高い山順位で21番目の聖岳は一度は登っておきたい山・・・でも二度とは登らない(登れない)聖岳
26日、仲間5人が4時起きして前泊した下栗の里の民宿を出発。
落石の目立つ屈曲した赤石林道を1時間走って易老度(いろうど)の駐車場に着く。
登山口の便ケ島(たよりがしま)まであと2キロ。
ここから先は4WD必須の荒れた痩せ道となる(多くの登山者はここに車を置いて歩いて行く)。
今日の予定は、標高920mの便ケ島から8時間かけて標高2300mの聖平小屋まで登る。
滑ったら70メートル下の沢まで木立も何もないザラザラの登山道は、掴まるロープも岩も木も無い上に
雨で崩れて40センチの道幅しかない危険個所が8か所もありイキナリ緊張しまくりで始まった。
追記:帰宅して2日後に滑落の情報が入った。
⇒下山の工程で、自分たちより後から来たパーティの一人がこの場所で滑落⇒8/01死亡の情報。
事故は下山時に起こると教えられている。心しよう。
50分ほど歩いて西沢渡(にしさわんど1098m)に出る。
通常は沢を渡る木橋があって、重い荷物と増水時のための手漕ぎの籠が併設されているのだが
木橋は流失して無くなっていた。
この手漕ぎの籠は結構な力が要り、しかも思ったほど前に進まない・・・・でも楽しい
ここから後は全行程ひたすら登るだけで平らな所はゼロ。しかも倒木と苔蒸した樹林帯の急登とあって体力消耗も半端じゃない
ようやく標高2200mの“苔平”に辿り着いて、残りあと200mで視界が開ける“薊畑(あざみばた)”に出られる
歩き始めて7時間、ヘロヘロ状態で今日の頂点“薊畑(あざみばた)”2400mに出た。
・・・・明日は遥か左前方に見える小聖岳を越えて聖岳に向かう。
ホッと一息入れて地図を広げて三座同定。
27日午前4時30分、小屋の朝食は早い。 誰も彼もが3時には起きて身支度整えて待機。
小屋を出て1時間半、小聖岳2662mに到着して後ろを振り返る。 雲が湧いて夏山の醍醐味を感じる一時だ。
800m先には雄大な聖岳3013mがそびえ立つ.
眺めていては分らなかったが、稜線上は左側から右に猛烈な風が吹いていて、ストックで待機姿勢をとらないと吹き飛ばされる。
喘ぎながら歩くこと3時間・・・・8:09待望の聖岳に着いた
「われ夏山に登る」そんなキザな台詞を言って見たいほどの絶景が広がる。
「山の天候は変わり易い」をそのままに、見る見る雲が湧いて来て15分間の滞在で下山を決めた。
1050m辺りまで下った処で猛烈な雨に遭遇・・・西沢渡の“籠”が渡れるか、便ヶ島の林道が通れるか・・・気を揉みながらの下山となった。
途中、一人が木の根に乗って滑り、仰向けに転倒した時は本当に肝をつぶした。 思わず「捉まえろッ」と前行く仲間に大声で叫んだ。
転がった方向は切り立った崖側で、あと50センチで滑落事故になるところだった。
カチカチに硬直した筋肉を騙しだまししながら、午後3時に便りケ島に戻って、お互いに「よく歩いたもんだ」と健闘を讃えあった。
そして「もう登りたくない」と・・・・・歩いた距離21.5kmでした。
聖岳距離が長くて大変でしたね
スリル満点は楽しそうなのですが、命がけはお断り
景色最高 山の天気は本当に5分前とは全く違ったりしますね。
無事に帰れたこと本当に良かった
コメントありがとうございます
事故は一瞬の出来事で、その瞬間は何も
出来ない内に結果が待ち構えているってことを
実感しました。転倒者が出た時は、後になって
怖さが倍増してきました。心に止めおきます。
もうリーダーはやりたくない