後期高齢者1と2と3と

後期高齢者に組み込まれて運転免許試験も認知症検査付き
せめてgooブログで脳トレに励むことに・・・

光と心の陰

2012年06月30日 | Weblog

6月29日:
久し振りのクライミングだと云うFさんが「一緒に行きますか?」と
声をかけてくれて朝早くから夕方まで楽しんで来た。

指導者のHTさんと生徒のFさん、Uさんの中に超初心者の自分が加わったので
二人の練習時間を大幅にディスターブすることになる・・・・肩身が狭い

難度の低いルートが登れない自分に、Fさんが練習時間を割いて見本を見せてくれる。
それでも登れず二度三度・・・呆れた指導者のHTさんとUさんは別ルートに移ったが
「ここでもう少し遊ぶから・・・」とFさんが“確保”を務めてくれて、どうにか登ることが出来た。
(確保:下で命綱を支えてくれる人あるいは命綱を操作すること)

登れた満足感とFさんの思いやりがうれしかった。

午後からは場所を室内に移したボルダリングで「赤色・Vマーク」に挑戦したが
何回やっても「落ちる」・・・・・・Fさんも落ちる。
「課題が残ったね」と満足気に帰宅の車に戻った。

道々「介護・認知症」が話題になった。  箸の使い方が分らなくなる(忘れる)
トイレの場所が分らなくなって(忘れて)粗相する・・・・などなど。
でも、本人にはそのことが分からないのだから・・・と訊いたところ、以外な返事に驚いた。

「本人は、結果との因果関係を理解しているんだよ」と聞かされた。
だから「他人の食べる口元をジッと見つめる」とか「汚した下着を隠す」など
自分が出来なくなったことを知っているから、辛いんだよ。
「認知症は何も分らないから幸せ」って云う人がいるが違うんだと・・・。

「出来なくなったことが分かるから辛い」 その言葉を聞いた途端に涙が溢れた。
自分が介護している時に何度も言った覚えがある
なぜ汚したかと叱った、なぜそんな事が出来ないのかと叱った。
出来なくなったワケが「病気の進行」だとわかっている妻は辛い思いで耐えていたのか・・・・
何度言っても出来ないと、つい怒ってしまう・・・「それが普通だよ」プロの私でも時に
イライラするから気にしなくていいよと包んでくれた。

Fさんに涙を悟られないように真っ直ぐ前を向いて運転した。

その晩、最近行った山の写真の中に“新緑”があるのを見て
4年前の今の時期に、乞われて描いた絵を思い出した。

  緑の葉を透けて通る陽光が美しい(6月8日・籾糠山にて)


  4年前に描いた「陽光」(2008年7月10日)

今になって/代えの利かない大切なものを失って/今を大切に/生きようと思う自分に気が付いた。

コメント
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