていた。

「猖獗を究める」である。

まったく知らない言葉で、焦って
しまった。

意味を調べてみたら、こうである。

[名]
(スル)悪い物事がはびこり、勢いを
増すこと。猛威をふるうこと。「コレラが
猖獗を極める」

この意味を知って、快哉を叫んだ。

なんと、
「もり」「かけ」問題で、騒がしい安倍夫婦
のことを思いだしたからだ。

ところで、今まで世界史の本について
何度かとりあげたが、

佐藤優の「世界史の極意」や池上彰・佐藤優
の「大世界史」は、現代中東の政治状況に
ついて、詳細に分析をなされていて、大変
貴重な知識を得ることができ、感謝して
いる。

現代政治を理解するために、貴重な
本だと思った。

まだ、読まれてない方には、お薦め
したい。